1972年6月のオフィシャル・アルバム 『 Trilogy (トリロジー) 』 リリースに合わせて,1972年6月4日ドイツはエッセンのグルーガハレ公演を皮切りに,6月27日オーストリアはウィーンのシュタットハレ公演まで行われた欧州ツアー.

 本音源は,欧州ツアー 3公演目に当たる,1971年6月6日ドイツはベルリンのドイチェランドハレ公演をオーディエンス収録したもので,最近,公にされたコレクター秘蔵音源を使用したものです.

 音像は近く,高音質で,各楽器のバランスも良い音源で,且つオーディエンス・ノイズも殆ど無く,非常に聴きやすいので,コアなコレクター以外でも安心して購入できると思います.

 それにしても,これだけグレッグ・レイクのベースの輪郭がハッキリと聴きと取れる音源も,この年代のものでは余り無いですね.

 この時期の演奏は非常に安定しており.この日も素晴らしいパフォーマンスを披露しています.
 特に "Rondo" 中間部での,10分を超えるカール・パーマーのドラム・ソロは圧巻.

 メーカー情報では
 『トリロジー』時代の特級ライヴアルバムがまさかの新発掘です。
 本作に収められているのは「1972年6月6日ベルリン公演」。この日の録音は存在だけはコア・コレクターには知られていたものの、ライヴアルバムとして登場したことはありませんでした。ところが、最近になってコア・コレクターの秘蔵品が出現。いわゆる“秘蔵品”と聞いてイメージするものとは次元の違うクオリティに世界中のマニアが騒然となっている録音なのです。
 そのコア・コレクターとは“Per-Erik”。北欧の名テーパーとしても名声を轟かせている人物ですが、その逸品録音をトレードの武器にしてかき集めたコレクションは圧倒的。現在はそのコレクションが少しずつ公開されており、たとえ有名音源でもジェネレーションが若かったり、完全収録だったりと「Per-Erik collection」が半ばブランド化されているほど。本作は、そんなブランドを一層高める傑作なのです。

 実際、そのサウンドは実に素晴らしい。観客がほとんどなく3人のアンサンブルが図太く真っ直ぐに届く様は、まるでサウンドボード。もちろん、1972年のヴィンテージな空気感もあるにはあるのですが、輪郭もクッキリと際立った楽音が乱射され、その1音1音が距離感もほとんどなく飛び込んでくるのです。全部が綺麗に録られていますが、特に申し上げたいのはベース。ビンビン・バキバキと粒立ちがめちゃくちゃ綺麗。70年代というと、花形キースのキーボードは克明でもベースがくぐもってボワボワしてる録音が多い。ところが、本作は、キースやカールと同等以上に鮮やかなのです。
 このサウンドは、キーボードトリオには理想的。もともと打弦楽器を祖とするキーボードトリオは1音1音の立ち上がりが鋭く、ギター主役のロックバンドよりもビートが強烈なもの。その反面、ベースがボヤけがちなオーディエンス録音はあまり向かないことも多いのです。しかし、本作のサウンドはその欠点自体が丸っきりなく、生々しい客録の旨みだけを美味しく味わえるのです。残念ながら「展覧会の絵」冒頭の「Promenade」に4秒ほどのカットがありましたが、本作では2公演前となる“6月4日エッセン公演『ASSAULT YOUR SENSES(Sirene-203)』”で補填。シームレスにお楽しみ頂けるように仕上げました。それにしても、名盤『ASSAULT YOUR SENSES』の極上サウンドで補填しても違和感がないとは……。これほどの名録音が秘匿されていた事自体が驚きです。
 そのサウンドで描かれるEL&Pがまた、とんでもなく素晴らしい。“1972年”というだけで充実の演奏は約束されたものですが、さらに日程まで踏み込むと凄味がより分かりやすい。良い機会ですので、ここで『トリロジー』時代をおさらいしてみましょう。

   《1972年1月『トリロジー』完成》
    -約2ヶ月後-
    ・1972年3月:カーディフ(1公演)
    ・1972年3月-4月:北米#1(35公演)
    -約1ヶ月後-
    ・1972年6月:欧州#1(13公演)←★ココ★
   《1972年7月『トリロジー』発売》
    ・1972年7月-8月:日本+北米#2(27公演)
    -約1ヶ月後-
    ・1972年9月-12月:UK(23公演)   
    -4ヶ月後-
    ・1973年3月-5月:欧州#2(22公演)
   《1973年6月『恐怖の頭脳改革』制作開始》

 これが『トリロジー』完成から『恐怖の頭脳改革』への歩み。
 70年代の記録にはあやふやな点もあるので厳密ではありませんが、おおよその活動概要は把握していただけるでしょう。そして、本作のベルリン公演は伝説の初来日直前の「欧州#1」3公演目にあたる。このポジションが絶妙でして、『トリロジー』完成からたっぷりと北米を回ってアンサンブルはこなれまくり、さらに約1ヶ月のオフを挟んで疲れもナシ。
 その上に来て、これからまさに『トリロジー』が世に問われようというテンション。デビュー時から演奏している曲に加えて「Hoedown」や「Tarkus」まで役者が揃いつつ、不慣れ感ゼロ。それでもなお、馴れ合いには至っていない絶妙南敷の鋭い演奏がこれでもか!と繰り広げられるのです。

 伝説の初来日そのままのバンド・ポテンシャルがホームグラウンドのヨーロッパで爆裂ライヴアルバムの大傑作です。『恐怖の頭脳改革』に向けて全力疾走が加速するEL&Pが、マニア秘匿の極上サウンドで広がる1本。今週末、あなたのお手元にお届けいたします。』

Berlin 1972 (Virtuoso 342/343)
 
 Live At Deutschlandhalle,Berlin,GERMANY 06th June 1972

 Disc 1
  1. Hoedown
  2. Tarkus
  3. Epitaph
  4. Aquatarkus
  5. Take A Pebble
  6. Lucky Man
  TOTAL TIME (37:51)

 Disc 2
  1. Piano Improvisation
  2. Pictures At An Exhibition
  3. Rondo
  4. Drum Solo
  5. Rondo (Reprise)
  TOTAL TIME (48:30)

 Tarkus
 
 Take A Pebble
 
 Piano Improvisation 
 
 Rondo 
 

[参考]
1972 European Tour
 Jun
  04 Gruga hall,Essen,GERMANY
  05 Münsterland halle,Münster,GERMANY
  06 Deutschland Halle,Berlin,GERMANY
  07 Musik halle,Hamburg,GERMANY
  08 Falkonerteatret,Kopenhagen,DENMARKk
  10 Fest halle,Frankfurt,GERMANY
  12 Meistersinger halle,Nurnberg,GERMANY
  15 Palazzo dello Sport,Genova,ITALY
  19 Olympia,Paris,FRANCE
  24 Mehrzweckhalle,Wetzikon,SWITZERLAND
  25 Stadio Comunale,Bologna,ITALY
  26 Palazzo dello Sport,Roma-Eur,Rome,ITALY
  27 Stadthalle,Vienna,AUSTRIA

Trilogy
[トリロジー]



Brain Salad Surgery
[恐怖の頭脳改革]




[関連記事]
Assault Your Senses (Sirene-203)