1972年8月に初来日を果たし,8月15日,16日の大阪フェスティバル・ホール公演,17日の日本武道館公演の計 3公演を行ったディープ・パープル.
この時の公演を収録したライブ・アルバム 『Live In Japan (ライブ・イン・ジャパン)』 は,同年の12月に日本限定でリリースされます.
この 『Live In Japan (ライブ・イン・ジャパン)』 は,日本限定販売という契約の為,録音,ミックス,ジャケット等,全てが日本人スタッフによって制作された完璧な日本製で,当時ディープ・パープル側は何ひとつとして協力していませんでした.しかし,テスト・プレスを聴いた段階で,余りの出来の良さに驚嘆したディープ・パープル側が,新たにロジャー・グローバーによるミックスで,ジャケットも変更し,オフィシャルとして 『Made in Japan (メイド・イン・ジャパン)』 としてリリース.
この 『Made in Japan (メイド・イン・ジャパン)』 は,プラチナ・ディスクを獲得,シングルカットされた "Smoke On The Water" は,アメリカでも大ヒットし,バンドがアメリカでブレイクするきっかけとなった 1枚となりました.
本CDは,初来日最終公演に当たる 8月17日の日本武道館公演を,オーディエンス録音にて収録したもので,過去 Darker Than Blueレーベルより 6枚組の 『 Live In Japan Complete (Darker Than Blue 044/045/046/047/048/049) 』 としてリリースされ完売した日本公演完全盤の Disc 5,6 に使用された音源をリマスタリングしたもので,商品を 2組購入すると貰えるギフト・アイテム 『 Live In Japan:Budokan 1972 (Gift CDR) 』 です.
ロジャー・グローヴァーは,後のインタビューで 「初日の大阪公演ではレコーディングを気にするあまりに堅い演奏になってしまい、3日目の東京公演ではかなり雑な演奏になってしまっている」 と語っており,その言葉同様にオフィシャル・アルバムには 2公演目に当たる 8月16日の大阪フェスティバル・ホール公演を中心に収録していますが,個人的には,観客や,それに応えるメンバーの乗り等からしても,この最終公演の演奏がベストだと感じます.
今は 『Live In Japan Super Deluxe Box (DVD付)』 等で,3日間の全公演・全曲目を聴く事ができますが,曲間の MC やサウンド・チェック,チューニング等を網羅しているブートの臨場感には及びません.
音像は若干遠目で,低音に歪みがあるの部分が少し聴き難いところですが,ギターはかなりオンで録音され,ブートファンならば充分に聴ける音質です.
曲間のオーディエンス・ノイズが気になる部分もありますが,逆にそれが臨場感を生んでおり,録音された年代を考えれば,相応に高音質の部類に入るのでしょうか.
またオープニングのサウンド・チェックから "Smoke On The Water","Child In Time" 間の長めのチューニング,"Black Night" 後の糸井五郎氏の MC や,"Speed King" 後の終演のアナウンスに加え,前日のアンコールで日本公演内では,1回のみ演奏された "Lucille" も合わせて収録. "Lazy" のテープチェンジ部(ソロ終了後テーマに戻った 8分11秒~)を同日の別音源で補填していないのは非常に残念.
なお,この日の音源は,2011年に発掘された音源を使用して,Darker Than Blueレーベルから 『 Louder Than Everything Else (Darker Than Blue 126/127) 』 として,またそのリマスター盤として 『 Louder Than Everything Else:Budokan 1972 (Darker Than Blue 237/238) 』 がリリースされています.
メーカー情報では
『DEEP PURPLEの、いやロックの最高傑作『MADE IN JAPAN』を生み出した、1972年の初来日公演。
その最終日である「1972年8月17日:日本武道館」公演のオーディエンス・アルバムがギフト・リリース決定です。
もはや語り尽くされた初来日ですが、今さらながら日程から始めさせて頂きます。
・1972年8月15日:大阪フェスティバルホール
・1972年8月16日:大阪フェスティバルホール
・1972年8月17日:日本武道館 【本作】
このように、1972年の初来日は3日間。
この3公演はすべてオフィシャルに録音され、マーティン・バーチの手によって『MADE IN JAPAN』へと昇華しました。超名盤を生み出しただけに、この3日間は奇跡の名演ぞろいなわけですが、本作はその中で唯一の東京公演だった日本武道館の記録で録音されたオーディエンス録音なのです。この録音自体は古くから知られており、大名盤『LIVE IN JAPAN COMPELETE(Darker Than Blue 044-049)』のディスク5・6にもなった名録音。
本作ではその元音源から再度、最新技術のリマスタリングを敢行。
既発は、当時らしくややイコライジングが強めに効いていましたが、よりナチュラルなサウンドに仕上げました。
そのサウンドで蘇った名演……。正直に申し上げて、今さら何を語ればいいのでしょう。歴史的超名盤『MADE IN JAPAN』にも「The Mule」「Lazy」が採用されましたが、別に2曲だけが特出していたわけではなく、全曲が素晴らしい。『MADE IN JAPAN』の奇跡を起こしたのは、初めてのアジア公演による緊張感・テンションによるものが大きいと思いますが、日本武道館では3公演目ということもあって、そこに自信までもが上乗せされている。1曲単位では大阪フェスティバルホールに譲る演奏もあるものの、全編通して流れるムード、“やり切ってやる!”の充実感は3日間を通しても1番です。
そして、そんな“ムード”を本生100%で記録しきっているからこそ、本作は素晴らしい。当時はまだ珍しかった“本物のロック”を目の当たりにした関東圏の日本人、そしてそんな彼らを前に大阪2公演でノリにノッたバンドの猛烈な演奏をぶつけるバンド。当時のDEEP PURPLEは崩壊への歩みが潜在意識レベルで始まっていたわけですが、それをかき消してしまうほどの衝動に溢れているのです。そう、“衝動”。1970年とは違い、すでに“お約束”が浸透し始めていたDEEP PURPLEが、初日本・初アジア・発異文化の力を得て初期衝動を取り戻した。それこそが『MADE IN JAPAN』に起きた奇跡の正体であり、それを“現場の真実”で伝えてくれるのが本作なのです。
その時代感覚が頂点に達するのは、アンコール前のMC。日本人DJの草分けでもあった某有名DJがステージに登場し、高らかに語るシーンもキッチリ収録されています。
「どうも、ありがとうございます。どうぞ、より盛大なコンサートを……。DEEP PURPLE! DEEP PURPLE! なお、DEEP PURPLEの一行は明日から、えー、もう今日、一番最後の演奏会。東京のこの演奏会を最後にしまして、いよいよ日本ともうお別れ。従って大変に今晩の演奏会を、名残惜しそうに演奏続けまして、多分、もう1曲やってくれるはずです。DEEP PURPLE!」
もはや伝説となっていながら、オフィシャルの完全版でも聴けなかったMC。そして、アンコール告知で噴火する観客の熱狂……。まさに現場なればこそ、オーディエンス録音だからこそのドキュメントです。
本作では、さらにボーナストラックとして8月16日の「Lucille」も収録しています。
この曲をやったのは8月16日だけで、本作では幻のブートレッグEP『LIVE(non-label)』からの復刻テイクを収録いたしました。
DEEP PURPLE史の、いやロック史に残る“奇跡の3日間”。その中でも“衝動”と“自信”が並び立つ、唯一無二の日本武道館公演。ここには、彼らと日本人とロックに起きた“奇跡の真実”がある。それを長年にわたって伝え続けてきた名録音の最新にして最高バージョンを収めた2枚組です。44年の月日を超えても、超えるもののない名演。今週末、あなたのお手元へお届けいたします。』
Live In Japan:Budokan 1972 (Gift CDR)
Live At Budokan,Tokyo,JAPAN 17th August 1972
Disc 1
1. Intro
2. Highway Star
3. Smoke On The Water
4. Child In Time
5. The Mule
6. Strange Kind Of Woman
TOTAL TIME (50:54)
Disc 2
1. Lazy
2. Space Truckin'
3. Black Night
4. MC by Goro Itoi
6. Speed King
[Festival Hall,Osaka,JAPAN 16th August 1972]
7. Lucille
TOTAL TIME (56:33)
Ian Gillan : Vocal
Ritchie Blackmore : Guitar
Roger Glover : Bass
Jon Lord : Keyboard
Ian Paice : Drums
Smoke On The Water
Child In Time
Strange Kind Of Woman
MC by Goro Itoi
Speed King
[参考]
Deep Purple 1972 Japan Tour Dates
August
15 Festival Hall, Osaka, JAPAN
16 Festival Hall, Osaka, JAPAN
17 Budoukan Hall, Tokyo, JAPAN
Live In Japan Complete (Darker Than Blue 044/045/046/047/048/049)
[関連記事]
「Osaka 1972 2nd Night (Darker Than Blue 245/246)」
「Osaka 1972 1st Night (Darker Than Blue 243/244)」
「Louder Than Everything Else:Budokan 1972 (Darker Than Blue 237/238)」
「Made In Japan:UK 8 Track Stereo Cartridge (No Label)」
この時の公演を収録したライブ・アルバム 『Live In Japan (ライブ・イン・ジャパン)』 は,同年の12月に日本限定でリリースされます.
この 『Live In Japan (ライブ・イン・ジャパン)』 は,日本限定販売という契約の為,録音,ミックス,ジャケット等,全てが日本人スタッフによって制作された完璧な日本製で,当時ディープ・パープル側は何ひとつとして協力していませんでした.しかし,テスト・プレスを聴いた段階で,余りの出来の良さに驚嘆したディープ・パープル側が,新たにロジャー・グローバーによるミックスで,ジャケットも変更し,オフィシャルとして 『Made in Japan (メイド・イン・ジャパン)』 としてリリース.
この 『Made in Japan (メイド・イン・ジャパン)』 は,プラチナ・ディスクを獲得,シングルカットされた "Smoke On The Water" は,アメリカでも大ヒットし,バンドがアメリカでブレイクするきっかけとなった 1枚となりました.
本CDは,初来日最終公演に当たる 8月17日の日本武道館公演を,オーディエンス録音にて収録したもので,過去 Darker Than Blueレーベルより 6枚組の 『 Live In Japan Complete (Darker Than Blue 044/045/046/047/048/049) 』 としてリリースされ完売した日本公演完全盤の Disc 5,6 に使用された音源をリマスタリングしたもので,商品を 2組購入すると貰えるギフト・アイテム 『 Live In Japan:Budokan 1972 (Gift CDR) 』 です.
ロジャー・グローヴァーは,後のインタビューで 「初日の大阪公演ではレコーディングを気にするあまりに堅い演奏になってしまい、3日目の東京公演ではかなり雑な演奏になってしまっている」 と語っており,その言葉同様にオフィシャル・アルバムには 2公演目に当たる 8月16日の大阪フェスティバル・ホール公演を中心に収録していますが,個人的には,観客や,それに応えるメンバーの乗り等からしても,この最終公演の演奏がベストだと感じます.
今は 『Live In Japan Super Deluxe Box (DVD付)』 等で,3日間の全公演・全曲目を聴く事ができますが,曲間の MC やサウンド・チェック,チューニング等を網羅しているブートの臨場感には及びません.
音像は若干遠目で,低音に歪みがあるの部分が少し聴き難いところですが,ギターはかなりオンで録音され,ブートファンならば充分に聴ける音質です.
曲間のオーディエンス・ノイズが気になる部分もありますが,逆にそれが臨場感を生んでおり,録音された年代を考えれば,相応に高音質の部類に入るのでしょうか.
またオープニングのサウンド・チェックから "Smoke On The Water","Child In Time" 間の長めのチューニング,"Black Night" 後の糸井五郎氏の MC や,"Speed King" 後の終演のアナウンスに加え,前日のアンコールで日本公演内では,1回のみ演奏された "Lucille" も合わせて収録. "Lazy" のテープチェンジ部(ソロ終了後テーマに戻った 8分11秒~)を同日の別音源で補填していないのは非常に残念.
なお,この日の音源は,2011年に発掘された音源を使用して,Darker Than Blueレーベルから 『 Louder Than Everything Else (Darker Than Blue 126/127) 』 として,またそのリマスター盤として 『 Louder Than Everything Else:Budokan 1972 (Darker Than Blue 237/238) 』 がリリースされています.
メーカー情報では
『DEEP PURPLEの、いやロックの最高傑作『MADE IN JAPAN』を生み出した、1972年の初来日公演。
その最終日である「1972年8月17日:日本武道館」公演のオーディエンス・アルバムがギフト・リリース決定です。
もはや語り尽くされた初来日ですが、今さらながら日程から始めさせて頂きます。
・1972年8月15日:大阪フェスティバルホール
・1972年8月16日:大阪フェスティバルホール
・1972年8月17日:日本武道館 【本作】
このように、1972年の初来日は3日間。
この3公演はすべてオフィシャルに録音され、マーティン・バーチの手によって『MADE IN JAPAN』へと昇華しました。超名盤を生み出しただけに、この3日間は奇跡の名演ぞろいなわけですが、本作はその中で唯一の東京公演だった日本武道館の記録で録音されたオーディエンス録音なのです。この録音自体は古くから知られており、大名盤『LIVE IN JAPAN COMPELETE(Darker Than Blue 044-049)』のディスク5・6にもなった名録音。
本作ではその元音源から再度、最新技術のリマスタリングを敢行。
既発は、当時らしくややイコライジングが強めに効いていましたが、よりナチュラルなサウンドに仕上げました。
そのサウンドで蘇った名演……。正直に申し上げて、今さら何を語ればいいのでしょう。歴史的超名盤『MADE IN JAPAN』にも「The Mule」「Lazy」が採用されましたが、別に2曲だけが特出していたわけではなく、全曲が素晴らしい。『MADE IN JAPAN』の奇跡を起こしたのは、初めてのアジア公演による緊張感・テンションによるものが大きいと思いますが、日本武道館では3公演目ということもあって、そこに自信までもが上乗せされている。1曲単位では大阪フェスティバルホールに譲る演奏もあるものの、全編通して流れるムード、“やり切ってやる!”の充実感は3日間を通しても1番です。
そして、そんな“ムード”を本生100%で記録しきっているからこそ、本作は素晴らしい。当時はまだ珍しかった“本物のロック”を目の当たりにした関東圏の日本人、そしてそんな彼らを前に大阪2公演でノリにノッたバンドの猛烈な演奏をぶつけるバンド。当時のDEEP PURPLEは崩壊への歩みが潜在意識レベルで始まっていたわけですが、それをかき消してしまうほどの衝動に溢れているのです。そう、“衝動”。1970年とは違い、すでに“お約束”が浸透し始めていたDEEP PURPLEが、初日本・初アジア・発異文化の力を得て初期衝動を取り戻した。それこそが『MADE IN JAPAN』に起きた奇跡の正体であり、それを“現場の真実”で伝えてくれるのが本作なのです。
その時代感覚が頂点に達するのは、アンコール前のMC。日本人DJの草分けでもあった某有名DJがステージに登場し、高らかに語るシーンもキッチリ収録されています。
「どうも、ありがとうございます。どうぞ、より盛大なコンサートを……。DEEP PURPLE! DEEP PURPLE! なお、DEEP PURPLEの一行は明日から、えー、もう今日、一番最後の演奏会。東京のこの演奏会を最後にしまして、いよいよ日本ともうお別れ。従って大変に今晩の演奏会を、名残惜しそうに演奏続けまして、多分、もう1曲やってくれるはずです。DEEP PURPLE!」
もはや伝説となっていながら、オフィシャルの完全版でも聴けなかったMC。そして、アンコール告知で噴火する観客の熱狂……。まさに現場なればこそ、オーディエンス録音だからこそのドキュメントです。
本作では、さらにボーナストラックとして8月16日の「Lucille」も収録しています。
この曲をやったのは8月16日だけで、本作では幻のブートレッグEP『LIVE(non-label)』からの復刻テイクを収録いたしました。
DEEP PURPLE史の、いやロック史に残る“奇跡の3日間”。その中でも“衝動”と“自信”が並び立つ、唯一無二の日本武道館公演。ここには、彼らと日本人とロックに起きた“奇跡の真実”がある。それを長年にわたって伝え続けてきた名録音の最新にして最高バージョンを収めた2枚組です。44年の月日を超えても、超えるもののない名演。今週末、あなたのお手元へお届けいたします。』
Live In Japan:Budokan 1972 (Gift CDR)
Live At Budokan,Tokyo,JAPAN 17th August 1972
Disc 1
1. Intro
2. Highway Star
3. Smoke On The Water
4. Child In Time
5. The Mule
6. Strange Kind Of Woman
TOTAL TIME (50:54)
Disc 2
1. Lazy
2. Space Truckin'
3. Black Night
4. MC by Goro Itoi
6. Speed King
[Festival Hall,Osaka,JAPAN 16th August 1972]
7. Lucille
TOTAL TIME (56:33)
Ian Gillan : Vocal
Ritchie Blackmore : Guitar
Roger Glover : Bass
Jon Lord : Keyboard
Ian Paice : Drums
Smoke On The Water
Child In Time
Strange Kind Of Woman
MC by Goro Itoi
Speed King
[参考]
Deep Purple 1972 Japan Tour Dates
August
15 Festival Hall, Osaka, JAPAN
16 Festival Hall, Osaka, JAPAN
17 Budoukan Hall, Tokyo, JAPAN
Live In Japan Complete (Darker Than Blue 044/045/046/047/048/049)
[関連記事]
「Osaka 1972 2nd Night (Darker Than Blue 245/246)」
「Osaka 1972 1st Night (Darker Than Blue 243/244)」
「Louder Than Everything Else:Budokan 1972 (Darker Than Blue 237/238)」
「Made In Japan:UK 8 Track Stereo Cartridge (No Label)」