1972年6月に発売されたオフィシャル・アルバム「Trilogy (トリロジー)」リリースに合わせて行われた,1972年6月4日からの欧州ツアー.
 本音源は,欧州ツアー初日の1971年6月4日ドイツはエッセンのグルーガハレ公演をオーディエンス収録したものです.
 またこの公演は,J. Gielesバンドによってサポートされたようです.

 メーカー情報にあるように 2種類のオーディエンステープを使用して粗完全盤に製作しています.ちなみに今回の Sireneレーベルには使用されていませんが,3番目のオーディエンス・テープも存在しているようです.

 最初の部分に使用されているオーディエンステープ(レコーダー 2)は,割と最近(と言っても既に数年経過していますが)ネット上に公開されたもので,非常に良好なステレオ・オーディエンス録音となっています.このソースはメーカー情報にもあるように "Hoedown","Tarkus","Endless Enigma" をカバーしています.
 既存のオーディエンステープ(レコーダー 1)は,フラットですが,多少低音が目立ち,少し篭った音です.そして "Take A Pebble","Lucky Man","Piano Improvisations","Take A Pebble (Conclusion)","Pictures At An Exhibition" に使用されています.
 またカール・パーマーの10分強のドラム・ソロを間に挟み,20分弱収録されている "Rondo" では,再びレコーダー1 が使用されていますが,ドラム・ソロ後の "Rondo (Reprise)" の 1分42秒でフェード・アウトしてしまいます.

 "Hoedown" でオープニングを飾りますが,このオープニング・ナンバーは74年のツアーまでそのままですし,非常に強力なオーニング・ナンバーと言えるでしょう.
 続く "Tarkus" ですが,"Battlefield" セクションでは,未だこの時期 "Epitaph" は歌っていませんが,お決まりのギター・アルペジオ+ハーモニックス音で終了し,続く "Aquatarkus" セクションでは,キース・エマーソンの弾くモーグ・シンセサイザーが非常に実験的で,また即興的な音を出しています.この "Tarkus" も,1974年のツアーでは,30分前後演奏されますが,この時期は未だ25~26分程度の演奏です.
 新アルバム「Trilogy (トリロジー)」から披露された "Endless Enigma" は,3月20日コロラド州デンバーのデンバー・コロシアム公演を皮切りに4月29日まで実施された北米ツアーの終盤からセットリストに加わり,この欧州ツアーでは全日程で演奏されます.
 全体的にグレッグ·レイクのボーカル含めてスタジオ・バージョンに近く忠実に演奏されます.
 続く "Take A Pebble" は,レコーダー 1が使用されますが,冒頭部分がカットされています.そして中間部のグレグ・レイクのパートでは,"Lucky Man" を披露しますが,オーディエンス・ノイズが目立ち,""Lucky Man" の終盤部もカットされています.
 "Promnade" が始まると一段と観客の拍手が大きくなります.この当時,EL&Pと言えばやはり "Pictures At An Exhibition" なのでしょうか.(笑)
 続く "Rond" は,2分24秒にドロップアウトがあり,また珍しく 3分台からモーグ・シンセサイザーを使用したソロを披露します.カール・パーマーの10分強のドラム・ソロを挟んで演奏され,る終盤部は,上述したように "Rondo (Reprise)" の 1分42秒でフェイド・アウトしてしまいます.


 メーカー情報では
 『1972年、「トリロジー」発表時に行われたヨーロッパ・ツアーより6月4日のドイツはエッセン公演を高音質オーディエンス録音でほぼ完全収録・初登場です。
 当日の2種の音源を使用しており、Hoedown, Tarkus, EnigmaとアンコールRondoは超高音質テイク、Take A Pebble, Picturesは良好なオーディエンステイクで構成されています。 驚くべきは、前半とラストを収録しているテイクで、サウンドのバランス・分離感とも素晴らしく、ベースの一音一音をはっきり聞き分けられる程の大変優れた録音であり、この音質で全てが収録されていたら!と思わずにいられない最高グレードの音質です。
 特にドラムサウンドの素晴らしさは特筆に価し、ソロパートも凄い迫力です。
 新曲 Hoedown は、若干固い演奏ですが、続く Tarkus は全体のグルーブ感が最高で、グレッグの熱い歌唱、キースの切れ味鋭いオルガンプレイとELPの理想系のような優れた演奏をたっぷりと堪能することができます。Mass の途中のシンセの迫力は鬼気迫るものがあります。Battlefield のバックのドラミングもクリアーに録れているので聞き応え満点です。
 新曲「永遠の謎」は72年ツアー後半のようなシャウト型のボーカルではなく、比較的アルバム通りのメロに沿って歌っています。まだフーガも含め、ライブでこなれていない分、端正な演奏が聴けます。Take A Pebble は歌の途中からの収録。Lucky Man はドラム入り末期の演奏です。素晴らしいのはピアノ・インプロヴィゼイションで、この時期ならではのフレーズがビシバシ登場します。
 エンディングのアレンジも楽しい必聴テイクになっています。前述の通り、この辺りと「展覧会の絵」が若干ダイレクト感に欠ける音像になっていますが、それでもこの時代のオーディエンス録音としては十分に聴ける収録されています。ドラム・ソロを含む20分近い熱演を聞かせるRondo は、再びディスク1同様に再び高音質収録されており、惜しくも、Rondo のラストがテープ切れでフェイドしてしまうものの、エマーソンの狂乱のオルガンプレイ同様に聴き所になっています。過去に「トレード厳禁」扱いになり、一部のコレクターのみが秘匿していたファン垂涎の音源が、300枚限定のプレスCDにて登場です。

★beatleg誌 vol.78(2007年1月号)のレビュー要約です。ご参考まで。
1972年の初来日公演直前のエッセン公演を収録。(中略)本公演は2種類のオーディエンス音源が存在しているのだが、本盤に使用された音源はそれらをミックスしたものと言われている。Hoedown、Tarkus、Endless Enigma、Rondoが高音質のオーディエンス録音、そしてTake A Pebble、Pictures At An Exhibitionは、まずまずの音質のオーディエンス録音で構成されている。嬉しいのはEndless Enigmaにおいて、Lakeがほぼスタジオ盤通りのメロディで歌っていること。7月末からの北米ツアーでは醜悪なアレンジで歌われていて、原曲の良さが完全に損なわれてしまっているで、このライヴ・ヴァージョンは貴重だ。兎にも角にも「トレード厳禁」から解き放されたこの音源をぜひ堪能して頂きたい。』
との事.

Assault Your Senses (Sirene-203)
$cinnamon の裏音楽、そしてときどき競馬予想-EL&P - Assault Your Senses (Sirene-203)
 Live at Grugahalle, Essen, Germany 04th June 1972

 Disc 1
  1. Hoedown
  2. Tarkus
  3. Aquatarkus
  4. Endless Enigma (Part 1)
  5. Fugue
  6. Endless Enigma (Part 2)
  7. Take A Pebble
  8. Lucky Man

 Disc 2
  1. Piano Improvisation
  2. Take A Pebble (Conclusion)
  3. Promenade
  4. The Hut Of Baba Yaga
  5. The Curse Of Baba Yaga
  6. The Hut Of Baba Yaga
  7. The Great Gates Of Kiev
  8. Rondo
  9. Drums Solo 10. Rondo (Reprise)


 

 本CDの初回プレス分には,1970年12月9日のロンドンはライシアム公演をプロショット映像で収録したDVDRがボーナスとして付属しています.
 ちなみに過去にNHK の Young Music Show で放映されたものです.

 Lyceum 1970 Japanese Broadcast Version(Limited Bonus DVDR)
 $cinnamon の裏音楽、そしてときどき競馬予想-EL&P - Lyceum 1970 Japanese Broadcast Ver
  Live at Lyceum Ballroom, London, UK 09th December 1970
  Pro-Shot Colour NTSC Approx. 60min.

  1. Intro.
  2. Rondo (incl. Drums Solo)
  3. The Barbarian
  4. Promenade
  5. The Gnome
  6. Promenade
  7. The Sage
  8. The Old Castle
  9. Blues Variation
  10. Promenade
  11. The Hut Of Baba Yaga
  12. The Curse Of Baba Yaga
  13. The Hut Of Baba Yaga
  14. The Great Gates Of Kiev


[参考]
 1972 European Tour
 Jun
  04 Gruga Hall,Essen,GERMANY
  05 Münsterland halle,Münster,GERMANY
  06 Deutschland Halle,Berlin,GERMANY
  07 Musik halle,Hamburg,GERMANY
  08 Falkonerteatret,Kopenhagen,DENMARKk
  10 Fest halle,Frankfurt,GERMANY
  12 Meistersinger halle,Nurnberg,GERMANY
  12 Stadt halle,Vienna,AUSTRIA
  15 Palazzo dello Sport,Genova,ITALY
  19 Olympia,Paris,FRANCE
  24 Mehrzweckhalle,Wetzikon,SWITZERLAND
  25 Stadio Comunale,Bologna,ITALY
  26 Palazzo dello Sport,Roma-Eur,Rome,ITALY
  27 Stadthalle,Vienna,AUSTRIA