1972年7月の初来日(2公演)から20年経った1992年9月の再来日(8公演).
そして,再来日に続き,1996年10月に三度目の来日を果たした エマーソン・レイク・アンド・パーマー(Emerson, Lake & Palmer).
この三度目の来日時は,10月8日福岡サンプレイス公演を皮切りに,10月19日浦和文化センター公演まで,都合10公演を行っています.
今回,商品を 2組購入すると希望者に配布されるギフト・アイテムとして登場したのは,4公演目に当たる10月12日東京は渋谷公会堂公演の新たに発掘されたオーディエンス録音を収録した 『 Shibuya 1996 (GIft 2CDR) 』 です.
音像は若干遠目で,会場と席位置の関係か少し籠った感もありますが,出音のバランスも相応に良く楽しめる内容です.
”The Great Gates Of Kiev” の中間部のアレンジも興味深いです.
メーカー情報では
『伝説トリオ最後の来日となった1996年のジャパン・ツアー。その現場を伝える新発掘マスターがギフト・リリース決定です。
そんな本作に吹き込まれているのは「1996年10月12日:渋谷公会堂」公演。その絶品オーディエンス録音です。最後のジャパンツアーはあまりにもメモリアルなため、当店では数々の傑作でアーカイヴ。そのコレクション整理のためにも、当時のスケジュールからショウのポジションを確かめてみましょう。
・10月8日:福岡サンパレス
・10月9日:大阪フェスティバルホール
・10月10日:名古屋市公会堂
・10月12日:渋谷公会堂 ←★本作★
・10月13日『TOKYO 1996 1ST & 2ND NIGHT(厚生年金)』
・10月14日:仙台イズミティ21
・10月15日『DEFINITIVE TOKYO 1996(中野)』
・10月17日:中野サンプラザ
・10月18日:中野サンプラザ
・10月19日『DEFINITIVE URAWA 1996』
以上、全10公演。
彼らは1972年から合計三度目の来日が実現したわけですが、1996年は公演数だけなら最多を記録するツアー。その中で本作の渋谷公会堂は中盤に差し掛かった4公演目でした。
このショウは2公演セットの4枚組『TOKYO 1996 1ST & 2ND NIGHT』でも聴けたのですが、本作はまったく別。全世界初公開となる新発掘録音です。しかも、本作を手掛けたのは最近話題の録音家。90年代を中心に多彩なアーティストを録音している人物なのですが、プログレ系で言えばYESの『SHIBUYA 1998 2ND NIGHT(Amity 634)』や『TOKYO 2003 2ND NIGHT(Amity 635)』が大好評。今週通常リリースされるBRAND Xの『SHIBUYA 1997(Amity 638)』もこのテーパーの作品なのです。
実際、そのサウンドは美麗。1階17列目から捉えられた演奏は綺麗に伸びる芯が真っ直ぐに届き、そこから立ち上るホール鳴りが艶とダイナミズムを生み出していく。実のところ、鳴りにやや厚みもあるのですが、そのド真ん中を突っ切る芯が力強いために細部までキチンと伝わり、音が降り注ぐ教会のような荘厳さまで演出してくれるのです。そして、ポイントなのはスカスカ感がまるでないこと。距離感ゼロではないにも関わらず、中音域にたっぷりとした密度があり、重低音のヴァイヴが潰れずに味わえる。「まるでサウンドボード」を追究されたい方には向いていないかも知れませんが、オーディエンスならではの旨みを味わいたい方には最適ですし、ビビらない安定感とド迫力を兼ね備えた録音なのです。
そんなダイナミック・サウンドで描かれるのは、栄光の歴史を総括するようなフルショウ。「1996年ー1998年」期のライヴアルバムと言えば、公式作『LIVE IN POLAND』がもっとも有名。ここでは比較しながらセットを整理しておきましょう。
●70年代クラシックス
・エマーソン・レイク・アンド・パーマー:Knife Edge/Take A Pebble/Lucky Man
・タルカス:Bitches Crystal
・トリロジー:Hoedown(★)/From The Beginning
・恐怖の頭脳改革:Karn Evil 9/Still...You Turn Me On(★)
・作品第2番:Tiger In A Spotlight(★)
・その他:メドレー1[Tarkus/Pictures At An Exhibition]/メドレー2[Fanfare For The Common Man/America/Rondo]
●その他
・Touch And Go/A Tribute To Kevin Gilbert(★)/Hammer It Out(★)
※注:「★」印は公式盤『LIVE IN POLAND』では聴けない曲。
……と、このようになっています。
「A Tribute To Kevin Gilbert」「Hammer It Out」という曲名に覚えがない方もいらっしゃるかも知れませんが、これはキースのソロ曲。演奏前にはキース自身が日本語でMCを執り、曲解説もしてくれる。他公演でもお馴染みの演出ですが、本作のサウンドはその一言一言もしっかりと伝えてくれ、たどたどしい発音にも関わらず(耳を澄ますまでもなく)内容がはっきりと分かるのです。
そんな本作最大の聴きどころは、やはりラストの巨大メドレー2連発。象徴曲セット「タルカス/展覧会の絵」は凄まじいまでのスケール感が押し寄せ、ハイライトの「庶民/ロンド」メドレーはなぎ倒さんばかりのド迫力で攻め立ててくる。熱演になるのはいつも通りにしても、本作のダイナミック・サウンドのおかげで迫力が通常の3倍(体感)。そこまで押して押して押しまくるくせに、轟音にも爆音にもならず、艶やかで美しい。正直「無料ギフトはもったいかも……」などとナイショの本音まで漏れるライヴアルバムなのです。
大暴動まで起きた伝説の初来日、20年越しの奇跡に列島が沸いた1992年、そして最後の勇姿となってしまった1996年。歴史上、三度実現したELPの来日は、それぞれに強烈な個性を発散していました。残念ながら「1996年編」は今ひとつ注目度が高くなかったりもしますが、その中身は変わらず特濃だった。その事実を1人でも多くの方に知っていただきたいがためのギフト・リリース。どうぞ、じっくりとご堪能ください。
★最後の来日で記録されたオーディエンス録音がギフト・リリース。全世界初公開となるオリジナル・マスターで、ホール鳴りがダイナミズムを倍加させつつ、まったくビビらない艶やかさも両立。ハイライトのド迫力メドレーは必聴です。』
Shibuya 1996 (GIft 2CDR)
Live At Shibuya Kokaido, Tokyo, Japan
12th October 1996
[From Original Masters]
Disc 1
01. Karn Evil 9
02. Tiger In A Spotlight
03. Hoedown
04. Touch And Go
05. Knife Edge
06. Bitches Crystal
07. Still... You Turn Me On
08. From The Beginning
09. A Tribute To Kevin Gilbert
10. Hammer It Out
11. Take A Pebble
TOTAL TIME (42:56)
Disc 2
01. Lucky Man
02. Tarkus
03. Pictures At An Exhibition
04. Fanfare For The Common Man / America / Drum Solo / Rondo
TOTAL TIME (41:31)
Knife Edge
Take A Pebble
Pictures At An Exhibition
[参考]
1996 Japan Tour Dates
October
08 Fukuoka Sunpalace, Fukuoka, JAPAN
09 Festival Hall, Osaka, JAPAN
10 Nagoya-shi Koukaidou, Nagoya, JAPAN
12 Shibuya Koukaidou, Tokyo, JAPAN
13 Tokyo Kousei Nenkin Kaikan, Tokyo, JAPAN
14 Izumity 21, Sendai, JAPAN
15 Nakano Sunplaza, Tokyo, JAPAN
17 Nakano Sunplaza, Tokyo, JAPAN
18 Nakano Sunplaza, Tokyo, JAPAN
19 Urawa-Shi Bunka Center, Urawa, JAPAN
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#2024-01-09