1971年10月29日に デュエイン・オールマン(Duane Allman)を,1972年11月11日に ベリー・オークリー(Berry Oakley)を失いつつも,バンド・メンバーを入れ替え,再結成等を行い,2014年10月まで活動を続けた オールマン・ブラザーズ・バンド(The Allman Brothers Band)の創設者の一人 グレッグ・オールマン(Gregg Allman).

 既に,彼が 2017年5月27日に亡くなって,4年経過する訳ですが, そんな彼が グレッグ・オールマン(Gregg Allman)&フレンズ名義で,1998年4月に来日した際のオーディエンス録音が登場しました.

 この来日時の東京公演は,4月20日から25日で都合 6公演 (#) 行われており,今回 ZIONーベルからリリースされたのは東京最終公演に当たる 4月25日公演のオーディエンス録音を収録した 『 Tokyo 1998 Final Night (ZION-193) 』 です.

 (#) [参考] に添付したフライヤーでは,4月22日が記載されていませんので,4月22日は追加公演だった可能性があります.

 オールマン関連は,そんなに人気が無いようなのですが,この商品の音は音像も割と近く,各パートの音もバランス良く収録されている高音質のオーディエンス録音です.
 ”Whipping Post" や "Statesboro Blues" 等は,オールマン・ブラザーズ・バンド(The Allman Brothers Band)で演奏している時とアレンジ自体も変わっており,このレイド・バック(Laid-back)感がまた心地良いです.

 メーカー情報では
 『生前最後の来日が実現した1998年のグレッグ・オールマン。そのメモリアルな現場を永久保存する初公開のオリジナル録音が新発掘です。

 そんな本作に記録されているのは「1998年4月25日:東京公演」。その絶品オーディエンス録音です。1977年に初来日を果たしたグレッグは、その後再結成THE ALLMAN BROTHERS BANDも含めて四度来訪。1998年は、その最後にして最多公演を更新する日程が組まれました。

 まずは、そんな当時のスケジュールを振り返ってみましょう。

 ・4月17日、18日:福岡(2公演)
 ・4月20日ー25日:東京(6公演)←★ココ★
 ・4月27日ー5月2日:大阪(6公演)

 以上、全14公演。
 3都市では会場を移動せず、有名ジャズ・クラブに連日出演しており、東京では6夜連続でした。

 その中で本作が吹き込まれたのは最終日。その後に大阪もあったわけですが、東京では正真正銘のラスト・ステージでした。あまりにもメモリアルな現場で録音された本作は、サウンドも絶品。音色的に空間感覚もしっかりとあるのですが、狭いクラブだけあって距離感にはならない。むしろ、その空気感が現場の密室感を正確に描き出し、「目の前にグレッグが居る」感を醸してくれるのです。
 もちろん、その密室感は単に近いだけではありません。無音部の深みによってアンサンブルも立体的に浮き立ち、沸き上がる喝采の生々しさがリアルな臨場感を活写する。音楽的に美しく、娯楽作品的に聴きやすく、ドキュメント的に現実感たっぷり。ライヴアルバムに求められるあらゆる要素をバランス良く配合した1枚でもあるのです。
 そんなリアル・サウンドで描かれるのは、さり気なくキャリアを総ざらいした名曲選。ここで、その内容も整理しておきましょう。

 ●オリジナル
 ・THE ALLMAN BROTHERS BAND:Midnight Rider/Melissa/Whipping Post
 ・GREGG ALLMAN BAND:I'm No Angel/Before The Bullets Fly
 ・FLOYD MILES & FRIENDS:All The Love I Can/Goin' Back To Daytona
 ●カバー
 ・Trouble No More(マディ・ウォーターズ)
 ・Slip Away(クラレンス・カーター)/Love The Poison(THE SNAKES)/The Dark End Of The Street(ダン・ペン)
 ・Born Under A Bad Sign(BOOKER T. & THE MG’s)/Keep On Smilin’(WET WILLIE)/Statesboro Blues(ブラインド・ウィリー・マクテル)

 ……と、このようになっています。

 「All The Love I Can」「Goin' Back To Daytona」は見慣れない曲名かも知れませんが、これはパーカッションを務めているフロイド・マイルズのアルバム『GOIN' BACK TO DAYTONA』のナンバー。特にタイトル曲ではグレッグも参加していました。カバーにしても幅広く、スタジオ作品でもお馴染みの「Trouble No More」や「Slip Away」、ソロ・ステージでは欠かせない「Statesboro Blues」といった定番はもちろん、スタンダードの「Born Under A Bad Sign」、意外と珍しい「The Dark End Of The Street」「Keep On Smilin’」等々、まるでオモチャ箱のように楽しいのです。
 そして何より、そんな名曲群に煽られていく現場の熱気。前述のように、本作には観客の息吹も吸い込まれているわけですが、これが非常に良い。録音がスタートするや暗転の歓喜が沸き上がり、あちこちで乾杯の声がある。その後もロック史の伝説を目の当たりにした興奮や逆にリラックスした手拍子、惜しみない喝采などなど。もちろん、ファン層からしても演奏を掻き消すような大騒ぎにはならないわけですが、心から自然に沸き立つ反応だから聴いているだけでシンクロできる。演奏だけでなく、そんな現場のムードにも溶かされるライヴアルバムなのです。

 この年、この日がグレッグを目撃する最後のチャンスになるとは、誰も想像できなかったことでしょう。本作には悲壮感も覚悟もなく、自然体の音楽だけが流れています。しかし、だからこそ素晴らしく、感慨が一層深くなる。本作は、そんなメモリアルな夜をリアル・サウンドで永久保存したプレスCDです。スピーカーから流れ出る、二度とは戻らない現場の薫り。どうぞ、いつでもいつまでも胸いっぱいに吸い込んでください。

 ★「1998年4月25日:東京公演」の絶品オーディエンス録音。初公開となる本作だけのオリジナル録音で、狭いクラブの密室感が最高。リアルな空気感も吸い込んでいるものの、物理的に近いために、それが「目の前にグレッグが居る」感を醸してくれる。
 アンサンブルも立体的に浮き立ち、沸き上がる喝采の生々しさがリアルな臨場感を活写する。音楽的に美しく、娯楽作品的に聴きやすく、ドキュメント的に現実感たっぷり。ライヴアルバムに求められるあらゆる要素をバランス良く配合した1枚でもあります。グレッグ最後の東京公演に超リアル・サウンドで居合わせられるドキュメント・アルバムの最高峰です。』

Tokyo 1998 Final Night (ZION-193)
 
 Live At Blue Note Tokyo, Tokyo, Japan 25th April 1998
 [From Original Masters]

   1. Intro
   2. I'm No Angel
   3. Slip Away
   4. All I Can Do
   5. Midnight Rider
   6. Love The Poison
   7. Melissa
   8. Born Under A Bad Sign
   9. Trouble No More
   10. The Dark End Of The Street
   11. Before The Bullets Fly
   12. Goin' Back To Daytona
   13. Whipping Post
   14. Keep On Smilin'
   15. Statesboro Blues
   TOTAL TIME (75:04)

 Gregg Allman : Vocal, Organ, Acoustic Guitar
 Tommy Miller : Bass, Vocal
 Tommy Thompson : Keyboards
 Mark McGee : Slide Guitar, Lead Guitar
 Preston Thrall : Drums
 Jimmy Hall : Saxophone, Harmonica, Vocal
 Floyd Miles : Vocal, Percussion

 Midnight Rider
 
 Born Under A Bad Sign
 
 Whipping Post
 

[参考]
 東京公演のフライヤー
 
1998 Japan Tour Dates
 April
  17 Blue Note Fukuoka, Fukuoka, JAPAN
  18 Blue Note Fukuoka, Fukuoka, JAPAN
  20 Blue Note Tokyo, Tokyo, JAPAN
  21 Blue Note Tokyo, Tokyo, JAPAN
  22 Blue Note Tokyo, Tokyo, JAPAN
  23 Blue Note Tokyo, Tokyo, JAPAN
  24 Blue Note Tokyo, Tokyo, JAPAN
  25 Blue Note Tokyo, Tokyo, JAPAN
  27 Blue Note Osaka, Osaka, JAPAN
  28 Blue Note Osaka, Osaka, JAPAN
  29 Blue Note Osaka, Osaka, JAPAN
  30 Blue Note Osaka, Osaka, JAPAN

 May
  01 Blue Note Osaka, Osaka, JAPAN
  02 Blue Note Osaka, Osaka, JAPAN

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#2021‐06‐22