7月最後の金曜日でもある 7月29日(金)は,野毛の外れにある 大島コーヒー店にて行われた 『 海野百合香 バースデーライブ 』 へ.

 

 大島コーヒー店は,老舗 Jazz Spot Dolphy の通りを挟んだほぼ前で,ライヴを行っているのは知っていましたが,今回,初めての参戦となります.

 今回は,ユーフォニアム奏者の 海野百合香さんのバースデー・ライヴという事で,実際の誕生日に合わせて企画されたもので,メンバーはギターに 野内遼介さん,ベースに 古谷悠さんを配してのドラムレス・トリオ編成でのライヴ.

 因みに,このメンバーによるトリオ編成のライヴに参戦するのは,ジャズ喫茶ちぐさ野毛),しぇりる新子安)に次いで,今回が 3回目.

 会社を定時で退社して,横浜駅乗換で桜木町駅下車,野毛を抜けて 大島コーヒー店へ.
 会場到着は18時50分前後で,未だ殆どお客さんは入っていませんでした.

 

 このお店は,大きなスピーカーが,店の一番奥に配置されており,縦長の ジャズ喫茶ちぐさ 的な感じのお店です.

 

 生ビールとピザ・トーストを注文し,開演を待ちます.

 

 定刻になり,演者がステージに登場し,ライヴがスタート.

 1st Set は,フレディ・レッド(Freddie Redd)作で 『 Music From The Connection (ミュージック・フロム・ザ・コネクション) 』 収録の ”Time To Smile” がオープニングを飾り,メンバー紹介の MC を挟んで,バリトン・サックス奏者の ジェリー・マリガン(Gerry Mulligan)作で 『 Night Lights (ナイト・ライツ) 』 収録の ”Festive Minor” が演奏されます.

 

 自身,バルブ・トロンボーン奏者でもある ボブ・ブルックマイヤー(Bob Brookmeyer)とギター奏者の ジム・ホール(Jim Hall)のライヴ盤の次に,ジェリー・マリガン(Gerry Mulligan)の 『 Night Lights (ナイト・ライツ) 』 が好きだとも言っていましたが,前者のライヴ盤とは 『 Live At The North Sea Jazz Festival (ライヴ・アット・ザ・ノース・シー・ジャズ・フェスティバル) 』 なのでしょうか,あるいは 『 Jim Hall and Friends : Live at Town Hall, Vol. 1 (ライヴ・アット・タウン・ホール Vol, 1) 』 なのでしょうか.気になるところではあります.

 MC で 「 暑くなるとボサノヴァを演奏したくなるのは何故なんですかね 」 的な事を言われていましたが,確かに冬に比べて初夏~初秋にかけては,ライヴでボサノヴァの曲を聴く機会は多いですね.

 

 この MC の流れでも言っていましたが,ブラジルは年間を通して割と温暖な気候なので,そのイメージからなんでしょうね.

 3曲目は,自身が 「 ボサノヴァの中で一番好き 」 とも言っていた ポール・デスモンド(Paul Desmond)の 『 Bossa Antigua (ボッサ・アンティグア) 』 収録の ”O Gato”.

 

 バラード調で,野内さんのギターの導入部から マニング・シャーウィン (Manning Sherwin)作の ”A Nightingale Sang In Berkeley Square”.
 この曲はメロディが美しい曲ですよね.

 
 
 MC で 「 カルテット編成の場合には,音を作り込んでいる感じですが,このトリオ編成ではジャズを演奏している感じがする 」 とも言っていましたが, トリオ編成の方が,より演奏に自由さがあると言うことなのでしょうか.

 そして,アーヴィング・バーリン(Irving Berlin)作の ”How Deep Is The Ocean?”.

 

 1st Set 最後は,フレディ・ハバード(Freddie Hubbard)の初期アルバムで,トロンボーン・ユーフォニアム奏者の バーナード・マッキニー(Bernard McKinney:キアヌ・ザワディ / Kiane Zawadi)の他,ウェイン・ショーター(Wayne Shorter),マッコイ・タイナー(McCoy Tyner),アート・デイヴィス(Art Davis),エルヴィン・ジョーンズ(Elvin Jones)らをフューチャーした名盤 『 Ready For Freddie (レディ・フォー・フレディ) 』 収録の ”Birdlike” を演奏.

 


 ブレイク中に追加のレモンサワーとウインナー盛り合わせ

 

 何と,海野百合香さんの友人が作ったという非常にレアなチョコレートもゲット!
 正直,これはレア過ぎて,勿体無くて食べれませんね(笑)

 


 暫しのブレイク後の 2nd Set は,ジョージ・ベイスマン(George Bassman)作の ”I'm Getting Sentimental Over You” からスタート.

 
 
 演奏終了後の MC で,会場を見て笑いながら 「 私の中で緊張感が走ってますが (笑) 」 とも言っていたので,何かと思い後ろを見たら,客席に ドラムの 森永哲則さんや,ベースの 仲石裕介さんの姿がありました.
 因みに ”I'm Getting Sentimental Over You” は,「 その場で出来上がる音楽も良いけど,このメンバーならばこうなるよね的なところがあっても良いと思っていて,このメンバーで何時も演奏 」 している海野百合香さんアレンジの曲なのだそうです.

 

 続けて ベニー・ゴルソン(Benny Golson)作の ”Whisper Not”.

 

 「 何時もバルブ・トロンボーン奏者のボブ・ブルックマイヤー等の曲を中心に演奏しているが,今日は別の切り口から選曲している 」,「 次の曲が今日一番演りたいと思っている曲 」 との MC の後に,トランット奏者の リー・モーガン(Lee Morgan)作の ”Ceora”.
 この曲は初めて聴きましたが,メロディー・ラインが優しく美しい曲です.

 

 マット・デニス(Matt Dennis)作の ”Everything Happen To Me”.
 そう言えば,この曲では以前ミュートを使用して演奏していた時があったような記憶もあります(記憶違いかも)が,この日はミュート自体ありませんでしたね.

 

 ご自身,この日がリアルバースデーであった関係もあって 「 3/2成人式 」 と言ったところ,お二人が 「 9/5 だ 」 等,言って笑わせてくれましたが,ここからは真面目な MC に変わり,「 20歳の頃に,思い描いていたような 30歳は,もっと大人で家族や周りの人の為に生きているんだろうな 」 と思っていたが 「 絶賛,自分のやりたい事をやる為に生きていて,思い描いていたより,楽しい毎日を過ごしている 」 と思うので,それもこれも 「 周りにいる方のおかげだと思いますので,日々これからも頑張って行くので,今後ともよろしくお願いします 」 と.

 

 自身の憧れの女性は,オードリー・ヘップバーン(Audrey Hepburn)で「 愛情豊で,自分が与えられなかったから,人に愛情を与えてあげようという気持ちで生きていた,見習うべき女性像 」だと思うとのこと.
 そして,2nd Set 最後は 「 オードリーヘップバーンみたいに生きていきたい 」 との想いから作ったオリジナル曲 ”I Want To Be That” を演奏.
 この曲は初めて聴きましたが,軽快で且つ暖かさを感じるメロディ・ラインが印象的で中々良い曲でした.

 

 演奏終了と同時に,会場のお客さんから,アンコールを望む手拍子があり,演者はステージを下りることなく,そのままアンコールへ突入.
 アンコールに応え リー・ハーライン(Leigh Harline)作で,映画 『 ピノキオ (Pinocchio) 』 の劇中歌でもある ”When You Wish Upon A Star” を,メイン・テーマ部分をユーフォニアムとギターで交互に演奏しつつ,この日のライヴを締め括りました.

 

 ディズニー映画に限らず,数多くの映画音楽が,ジャズ・スタンダード的に演奏されているので,一度,ユーフォニアムをメインにして,映画音楽特集を企画して貰いたいものです.

 

 このトリオは演奏に自由さがあるだけでなく,曲間のメンバー同士の会話も面白いと言うか,聴いていて楽しいですねぇ.
 ブレイクを挟んで,各々 1時間づつの 2 Set も聴き応え充分でした. 

 最後に集合写真を撮らせて頂くのを忘れてしまいました(汗)


 [Member]
  海野 百合香 : Euphonium
  野内 遼介 : Guitar
  古谷 悠 : Bass
 
 [Set List]
  1st Set
   01. Time To Smile
   02. Festive Minor
   03. O Gato
   04. A Nightingale Sang In Berkley Square
   05. How Deep Is The Ocean?
   06. Birdlike
 
  2nd Set
   01. I'm Getting Sentimental Over You
   02. Whisper Not
   03. Ceora
   04. Everything Happen To Me
   05. I Want To Be That (#)
      [Encore]
   06. When You Wish Upon A Star
 
   (#) : Original Song
 
 因みに,自身の今年の目標であるレコーディングも無事終了し,Mix作業もだいぶ落ち着き,最終段階に入ったようで,何よりです.
 

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