ドナルド・フェイゲン(Donald Fagen)と ウォルター・ベッカー(Walter Becker)は,バンドとしてレコード・デビューするために旧知のミュージシャンを呼び寄せ,スティーリー・ダン(Steely Dan)を結成.

 1972年10月にリリースした 1st アルバム 『 Can't Buy A Thrill (キャント・バイ・ア・スリル) 』 は,プラチナ・ディスクを獲得し,シングル・カットされた 「 Do It Again (B面:Fire In The Hole)」 ,「 Reelin' In the Years (B面:Only A Fool Would Say That) 」 も大ヒットを記録.

 通常,アーティストは,アルバム・リリースとライヴを繰り返しつつ,活動を継続していく訳ですが,本来作曲家としての活動を強く望んでいた,ウォルター・ベッカー(Walter Becker)とドナルド・フェイゲン(Donald Fagen)は肉体的にも精神的にも辛いライヴを嫌い,やがてそれが他のメンバーとの軋轢を生むことになります.
 また作品を追うごとに理想とするサウンド,その理想に対してのバンド自体の演奏力の差が明らかになってくると,外部のスタジオ・ミュージシャンを積極的に起用するようになり,自ずとバンドとしての一体感は失われ,最終的にバンドと言うよりは,ウォルター・ベッカー(Walter Becker)とドナルド・フェイゲン(Donald Fagen)のバンドとしての色が強くなっていきます.

 そして,一流スタジオ・ミュージシャンを起用して,1977年9月にリリースした 6th アルバム 『 Aja (彩) 』 は,音楽評論家からも高い評価を受け,大ヒットを記録すると共に,スティーリー・ダン(Steely Dan)の名声を決定的なものにした 1枚となりました.

 3年後の 1980年11月にリリースした次作 『 Gaucho (ガウチョ) 』 も,高い評価とヒットを記録したにも関わらず,このアルバムを最後に,1993年の活動再開まで スティーリー・ダン(Steely Dan)として,長い活動休止期間に入ります.

 そして,何と,『 Gaucho (ガウチョ) 』 から,20年後の2000年2月にリリースされた スティーリー・ダン(Steely Dan)名義のアルバム 『 Two Against Nature (トゥー・アゲインスト・ネイチャー) 』 は,大ヒットを記録し,同年のグラミー賞では,最優秀アルバム賞をはじめ 4部門で受賞していますし,2003年には 『 Aja (彩) 』 が,グラミー賞殿堂入りを果たします.

 残念な事に,2017年9月3日には,ギター,ベース,ヴォーカルを担当していて ウォルター・ベッカー(Walter Becker)が,極度に侵攻性の高い食道癌で 67歳と言う若さで他界してしまい,それが影響したであろう ドナルド・フェイゲン(Donald Fagen)も,時を同じくして急病を理由に,北米ツアーの最後の 4公演をキャンセル,9月23日,24日に赤レンガ倉庫で予定されていた 「 Blue Note JAZZ FESTIVAL In JAPAN 2017 」 への出演もキャンセルになってしまいました.

 そんな スティーリー・ダン(Steely Dan)の商品が,久し振りにリリースされました.

 本商品は,1993年と1994年の北米ツアーからの音源を収録したオフィシャル・ライヴ・アルバム 『 Alive in America (アライヴ・イン・アメリカ) 』 のリリース日でもある 1995年10月17日ニューヨーク州ニューヨーク・シティはマンハッタン・センター・スタジオで行われたラジオ放送用のライヴと,当日のリハーサルをカップリングし Uxbridgeレーベルよりリリースされた 『 Manhattan Center Studios 1995 (Uxbridge 1845) 』 で,サウンドボード録音を収録しているので,初心者でも安心して楽しむことができます.
 1995年は10月に 4公演(10月17日,20日,21日
22日)しか行われおらず,その中の 1音源,それだけに貴重です.

 因みに,1993年のアイテムは 『 Saratoga Springs 1993 (Uxbridge 1291) 』,『 Houston 1993 (No Label) 』,1994年のアイテムは 『 Dallas 1994 First Night (Uxbridge 456) 』,1996年のアイテムは 『 Manassas 1996 (Gift DVDR) 』 をアップしているので,ご興味があれば参照して下さい.
 
 メーカー情報では
 『ライヴアクトとして再始動を果たした90年代のSTEELY DAN。オフィシャル作品『ALIVE IN AMERICA』の番外編とも言うべき極上サウンドボード・アルバムが登場です。
 そんな本作に収められているのは、1日に行われた2つの記録。「1995年10月17日ニューヨーク・シティ」で収録されたラジオ放送ライヴと、当日リハーサルをカップリングした1枚です。
 90年代の彼らはスタジオ作品こそ残さなかったもののライヴ活動は活発で、二度にわたる来日が実現した事でも思い出深い。

 良い機会でもありますので、そんな時代の活動歴を俯瞰してみましょう。

 ●1992年
 ・8月18日:フィラデルフィア公演
 ●1993年
 《5月25日:フェイゲンの『KAMAKIRIAD』発売》
 ・6月20日:フィラデルフィア公演
 ・8月13日ー9月26日:北米#1(34公演)
 ●1994年
 ・4月15日ー24日:日本#1(8公演)
 ・8月19日ー9月18日:北米#2(22公演)
 《9月27日:ベッカーの『11 TRACKS OF WHACK』発売》
 ●1995年
 《10月17日『ALIVE IN AMERICA』発売》
 ・10月17日ー22日:ニューヨーク(3公演)←★ココ★
 ●1996年
 ・7月5日ー8月17日:北米#3(31公演)
 ・9月2日ー15日:欧州(10公演)
 ・10月8日ー13日:日本#2(5公演)

 これが90年代のSTEELY DAN。

 作品的には『ALIVE IN AMERICA』だけでしたが、本作のニューヨーク公演は、そのリリース当日のラジオ出演でした。

 そんな日に記録された本作は、二部構成のサウンドボード・アルバム。「前半=当日スタジオ・リハ(約44分)」+「後半=ライヴ本番(約29分)」で記念すべき1日を再現しています。どちらも完全オフィシャル級の超極上品………と申しますか、数多くの公式作を手掛けてきたロジャー・ニコルスがミックスを担当し、一部が実際にオフィシャル配信されたこともある音源なのです。
 本作は、そんな公式音源のコピー。。。では、ありません。リハーサルもライヴ本編も最長・最高峰を更新する決定盤なのです。
 前半のリハーサルからして、超極上&過去最長。本番で演奏する5曲を入念に確かめており、その演奏は真剣そのもの。観客なしのスタジオ・ライヴとしても楽しめるほどしっかりとした生演奏がドミ直結サウンドボードでの海園に流し込まれます。もちろん、リハならではのうま味もたっぷり。慧能にはメンバーへの指示も入りますし、テイクの合間には細部を確かめる声も生々しく記録されている。それこそ関係者の1人となって裏舞台に居合わせられるのです。
 そして、後半のライヴ本番。こちらは4曲分が公式配信されましたが、本作はそこにはなかった「Bad Sneakers」まで収録した完全版です。「Bad Sneakers」は『ALIVE IN AMERICA』でも聴けなかった美味しい1曲だったりします。さらにポイントなのが最後の「East St. Louis Toodle-Oo」。これも『ALIVE IN AMERICA』未収録のナンバーですが、それ以上にライヴ演奏自体が激レア。本作で初めて生演奏に触れる方も多いのではないでしょうか。

 完全オフィシャル級のサウンド・クオリティで過去最長を更新した「ALIVE IN AMERICAの続篇」です。公式作品『ALIVE IN AMERICA』では聴けない2曲をフィーチュアしつつ、リハーサルと記念ライヴでリリース当日をドキュメント。まさに公式作と並べてコレクションして頂きたい1枚。どうぞ、存分にご堪能ください。

 ★「1995年10月17日ニューヨーク・シティ」のステレオ・サウンドボード録音。公式『ALIVE IN AMERICA』の発売当日で、「前半=当日スタジオ・リハ(約44分)」+「後半=ライヴ本番(約29分)」を収録。ロジャー・ニコルスがミックスを担当しており、リハもライヴ本編も過去最長を更新。
 公式『ALIVE IN AMERICA』で聴けない「Bad Sneakers」「East St. Louis Toodle-Oo」や裏舞台が透けるリハも完全オフィシャル級クオリティで楽しめる「ALIVE IN AMERICAの続篇」です。』

Manhattan Center Studios 1995 (Uxbridge 1845)
 
 Live At Manhattan Center Studios, NYC, USA
 17th October 1995
 [STEREO SOUNDBOARD RECORDING]

   [Rehearsal]
   01. Bad Sneakers 1
   02. Bad Sneakers 2 (cut in)
   03. Studio Chat
   04. Bad Sneakers 3
   05. Studio Chat
   06. Green Earrings
   07. Studio Chat
   08. Babylon Sisters
   09. Studio Chat
   10. Peg
   11. Studio Chat
   12. East St. Louis Toodle-Oo 1
   13. East St. Louis Toodle-Oo 2
   14. Studio Chat
   15. Bad Sneakers 4

   [Live]
   16. Intro
   17. Bad Sneakers
   18. Green Earrings
   19. Babylon Sisters
   20. Peg
   21. Band Introductions
   22. East St. Louis Toodle-Oo
   23. Ending Annoucement
   TOTAL TIME (72:31)

 Walter Becker : Guitar, Vocal
 Donald Fagen : Vocal, Melodica, Electric Piano

 Warren Bernhardt : Piano
 Drew Zingg : Guitar
 Tom Barney : Bass
 John Beasley : Piano
 Cornelius Bumpus : Tenor Saxophone
 Chris Potter : Alto Saxophone, Tenor Saxophone
 Bob Sheppard : Soprano Saxophone, Tenor Saxophone
 Peter Erskine : Drums
 Bill Ware : Percussion, Vibraphone
 Catherine Russell : Percussion, Backing Vocal
 Diane Garisto : Backing Vocal
 Brenda White-King : Backing Vocal

 Babylon Sisters [Rehearsal]
 
 Green Earrings [Live]
 
 Peg [Live]
 

[参考]
 1995 Tour Dates
 October
  17 Manhattan Center Studios, New York City, NY, USA
  20 Late Show With David Letterman, New York City, NY, USA
  21 Roseland Ballroom, New York City, NY, USA
  22 Roseland Ballroom, New York City, NY, USA











[関連記事]
Gaucho : Mobile Fidelity CD (Gift CDR)
 
Aja : Mobile Fidelity CD (Gift CDR)
 
Wembley Arena 2019 (Uxbridge 996)
 
Aja Vs The Scam : Boston Broadcast 2009 (LFM2CD641)
 
Costa Mesa 2003 (Ltd Bonus DVDR)
 
  ※) 『 So Far So Good (No Label) 』 に付属のボーナス・アイテム
So Far So Good (No Label)
 
Detroit 2000 (Bonus DVDR)
 
  ※) 『 Touring 2K (No Label) 』 に付属のボーナス・アイテム
Touring 2K (No Label)
 
Heavy Rollers Europe 2007 (No Label)
  
Think Fast Cincinnati (Bonus DVDR)
 
  ※) 『 Toronto 2011 (No Label) 』 に付属のボーナス・アイテム
Toronto 2011 (No Label)
 
Saratoga Springs 1993 (Uxbridge 1291)
 
Alive And Kickin' (Bonus DVDR)
 
  ※) 『 Dallas 1994 First Night (Uxbridge 456) 』 に付属のボーナス・アイテム
Dallas 1994 First Night (Uxbridge 456)
 
Houston 1993 (No Label)
  
Helix Axes (TRIAL-229)
 
Manassas 1996 (Gift DVDR)
 
The Royal Scam Night In Chicago (PJZ-385A/B)
 $cinnamon の裏音楽、そしてときどき競馬予想-Steely Dan - The Royal Scam Night In Chicago
Sugartooth Final:St. Louis 2006 (Gift DVDR)
 


#2023-02-14