デレク・アンド・ザ・ドミノス(Derek And The Dominos)名義の 『 Layla And Other Assorted Love Songs (いとしのレイラ) 』 以来 4年近くのブランクを経て,1974年7月にリリースされた,久し振りのスタジオ・レコーディング・アルバム 『 461 Ocean Boulevard (461 オーシャン・ブルーバード) 』 のリリースに伴い,1974年6月28日コネチカット州はニューヘブンのイエール・ボウル公演を皮切りに,8月4日フロリダ州はパームビーチのウェスト・パーム・ビーチ・インターナショナル・レースウェイ公演で幕を閉じた 北米ツアーの 1st レグ,約1ヵ月半のブレイク後の 9月28日ヴァージニア州はハンプトンのハンプトン・コロシアム公演を皮切りに 10月6日ペンシルベニア州はフィラデルフィアのスペクトラム公演まで行われた 2nd レグ.
本アイテムは,上述の北米ツアー 1st レグから,1st レグ序盤(6公演目)に当たる 7月4日オハイオ州コロンバスはオハイオ・ステイト・ユニバーシティのセント・ジョンズ・アリーナ公演のサウンドボード録音を収録し Beanoレーベルからリリースされた 『 Colimbus 1974 Soundboard (Beano-281) 』 で,既発では廉価盤レーベルの Moon Childレーベルから 『 Columbus 0704 (MC-131) 』, Mid Valley Recordsレーベルから 『 Columbus Nº 5 (Mid Valley 501/502) 』 等がリリースされているようですが,今回は,1st Gen の ステレオ・サウンドボード・マスターを使用しているようで,この日の公演のアップグレード盤,且つ決定盤になるのでしょうか.
私的に既発アイテムは所有していないので,比較はできないですが,サウンドボード録音なので,初心者にもお勧めですし,クリアなサウンドボードなので楽しめるアイテムです.
メーカー情報では
『【エリック・クラプトン74年カムバックツアー初期のPAアウトサウンドボードの1stGen.マスターを入手!】
エリック・クラプトンではお馴染みのイギリス在住の重鎮テーパーから、また新たなマスターが届けられました!今から50年(半世紀)前、ドラッグ中毒による3年間のリタイアからカムバックした1974年の全米ツアーから、ツアー6公演目となった7月4日のコロンバス公演の「1stジェネレーション・ステレオ・サウンドボード」のマスターカセットです。
このサウンドボードソースはコンサート会場でエンジニアのチェック用にPAアウトとして録音されていたもので、録音したのは、当時のツアーの総責任者だったエンジニア、ボブ・プリデンです。そう、73年に行なわれた「レインボー・コンサート」の公式ライブ盤をプロデュースした人物であり、ザ・フーのサウンドエンジニアでもあった人です。
当時彼はクラプトンのこのツアーのサウンドエンジニアでもあったため、会場のミキシング卓にて録音を行なったのです。この録音の目的は、会場PAからの出音を確認し、バランスを調整するためで、そのため出だしではベースの音が大き過ぎ、歪んでいますが、それをすぐに修正している様子も確認できます。その後は彼による調整の結果、素晴らしいバランスで全編を鑑賞することができます。
重鎮テーパーは、その生々しいファースト・ジェネレーションのカセットマスターを入手しており、それを今回送ってきたというわけです。それゆえ音の生々しさは強烈、これまでにもこの音源を収録した既発盤は複数存在しますが、本作はボブ・プリデン録音のファースト・ジェネレーションカセットマスターを収録しているというアドヴァンテージがあります。是非過去最高音質をお楽しみいただければと思います。しかもカムバックツアー初期の姿を捉えた本作では、80年代以降のクラプトンには考えられない、別人のような珍しい「泥酔」クラプトンが捉えられています。当時29歳のクラプトンの、まさに若気の至りとも言える姿が楽しめるのも本作の魅力でしょう。
【カムバックツアーならではの魅力的なセットリストと泥酔クラプトンの面白さ!】
さて、ここでこの日の公演がこのカムバックイヤーでどのような位置づけだったのかを見ていきましょう。
・1974年6月19日、20日:全米カムバックツアーのため、北欧にてウォームアップ・ギグ
・1974年6月28日~8月4日:全米ツアー ←★ココ★
≪1974年8月5日:アルバム「461 OCEAN BOULEVARD」リリース≫
・1974年8月~9月:アルバム「THERE'S ONE IN EVERY CROWD」をマイアミにてレコーディング
・1974年9月28日~10月6日:第2回全米ツアー
・1974年10月31日~11月6日:初のジャパン・ツアー
・1974年11月27日~12月5日:ヨーロッパ・ツアー
本公演は、クラプトンの再起を賭けたこの年6月からのカムバック全米ツアーの最初期の日程であったことがお判りいただけるでしょう。
この全米ツアーは、北欧でのウォームアップギグを経て、ライブステージへの自信を取り戻したクラプトンが、緊張を緩和するために酒に酔っ払って敢行したツアーとして有名です。3年間もレギュラーでコンサートをしていなかった彼にとって、そして「デレク&ザ・ドミノス」という最高のバンドをあっけなく失ってしまった彼にとって、新しいバンドでのいきなりのスタジアムクラスでのライブは相当なプレッシャーと恐怖心を与えたことは想像に難くありません。そのため、彼は酒の力を借りたのでした。つまり、酔っぱらって酩酊してしまえば、オーディエンスの反応など気にもならない、緊張することもなく、ご機嫌でステージを務められる、というわけです(これが後年には倍返し以上の災難となってクラプトンにのしかかるのですが・・・)。その思惑は的中し、クラプトンは伸び伸びとパフォーマンスを展開することができました。この泥酔下で行なわれたカムバックツアーは、アメリカのマスコミ、ファンからの批判は一切なく、称賛の声のみが届けられた、高い評価を得たものとなりました。その理由は、どれだけ酩酊していようとも、ミストーンを出すことなく、クラプトンのプレイが冴え渡ったため、あのギターゴッドの帰還を全米が歓迎したからでした。本作ではオープニングではいきなりお遊び感覚でSan Francisco Bay Bluesを弾き始め、バンドが即興でついてきたのに、コードを間違えて中止、クラプトン自ら「To be serious.(真面目にやらなきゃな)」と発言しているシーン、そして始めたEasy Nowではイントロを間違えるというシーンが捉えられていますし、バンドメンバー紹介では呂律が回らない中、自らを「My name is Robert Johnson.」とふざけてしまうシーンもあり、思わず「おいおい、大丈夫か?」と思わせられますが、以降もMCとボーカルには酒の影響はありありのベロベロの体ながら、演奏は非常にタイトで弾き捲る姿が捉えられています。
前述のEasy Nowは、ミス以降のプレイはしっかりしており、この曲はこのツアーのみで数回プレイされた激レアナンバーゆえに聴きものです。この曲も含み、「461 OCEAN BOULEVARD」をサポートしたニューバンドの面々の実力が素晴らしく、彼らがクラプトンのプレイをまともなものに保っている感があります。クラプトンがアコースティックギターをプレイする序盤もバンドの演奏はタイトですし、エレクトリックセットに移っての一発目、Key to the Highwayでののっけからの流麗な弾き捲りは、オーディエンスの大歓声とともに「Clapton is back!」感を煽ります。
また、「親友の曲だよ。」と言って始めるLittle Wingの充実した演奏も感慨を抱かせますし、Mainline Floridaも、このツアーでは数回しかプレイしなかったレア曲で、しかも10分以上に及ぶ長尺バージョンは珍しいものです。曲中後半では、ビートルズのNorwegian Woodでジョージ・ハリスンがシタールで弾いたフレーズを奏でるという面白いシーンもあります。当時全米が歓喜したLaylaでは、セカンドコーラス後にセカンドギターのジョージ・テリーが展開を間違えて演奏が危うくなりますが、持ち直します。後奏のソロでのクラプトンはその失態を取り返すかのようなシャープなロングソロを決めています。それを引き継ぎ、テリーが名誉挽回とばかりにデュエイン・オールマン顔負けののスライドソロを決めて演奏は終了します。
Presence of the Lordは、オリジナルバージョンではブレイク後に当たるパートからのスタートという変則アレンジです。Badgeは、イントロがやたら長いレアテイクです(笑)。中間のソロでは、クラプトンらしい切れ味を見せていますが、この日のステージでは唯一酒の影響が現れた、ミストーンが頻発しているのが残念なところ。続くロックンロールナンバーLittle Queenieの曲中では、この日がアメリカの独立記念日だったことを踏まえ、「7月4日だよね!」と言って、所縁の曲の一節を歌い込むという面白い展開があります。
伝説のエンジニア、ボブ・プリデン録音による完全収録のファースト・ジェネレーションマスターです。過去最高音質でお楽しみください。』
Colimbus 1974 Soundboard (Beano-281)
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240513/14/x-cinnamon/00/52/j/o0342033915438231026.jpg?caw=800)
Live At St. John Arena, Columbus, OH, USA
04th July 1974
[STEREO SOUNDBOARD RECORDING / UPGRADE]
Disc 1
01. San Francisco Bay Blues
02. Easy Now
03. Smile
04. Let It Grow
05. Can't Find My Way Home
06. Band Introductions
07. Key To The Highway
08. Willie And The Hand Jive
09. Get Ready
10. Little Wing
TOTAL TIME (57:10)
Disc 2
01. Mainline Florida
02. Layla
03. Presence of the Lord
04. Badge
05. Little Queenie
06. Crossroads
TOTAL TIME (47:04)
Eric Clapton : Guitar, Vocal
George Terry : Guitar
Dicks Sims : Keyboards
Carl Radle : Bass
Jamie Oldaker : Drums
Yvonne Elliman : Backing Vocal
Easy Now
Key To The Highway
Little Wing
Badge
[参考]
Columbus 0704 (MC-131)
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240513/15/x-cinnamon/a6/59/j/o0292029315438265727.jpg?caw=800)
Columbus Nº 5 (Mid Valley 501/502)
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240513/15/x-cinnamon/9e/3b/j/o0583058715438266983.jpg?caw=800)
1974 Tour Dates
June
[Warm Up Gig]
19 Tivoli Gardens,Stockholm, SWEDEN
20 KB Hallen,Copenhagen ,DENMARK
[North American Tour / 1st Leg]
28 Yale Bowl,New Haven,CT,USA
29 Spectrum,Philadelphia,PA,USA
30 Nassau Veterans Memorial Coliseum,Uniondale,NY,USA
July
02 International Amphitheatre,Chicago,IL,USA
03 International AmphitheatreChicago,IL,USA
04 St. Johns Arena, Ohio State University,Columbus,OH,USA
05 Three Rivers Stadium,Pittsburgh,PA,USA
06 Rich Stadium,Orchard Park,NY,USA
07 Roosevelt Stadium,Jersey City,NJ,USA
09 The Forum,Montreal,QC,CANADA
10 Civic Center,Providence,RI,USA
12 Boston Garden,Boston,MA,USA
13 Madison Square Garden,New York City,NY,USA
14 Capitol Centre,Largo,MD,USA
18 Tempe Diablo Stadium,Tempe,AZ,USA
19 Long Beach Arena,Long Beach,CA,USA
20 Long Beach Arena,Long Beach,CA,USA
21 Cow Palace,San Francisco,CA,USA
23 Denver Coliseum,Denver,CO,USA
24 Denver Coliseum,Denver,CO,USA
25 Kiel Auditorium,St. Louis,MS,USA
27 Mississippi Valley Fairgrounds,Davenport,IAUSA
28 Liberty Bowl Memorial Stadium,Memphis,TN,USA
29 Legion Field,Birmingham,AL,USA
31 City Park Stadium,New Orleans,LA,USA
August
01 Omni Coliseum,Atlanta,GA,USA
02 Greensboro Coliseum,Greensboro,NC,USA
04 West Palm Beach International Raceway,Palm Beach,FL,USA
Septmber
[North American Tour Tour / 2nd Leg]
28 Hampton Coliseum,Hampton,VA,USA
29 Nassau Veterans Memorial Coliseum,Uniondale,NY,USA
30 Boston Garden,Boston,MA,USA
October
01.The Forum,Montreal,QC,CANADA
02.Maple Leaf Gardens,Toronto,ON,CANADA
04.Capitol Centre,Largo,MD,USA
05.Capitol Centre,Largo,MD,USA
06.Spectrum,Philadelphia,PA ,USA
[Japan Tour]
31 Nippon Budokan,Tokyo,JAPAN
November
01. Nippon Budokan,Tokyo,JAPAN
02. Nippon Budokan,Tokyo,JAPAN
05. Kouseinenkin Kaikan,Osaka,JAPAN
06. Kouseinenkin Kaikan,Osaka,JAPAN
[European Tour]
26. Kongresszentrum,Hamburg,GERMANY
27. Olympiahalle,Munich,GERMANY
28. Friedrich-Ebert-Halle,Ludwigshafen,GERMANY
29. Grugahalle,Essen,GERMANY
30. Ahoy Rotterdam,Rotterdam,NETHERLANDS
December
01. Sportpaleis,Antwerp,BELGIUM
02. Park des Expositions,Paris,FRANCE
04. Odeon Theatre,Hammersmith,London,UK
05. Odeon Theatre,Hammersmith,London,UK
[関連記事]
「Tennessean Master (Gift CDR)」
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20231025/14/x-cinnamon/48/14/j/o0342034015355537137.jpg?caw=800)
「Long Beach Arena 1974 1st Night : Mike Millard Master Tapes (Beano-208)」
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20210606/07/x-cinnamon/d9/fd/j/o0342033914953083669.jpg?caw=800)
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