1月16日(日)は,野毛にある老舗 ジャズ喫茶 ちぐさ にて行われた 『 海野百合香 Trio 』 のライヴへ.
 
 

 ユーフォニアム(Euphonium)奏者の 海野百合香さんは,昨年10月3日(日)に 関内ホールにて行われた 『 第8回 ちぐさ賞最終選考ライヴ審査 』 にて,審査員特別賞を受賞した関係もあり,その縁で,今回のライヴが実現したのではないでしょうか.

 この日のメンバーは,ギターに 野内遼介さん,ベースに 古谷悠さんを迎えてのトリオ編成で,『 第8回 ちぐさ賞最終選考ライヴ審査 』 のメンバーから,ドラムの 森永哲則さんが抜けた感じの編成です.
 確かに ジャズ喫茶 ちぐさ のスペースでは,カルテットの編成は厳しいですね.

 Jazz Spot Dolphy への行き帰りや,近辺に飲みに行くのに,何時も店の前は通っているものの,ジャズ喫茶 ちぐさ にてライヴを聴くのは,1年半振り.
 
 開場時間:19時00分,開演時間:19時30分
 少し余裕を以って,桜木町ぴおシティB2Fで食事がてら軽く呑んでから,会場に向おうと思っていたのですが, 夜中の緊急速報メール (#) の嵐(20回)で,夕方に一瞬寝てしまった関係もあって,起きたらギリギリの時間!

 (#) : 前日に当たる 1月15日(土)に発生した
    トンガでの海底火山噴火 の影響による
    津波の災害・避難情報の緊急速報メールが,
    1月16日(日)の 0時過ぎから 8時前まで
    の間に頻発(20件),殆ど眠れない状況.
    当日午後に神奈川県が
    津波注意報に伴う緊急速報メールの配信について
    として,プログラム設定ミスがあった点を謝罪.


 自宅から最寄駅までダッシュ,桜木町駅から会場までダッシュで,何とか開演時間に間に合いました.
 ジャズ喫茶 ちぐさ の周りも含めて,新型コロナ・オミクロン株の感染拡大の影響なのか,野毛の人出は何時もより少ない状況.
 
 

 

 ドアを入って受付を,ドリンクを注文し,空いている席へ着席.

 
 ユーフォニアム(Euphonium)手前の白い三角錐は Mute

 1st Set はオープニングとして,ジャズを始めるきっかけとなった,そして,昨年大変お世話になったとも言っていた トミー・ドーシー(Tommy Dorsey)楽団のテーマ・ソングでもある "I'm Getting Sentimental Over You" が,海野百合香さんのアレンジで演奏され,ポール・デスモンド(Paul Desmond)の 『 Bossa Antigua (ボッサ・アンティグア) 』 収録の ”The Girl From East 9th Street” へと続きます.
 ここ何回かはドラムの入ったカルテット編成で演奏していますが,ジャズを始めた頃は今回のようなトリオ編成だったようで,トリオ編成が懐かしいとも.

 

 そして,今では完全にジャズのスタンダードの感のある ディズニー映画 『 Snow White And The Seven Dwarfs (白雪姫) 』 の劇中歌 ”Someday My Prince Will Come”.
 MCでは,この曲が映画の中で使用されている場面の話もしていました.

 

 ここで用意していたミュートを使用しつつ,マット・デニス(Matt Dennis)作 の ”Everything Happens To Me”.
 色々な管楽器でミュートは使用しますが,持ち運びの問題もあり,ユーフォニアム(Euphonium)のミュート選びは苦労したでしょうね.
 でも,これが中々心地良い音となるのです.

 

 1st Set 最後は,コール・ポーター(Cole Porter)作の ”You'd Be So Nice To Come Home To” を演奏し,一旦締め括ります.

 

 暫しのブレイクへ突入.

 20時35分過ぎから始まった 2nd Set は,ヴァルブ・トロンボーン(Valve Trombone)奏者の ボブ・ブルックマイヤー(Bob Brookmeyer)のアルバム収録の ”Sometime Ago” からスタート.
 音域的に似ている事もあって,アルバムも良く聴いているし,選曲する事も多いような話もしていました.

 

 続けて ジョー・ヘンダーソン(Joe Henderson)作の ”Recorda-Me”.
 何と,偶然にも,1月10日(月)第8回ちぐさ賞に輝いた 中根佑紀さんの公開ライヴ・レコーディング(『 中根佑紀カルテット ライヴ・レコーディング @ Dolpy 2022-01-10 』)が Jazz Spot Dolphy であったのですが,そこでもセット・リストに加えられていた曲です.

 
 
 3曲目は,ジミー・ヴァン・ヒューゼン(Jimmy Van Heusen)作の ”Here’s That Rainy Day”.
 MC では,ユーフォニアムやチューバの国際大会が,2年に一回,各国持ち回りであり,何年か前にアイオア州で行われた,ユーフォニアム奏者である 故 リッチ・マトソン(Rich Mattson)のコンペティションに行った際の想い出が語られていましたが,アイオア州の豪雨は日本の比では無く半端ではないようで,近くに川があることから即氾濫する関係もあって,避難指示が出ていたようです.自身練習室に独りでいて避難指示を知らずに取り残され,丁度,その時に聴いていたのが,ベニー・グッドマン(Benny Goodman)のライヴ盤だったようで,新年最初のライヴと言う事で,色々な想い出と共に演奏してみたとの事でした.
 ご本人に聴いてませんが,そのライヴ盤とは,”Here’s That Rainy Day” も収録されている 『 Live in Hamburg 1981 』 なのでしょうか.次の機会にでも聴いてみたいかと.

 

 そして,今年に入って初めて書いた曲で,未だタイトルも付けていない(”Un-Titled”)と言っていたオリジナル・ソング.きっと,この日が初披露なのでしょうか.
 自身ジョギングが好きで,コロナ禍になる前は良く走っていたが,コロナ禍になってマスクをして走ると苦しいので,やめてしまった.でも,また走ってみようかと思っているとの事.走っている時に曲のイメージが思い浮かんできて,それを鼻歌で歌っているところから曲ができるのだそうです.
 私的に,休日の午後のひだまりの中で、ゆったりした時間の流れを感じた曲でした.
 
 

 MC で,今年は目標として,何時も演っているバンドでアルバムを製作しようと思っているとも言っていましたので,そちらも楽しみですね.

 最後は,ジミー・ヴァン・ヒューゼン(Jimmy Van Heusen)作の ”It Could Happen To You” を演奏し,2nd Set を締め括りました.

 

 演奏終了の拍手,それがアンコールを望む手拍子に変わり,そのままアンコールへ突入.
 アンコールは,今,話題の曲とも紹介された ジミー・マクヒュー(Jimmy McHugh)作の ”On The Sunny Side Of The Street” で,私的にこの曲は好きな曲なので,これはラッキーでした.

 

 因みに TV を余り見ないので,MCで言っていた 「 今,話題の曲 」 の意味が不明で,気になったので,帰宅してネットで調べたら 2021年11月1日にスタートした NHK連続テレビ小説カムカムエヴリバディ 』 で使用されていて,認知度が高いんですね(納得).

 

 自身も MCの中で言っていましたが,昨年末~今年にかけて,新型コロナ・オミクロン株の感染拡大が続いている事もあり 「 ライヴまで,後何日,後何日 」 と,ライヴが開催されることを祈っていたそうです.でも,ライヴが開催できて本当に何よりです.

 [Member]
  海野 百合香 : Euphonium
  野内 遼介 : Guitar
  古谷 悠 : Bass

 [Set List]
  1st Set
   01. I'm Getting Sentimental Over You
   02. The Girl From East 9th Street
   03. Someday My Prince Will Come
   04. Everything Happens To Me
   05. You'd Be So Nice To Come Home To

  2nd Set
   01. Sometime Ago
   02. Recorda-Me
   03. Here’s That Rainy Day
   04. Un-Titled (Original Song)
   05. It Could Happen To You
      [Encore]
   06. On The Sunny Side Of The Street
 
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