伝説のテーパー:マイク・ミラード(Mike Millard)のオリジナル・マスター・カセット発掘により,マイク・ミラードによる高音質オーディエンス録音を収録した商品が数多くリリースされ,巷を騒がせていますが,今回は エリック・クラプトン(Eric Clapton)の1974年のオーディエンス録音の登場です.

 この年代の エリック・クラプトン(Eric Clapton)の音源は殆ど聴かないのですが,テーパーが マイク・ミラード(Mike Millard)となれば話は別です(笑)

 デレク・アンド・ザ・ドミノス(Derek And The Dominos)名義の 『 Layla And Other Assorted Love Songs (いとしのレイラ) 』 以来 4年近くのブランクを経て,1974年7月にリリースされた,久し振りのスタジオ・レコーディング・アルバム 『 461 Ocean Boulevard (461 オーシャン・ブルーバード) 』 のリリースに伴い,1974年6月28日コネチカット州はニューヘブンのイエール・ボウル公演を皮切りに,8月4日フロリダ州はパームビーチのウェスト・パーム・ビーチ・インターナショナル・レースウェイ公演で幕を閉じた 北米ツアーの 1st レグ,約1ヵ月半のブレイク後の 9月28日ヴァージニア州はハンプトンのハンプトン・コロシアム公演を皮切りに 10月6日ペンシルベニア州はフィラデルフィアのスペクトラム公演まで行われた 2nd レグ.

 その後,10月31日日本武道館公演を皮切りに11月6日大阪は厚生年金会館公演まで初となる日本公演が行われる訳ですが,この日本公演はご存知の通り賛否両論がありました.

 本CDは,上述の北米ツアー 1st レグから,1st レグ中盤に行われたカリフォルニア州はロング・ビーチのロング・ビーチ・アリーナ公演のオーディエンス録音を収録し Beanoレーベルよりリリースされた 『 Long Beach Arena 1974 1st Night : Mike Millard Master Tapes (Beano-208) 』 で,今までオーディエンス録音として出回っているものは,マイク・ミラード音源でも 2nd Gen 以降であり,今回はオリジナル・マスター・カセットから JEMSがトランスファーした音源を使用していますので,明らかに鮮度が良いはずです.
 と言っても,既発所有していないので,比較はできないですが(苦笑)

 この日は,流出したサウンドボード録音や,オフィシャル 『 E.C. Was Here (E.C. ワズ・ヒア) 』 で,ファンの方は聴き慣れた公演日だとは思います.
 私的にはこの時期は殆ど聴き込んではいませんが,流石の マイク・ミラード(Mike Millard)音源ですね.臨場感のある高音質なオーディエンス録音です.
 珍しく序盤では曲中に小さくて然程気になりませんが,オーディエンス・ノイズが入っています.

 メーカー情報では
 『昨年からJEMSによりネット上で公開され、ロックマニア間で話題沸騰、大ブームを呼んでいる名テーパー、マイク・ミラード氏による秘蔵オリジナルマスターテープシリーズ。「The Lost and Found Mike the MICrophone Tapes」と題されたシリーズの第84弾としてこのたび公開されたのは、エリック・クラプトンの74年ツアー、7月19日のロングビーチ・アリーナ公演初日音源でした!
 この日はサウンドボードソースもオーディエンスソースも既発盤が存在しますが、オーディエンスソースのマスターは、このミラード氏から流出してテープトレーダー間で流通したセカンドジェネ以降のカセットコピーだったと考えられます。その大元となったミラード氏のオリジナルマスターが遂に公開されたというわけです。
 公開された順番は遅かったのですが、当公演はミラード氏が録音を始めて8つ目という初期に当たっていました。そのためマイクはまだモノラルで、Get ReadyとCrossroadsの間にテープチェンジをしたと思われるカット部分を含んでいたりしますが、後に「伝説の名テーパー」の異名をほしいままにした氏の録音センスやテクニックは既に発揮されており、後の音源にも優るとも劣らないクオリティを叶えています。従って元々音質抜群のソースでしたが、ファーストジェネの大元マスターとなれば既発盤よりも音質が良いことは当然のことでしょう。音像についてはモノラルですが、名手ミラード氏の録音らしく、非常に広がりのある音場で捉えられていて、付近のオーディエンスノイズがなければサウンドボード録音かと思うようなクリアさとバランスです。

【高いプレイクオリティと魅力的なセットリストだった日】
 さて、ここでこの日の公演が74年のカムバックイヤーでどのような位置づけだったのかを見ていきましょう。

 ・1974年6月19日、20日:全米カムバックツアーのため、北欧にてウォームアップ・ギグ
 ・1974年6月28日~8月4日:全米ツアー ←★ココ★
 ≪1974年8月5日:アルバム「461 OCEAN BOULEVARD」リリース≫ 
 ・1974年8月~9月:アルバム「THERE'S ONE IN EVERY CROWD」をマイアミにてレコーディング
 ・1974年9月28日~10月6日:第2回全米ツアー 
 ・1974年10月31日~11月6日:初のジャパン・ツアー
 ・1974年11月27日~12月5日:ヨーロッパ・ツアー

 本公演がこの年6月からのカムバック全米ツアーの中盤の日程であったことがお判りいただけるでしょう。

 この全米ツアーは、ウォームアップギグを経て、ライブステージへの自信を取り戻したクラプトンが、緊張を緩和するために酒に酔っ払って敢行したツアーでしたが、この日はMCにその影響は多少感じられるものの、総じてボーカルもきちんと取り、的確で滑らかなギタープレイを披露しています。
 この日のHave You Ever Loved A Womanがオフィシャルライブ盤「E.C.WAS HERE」に採用されたことが何よりの証左でしょう。セットリストが他日よりも魅力的だったことが特長で、まだこの時点ではリリースされていなかった当時のカムバック新作「461 OCEAN BOULEVARD」からのナンバーを6曲もセットインさせながら、クリーム時代のBadge、Crossroadsを交えつつ、ブラインド・フェイス時代のCan't Find My Way Home、ドミノスナンバーTell The Truth、Laylaもきちんと押さえ、ブルースも、という具合に、ファンが聴きたかった曲をしっかり組んでいたことが魅力です。
 その上で、クラプトンが兼々気に入りの映画と言っていたチャーリー・チャップリンの「モダン・タイムズ」のテーマ曲Smileをオープニングに持って来るというサプライズも用意していた充実のコンサートでした。酒による酩酊度は低く、プレイが冴えていた日として、翌日の同地での公演とともに74年ツアーを代表する音源と言えるでしょう。面白いのは、Steady Rollin' Manを2回プレイしていることです。同じ曲をまた演奏するなんて、通常のコンサートでは考えられないことですが、これは、酔っていた証拠でしょう(笑)。両方の同曲で異なるシャープなソロが聴けるところがさすがライブアーティスト、クラプトンたる所以です。同曲で二度美味しい思いができる珍しい公演でした。

【激レアセッションが実現。アンコールに元ボス、ジョン・メイオールが飛入り!】
 アンコールには何と、クラプトンが65年~66年に在籍していたジョン・メイオールズ・ブルースブレイカーズのボス、ジョン・メイオールが飛入りしています。
 彼がクラプトンのコンサートに飛入りしたのは、この1回限りのことです。非常に貴重だと言えるでしょう。しかもロンドンではなく、ロングビーチで実現したことなのですから。メイオールはハーモニカをプレイしている上に、リードボーカルもとっています。60年代そのままのようなブルースジャムが展開されていますが、メイオールの独壇場と言えるようなパフォーマンスで、クラプトンとすれば元のボスに花を持たせたのでしょう。映像があるなら観てみたいものですが、恐らくクラプトンもメイオールも笑顔が絶えなかったのではないでしょうか。最後はお返しにメイオールがクラプトンの名を二度コールします。60年代のクラブのステージでも彼はこうしていたのではないかと想像すると、ワクワクしてきます。
 サウンドボード録音の既発盤にはこのアンコールは不完全収録となっていましたので、オーディエンス録音の本盤でのみ完全版が聴けます。レギュラーセットも聴きどころたっぷりで魅力的ですが、ブリティッシュブルースファンにとってはこのアンコールだけでも聴く価値があるでしょう。

 伝説の名テーパー、マイク・ミラードが録音していたエリック・クラプトンの74年ツアーの極上音源完全版。彼の名に恥じぬサウンドボード並みの音質でプレイクオリティの高かった日を捉えた本ツアーの代表的音源です。限定プレスCDでのリリースとなりますので、お早めのオーダーをお願い致します。』

Long Beach Arena 1974 1st Night : Mike Millard Master Tapes (Beano-208)
 
 Live At Long Beach Arena, Long Beach, CA, USA 19th July 1974
 [UPGRADE]

  Disc 1
   1. Introduction
   2. Smile
   3. Let It Grow
   4. Can't Find My Way Home
   5. I Shot The Sheriff
   6. Badge
   7. Willie And The Hand Jive
   8. Get Ready
   9. Crossroads / Steady Rollin' Man
   TOTAL TIME (55:18)

  Disc 2
   1. Mainline Florida
   2. Layla
   3. Have You Ever Loved A Woman
   4. Tell The Truth
   5. Steady Rollin' Man
   6. Band Introductions
   7. Little Queenie
   8. Blues Jam (with John Mayall)
   TOTAL TIME (62:13)

 Eric Clapton : Guitar, Vocal
 George Terry : Guitar
 Dicks Sims : Keyboards
 Carl Radle : Bass
 Jamie Oldaker : Drums
 Yvonne Elliman : Backing Vocals

 Let It Grow
 
 I Shot The Sheriff
 
 Layla
 
 Blues Jam (with John Mayall)
 

[参考]
 1974 Tour Dates
 June
  19 Tivoli Gardens,Stockholm, SWEDEN
  20 KB Hallen,Copenhagen ,DENMARK
   [North American Tour]   
  28 Yale Bowl,New Haven,CT,USA
  29 Spectrum,Philadelphia,PA,USA
  30 Nassau Veterans Memorial Coliseum,Uniondale,NY,USA
 
 July
  02 International Amphitheatre,Chicago,IL,USA
  03 International AmphitheatreChicago,IL,USA
  04 St. Johns Arena, Ohio State University,Columbus,OH,USA
  05 Three Rivers Stadium,Pittsburgh,PA,USA
  06 Rich Stadium,Orchard Park,NY,USA
  07 Roosevelt Stadium,Jersey City,NJ,USA
  09 The Forum,Montreal,QC,CANADA
  10 Civic Center,Providence,RI,USA
  12 Boston Garden,Boston,MA,USA
  13 Madison Square Garden,New York City,NY,USA
  14 Capitol Centre,Largo,MD,USA
  18 Tempe Diablo Stadium,Tempe,AZ,USA
  19 Long Beach Arena,Long Beach,CA,USA
  20 Long Beach Arena,Long Beach,CA,USA
  21 Cow Palace,San Francisco,CA,USA
  23 Denver Coliseum,Denver,CO,USA
  24 Denver Coliseum,Denver,CO,USA
  25 Kiel Auditorium,St. Louis,MS,USA
  27 Mississippi Valley Fairgrounds,Davenport,IAUSA
  28 Memorial Stadium,Memphis,TN,USA
  29 Legion Field,Birmingham,AL,USA
  31 City Park Stadium,New Orleans,LA,USA
 
 August
  01 Omni Coliseum,Atlanta,GA,USA
  02 Greensboro Coliseum,Greensboro,NC,USA
  04 West Palm Beach International Raceway,Palm Beach,FL,USA

 Septmber
   [North American Tour]
  28 Hampton Coliseum,Hampton,VA,USA
  29 Nassau Veterans Memorial Coliseum,Uniondale,NY,USA
  30 Boston Garden,Boston,MA,USA

 October
  01.The Forum,Montreal,QC,CANADA
  02.Maple Leaf Gardens,Toronto,ON,CANADA
  04.Capitol Centre,Largo,MD,USA
  05.Capitol Centre,Largo,MD,USA
  06.Spectrum,Philadelphia,PA ,USA
   [Japan Tour]
  31 Nippon Budokan,Tokyo,JAPAN

 November
  01. Nippon Budokan,Tokyo,JAPAN
  02. Nippon Budokan,Tokyo,JAPAN
  05. Kouseinenkin Kaikan,Osaka,JAPAN
  06. Kouseinenkin Kaikan,Osaka,JAPAN
   [European Tour]
  26. Kongresszentrum,Hamburg,GERMANY
  27. Olympiahalle,Munich,GERMANY
  28. Friedrich-Ebert-Halle,Ludwigshafen,GERMANY
  29. Grugahalle,Essen,GERMANY
  30. Ahoy Rotterdam,Rotterdam,NETHERLANDS

 December
  01. Sportpaleis,Antwerp,BELGIUM
  02. Park des Expositions,Paris,FRANCE
  04. Odeon Theatre,Hammersmith,London,UK
  05. Odeon Theatre,Hammersmith,London,UK






















#2021‐05‐18