1969年,当時バニラ・ファッジ(:Vanilla Fudge)で活動していた強力なリズム・セクション(ベース:ティム・ボガート(Tim Bogert),ドラム:カーマイン・アピス(Carmine Appice))に衝撃を受けたジェフ・ベック(Jeff Beck).
 このリズム・セクションを入れたバンド結成を画策するもジェフ・ベックの交通事故等の関係で,バンド結成の企画は流れてしまいます.

 怪我が完治したジェフ・ベック(:Jeff Beck)は,ボーカルにボブ・テンチ(Bob Tench),キーボードにマックス・ミドルトンMax Middleton),ベースにクライヴ・チェイマン(Clive Chaman),ドラムにコージー・パウエル(Cozy Powell)を迎えて第二期ジェフ・ベック・グループを結成.
 第二期ジェフ・ベック・グループは,1971年10月に 『 Rough And Ready (ラフ・アンド・レディ) 』 をリリース,翌1972年4月には 『 Jeff Beck Group (ジェフ・ベック・グループ) 』をリリースし,順調に活動を継続するものと思われたものの,再びカクタスで活動していたティム・ボガートおよびカーマイン・アピスと接触.
 3人に加えてジェフ・ベック・グループのキーボード:マックス・ミドルトンMax Middleton),ミュージカル映画 『 Jesus Christ Superstar (ジーザス・クライスト・スーパースター) 』の キム・ミルフォード(Kim Milford)をボーカルに加えた 5人でリハーサルを行った後,ジェフ・ベック・グループ名義で 8月1日よりツアーを開始.

 しかし,キム・ミルフォード(Kim Milford)のステージ・パフォーマンスに不満を感じたジェフベックが,キム・ミルフォード(Kim Milford)を解雇,第2期ジェフ・ベック・グループのメンバーだったボブ・テンチ(Bob Tench)を呼び戻し,辛うじてツアーを継続したものの、ツアー終了後に,マックス・ミドルトン(Max Middleton)とボブ・テンチ(Bob Tench)が脱退し,空中分解.

 最終的に1972年9月に残った 3人でのトリオ編成(ベック・ボガート&アピス:Beck, Bogert & Appice)でスタートを切る事になります.

 本ギフト・アイテムは 1972年8月8日米国イリノイ州はシカゴのエリー・クラウン・シアター公演のオーディエンス録音を収録した 『 Chicago August 1972 (Gift CDR) 』 で,第二期ジェフ・ベック・グループ(Jeff Beck Group)から ベック・ボガート&アピス(Beck, Bogert & Appice)へと移行する間で,メンバーもキーボード:マックス・ミドルトン(Max Middleton),ヴォーカル:キム・ミルフォード(Kim Milford),ベース:ティム・ボガート(Tim Bogert),ドラム:カーマイン・アピス (Carmine Appice)によるパフォーマンスが収録しています.

 音質的には年代を感じるヴィンテージ感があり,録音した年代を考えると高音質と言えるのだと思いますが,正直 初心者には厳しいかも知れませんが,記録的には重要な音源であると言えるでしょう.
 音的にも団子状態では無く各パートの音も聴き分けられるので,ジェフ・ベックのファンには楽しめる音源です.
 因みに最後(Track 11)にクレジットされている ”Beck's Boogie” は ”Jeff's Boogie” の事です.

 メーカー情報では
 『第2期JBGとBB&Aのミッシング・リンクを繋ぐ幻の第3期JEFF BECK GROUP。
 その貴重なライヴアルバムがギフト・リリース決定です。

 そんな本作に収められているのは「1972年8月8日シカゴ公演」。そのヴィンテージ・オーディエンス録音です。今週は第2期JBGのラスト・ショウを史上最高峰クオリティで永久保存した『DEFINITIVE ROUNDHOUSE(Wardour-362)』も登場しますが、その最終公演が行われたのは“1972年7月23日”のこと。
 その翌日”7月24日”には公式に解散宣言が発表され、第2期JBGは崩壊しました。そして、ジェフは間髪入れずに新しいバンドを結成。かねてより希望していたVANILLA FUDGE/CACTUSの強力リズム隊ティム・ボガート&カーマイン・アピスを迎え入れ、当時の相棒だったマックス・ミドルトンは残留。そして、幻のシンガー:キム・ミルフォードをフロントに立てた5人組で新生JEFF BECK GROUPを名乗り、解散宣言から一週間後の“8月1日”から全米ツアーを開始したのです。
 ただし、このラインナップは超短命。わずか6公演でキムは解雇され、ボブ・テンチが復帰。その後もツアーは続行されましたが、米国ツアーの終了と共にマックスやボブも脱退。最終的にスーパー・トリオBB&Aの誕生へと繋がっていったのです。
 さて、そんな中で本作は6公演だけだったキム・ミルフォード時代を証言するオーディエンス録音。もはや存在するだけでありがたい次元なのですが、その貴重度を吹っ飛ばす素晴らしさ。ヴィンテージ録音というとノイズまみれの中に演奏を探したり、爆音・轟音を脳内補正するタイプもあるのですが、本作はまったく違う。ところどころ片チャンネルが不安定になったり、テープ劣化で荒れる箇所もなくはないものの、基本の録音クオリティが絶品。
 透き通った空気感の中を力強い芯が手元まで飛びこみ、ディテールも繊細。ボガート&アピスの強力なリズムワークもマックスの繊細なフレージングもしっかりと分かる。もちろん、主役ジェフは言わずもがなで、現場PAバランスでも主役なのは明らかで、そのわがままで気紛れなギターがピッキング・ニュアンスのレベルで楽しめるのです。しかも、本作はそんな貴重マスターを細心マスタリングで磨き込み。不安定に音落ちを起こす片チャンネルを可能な限り補正し、微少なノイズも1つひとつ丁寧に処理。自然な聴き応えを実現しました。
 そんなサウンドで描かれるショウは、やはりキムが面白い。ジェフはステージパフォーマンスに不満で解雇したそうですが、ミュージカル“ジーザス・クライスト・スーパースター”にも出演していただけに歌の実力は十分。ボブのような深い滋味はないものの、ワイルドでタフな歌いっぷりは後のBB&Aの世界観にも直結する。さすがに音声だけのライヴアルバムではパフォーマンスまでは窺い知れないものの、案外彼を残したままでも素晴らしいバンドになったかも知れません。さらに、セットも独特。基本的には第2期JBGを引き継ぐスタイルですが、そこにBB&Aのデビュー作にも取り上げられる「Lose Myself With You」や貴重な「Over The Hill」も織り交ぜられている。メンバーだけでなく、セットや演奏ぶりもまさに”ミッシング・リンク”なライヴアルバムなのです。

 ボガート&アピスだけを残し、一切作品を作ることなく歴史の闇に消えた第3期JEFF BECK GROUP。まさに過渡期の歴史的な現場に本生100%サウンドで居合わせられるライヴアルバムです。細心マスタリングで磨き上げられた最高峰盤。どうぞ、この機会にじっくりとお楽しみください。

 ★ボブ・テンチ、コージーらが解雇後のライブでこのライブ直後にすぐにボブ・テンチは呼び戻されます。5月にも同所でやってるがこちらは8月でメンツが異なる。ボーカルのKimがこの日を最後に首になるのか、翌日9日で首なのかはっきりしてないようです。

 ★位相修正。数カ所片chの大きなレベルダウンを改善。』

Chicago August 1972 (Gift CDR)
 
 Live At Arie Crown Theater,Chicago,IL,USA 08th August 1972

   1. Introduction
   2. Piano Solo / Going Down
   3. New Ways / Train Train
   4. Over The Hill
   5. Got The Feeling
   6. Definitely Maybe
   7. Plynth / Drum Solo
   8. Superstiton
   9. Lose Myself With You
   10. Let Me Love You
   11. Beck's Boogie
   TOTAL TIME (49:24)

 Jeff Beck : Guitar
 Kim Milford : Vocal
 Carmine Appice : Drums,Vocal
 Tim Bogert : Bass,Vocal
 Max Middleton : Keyboards

 Got The Feeling 
 
 Let Me Love You 
 
 Beck's Boogie 
 

[参考]

ラフ・アンド・レディ ー
SACDマルチ・ハイブリッド・エディション
(完全生産限定盤)
(紙ジャケット仕様)



ラフ・アンド・レディ




ジェフ・ベック・グループ
SACDマルチ・ハイブリッド・エディション
(完全生産限定盤)
(紙ジャケット仕様)


ジェフ・ベック・グループ




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#2019‐07‐30