久し振りに,レッド・ツェッペリンの1973年北米ツアーもののリリース.

 それにしてもレッド・ツェッペリン人気は凄い!
 Webでリリース告知があった 200枚?が翌日には予約完売!
 「6/15 ★レッド・ツェッペリン「NEW ORLEANS 1973」は予約完売致しました。
  同日にリリース告知された同じくレッド・ツェッペリンの1971年8月21日,22日カリフォルニア州イングルウッドはザ・フォーラム(通称:LAフォーラム)公演を収録した 『L.A. Forum 1971 (No Label』 も同様に予約完売

 オフィシャル・アルバム 『The Song Remains the Same - 永遠の詩(狂熱のライヴ)』 や,コンサートおよびプライベートの模様を描いたセミ・ドキュメンタリー映画 『The Song Remains the Same - レッド・ツェッペリン 狂熱のライヴ 』 が生まれた,1973年北米ツアー.

 この1973年北米ツアーは,5月4日ジョージア州アトランタはアトランタ・フルトン・カウンティ・スタジアム公演を皮切りに,7月29日ニューヨークはマジソンスクウェアガーデン公演で幕を閉じますが,北米で 9回目に当たるこのツアーは,6月3日カリフォルニア州ロサンゼルスはイングルウッドのザ・フォーラム(通称:L.A.フォーラム)公演までのファースト・レグと,約1ヶ月間のブレイクを挟んで,6月2日イリノイ州シカゴのシカゴ・スタジアム公演を皮切りに,7月29日ニューヨークはマジソンスクウェアガーデン公演までのセカンド・レグで構成されていました.

 今回の音源は,ファースト・レグで,北米ツアー初盤の 7公演目に当たる,ルイジアナ州ニュー・オーリンズはミュニシパル・オーディトリアム公演をサウンド・ボード(:Sooundboard/SBD)収録したものです.

 この日の音源は,既発では 1995年に Tranturaレーベルの 『The Drag Queen (DQ-001-003)』,1998年に The Diagrams Of Led-Zeppelinレーベルかの 『New Orleans 1973 (TDOLZ VOL.77)』,2000年に入り Taranturaレーベルの『The Witch Queen (TCD-60, 61)
 2008年に The Godfather Recordsレーベルの 『The Drag Queen Of New Orleans (G.R. 305/306/307)』,2006年にEmpress Valley Supreme Discレーベルの 『Bourbon Street Renegades (EVSD-180/181/182 & SBC 4/5/6)』 等と,数多いタイトルがリリースされており,タイトルに 「Drag Queen」 等とあるのは,"Moby Dick" の前の MC で,ロバート・プラントが 「John Bohnam "Moby Dick" Is The Drag Queen Of New Orleans....」 と言ってる関係であり,その少し前にも 「Witch Queen From New Orleans」 等と言っています.
 このようにブートのタイトルは,その日の MC の内容 等から引用されているケースが多くあります.

 メーカー情報にもありますが,元々,この日のSBD音源は,"Rock And Roll" の頭欠けであり,既発も,そのまま収録しているものが多いのですが,今回リリースされたものは,コレクターの間でおなじみ Winston Remasters と呼ばれ,欠けている部分をオーディエンス録音で,丁重に補填・編集されたバージョンであり,割と違和感なしに,通しで聴くことができます.

 演奏的にはミスもあり,特筆するほど良い演奏をしている訳ではありませんが,「This...Is Oldies, But Goodies」 の MCから,ベースのイントロに導かれて始まる, 30分に及ぶ "Dazed Adn Confused" は,聴きどころの一つ.

 メーカー情報では
 『1972年の来日公演を境にライブ・サウンドを大きく変化させたZEPの到達点が1973年のアメリカ・ツアー。

 元々73年ツアーは年頭のイギリスから要所要所においてサウンドボード録音が存在するという点において、ZEP のライブ音源分布図においては分岐点となった時期。それだけにアメリカ・ツアーにおいてもサウンドボード録音に恵まれているのですが、そんな中で当店が今回リリースするのは 5月14日のニューオリンズ公演。
 CD時代に入ってから広まった73アメリカのサウンドボード録音の一つとして、マニアにはおなじみの音源。それまで「永遠の詩」サウンドトラックで事足りると思い込まれてしまっていたアメリカ・ツアーも、時期によって演奏スタイルがまったく異なっていたことを伝えてくれた貴重音源の一つでもあります。

 ニューオリンズだけでなく、73年アメリカ・ツアーの前半でサウンドボード録音が集中しているのがこの時期。とはいっても、一見すると音源に恵まれているように映るこの時期ですが、ツアー最初期になると音源の発掘が極端に限られてしまうのです。何しろツアー開始直後で存在する音源が今も昔もツアー二日目だった5月5日のタンパ(オーディエンス録音)だけ。その後の公演はサウンドボード録音どころかオーディエンスすら未だに発掘されないというエア・ポケットであり、ある意味では謎に包まれていると言っても過言ではありません。

 ところが13日のモービル公演を皮切りとして、それこそダムの水門が開いたかの如くサウンドボード録音が出回っています。今やツアー前半はサウンドボード録音の方が多いほど。しかし今回のニューオリンズを始めとした 5月中旬のステージを収録したサウンドボード録音ですが、先のモービル以外は音質の粗い録音状態のものが多く、やや見劣る印象が否めない感があったのです。しかもこの日の音源などは最初にCDでリリースされたのではなく、カセット・タイトルでリリースされていたことも音源の状態を反映していたものだったと言えるでしょう。

 もう一つの問題は、ショウを完全収録していないこと。これは73年サウンドボード録音において一貫した欠損状態なのですが、元々ライブ・アルバム用のマルチトラック録音ではなく、PAアウトの音源であり、記録用あるいはスタッフのチェックといった目的から録音されていたものであり、ライブを完全収録するという意思なしで録音されていた音源だったからこそ起きた現象でした。そこで近年この音源を収録したアイテムは、どれもオーディエンス録音を用いて欠損部分をアジャストした状態でのリリースが当たり前となっています。

 オーディエンス録音の方は比較的近年になって発掘されたものでしたが、このツアーの中でも上位に属する高音質だったことから、マニアの間では評判を呼びました。そこで二つの音源を駆使したアイテムが当たり前となった現在ではありますが、今回当店がリリースするのはマニアの間でおなじみ Winston Remasters よって作られたバージョン。これは何といってもサウンドボード録音のラフな質感を緩和させたイコライズが実にうまく施されているのです。この後のダラスやフォート・ワースのサウンドボード録音にも当てはまることですが、その粗さ故に見過ごされがちなこの時期の音源。しかし Winston Remasters の仕上がりは見事なものがあります。あのラフな音質が随分と滑らかに生まれ変わっており、聴きやすさが大幅に向上しているのです。元があのような抜けの悪い音質の音源でしたので、これには驚かされます。
 
 この日のサウンドボードはオープニング「Rock And Roll」の途中から録音がはじまっており、それを始めとしたいくつかの欠損部分に関しては例のオーディエンス録音でアジャストされています。先にも触れた臨場感豊かな音源から、正反対の臨場感が希薄なサウンドボード録音へと切り替わる違和感こそ否めませんが、やはり演奏のディティールを克明に再現してくれるサウンドボード録音は別格。しかもこの日の演奏ぶりなどは後のサントラで聴かれるツアー終盤の演奏とは雰囲気がまったく違うのだからなおさらというもの。

 7月のツアー後半と比べると、この日の演奏は非常に落ち着いたものですが、それでいて春のヨーロッパ・ツアーのようなヘヴィ・グルーブとも違う。むしろ「Celebration Day」などはいつも正確無比なジョンジーがミスを犯しそうになるといった珍しいハプニングまでみられます。しかし何といっても聞き逃せないのが、遊びを含みつつも非常に丁寧なジミーのギター・プレイ。勢いを増した7月のプレイとはまるで印象が違います。
「Since I’ve Been Loving You」などはフレーズを丁寧に紡ぎ出す様に好感を持てますし、彼が最高の冴えを見せるのが「Dazed And Confused」。この日に関して言えば「San Francisco」セクションに向かう前でクリーム(ロバート・ジョンソン)の「Crossroads」のリフを繰り返す場面が昔から有名ですが、この日のジミーはクリーム・モードだったのか、後半でも彼らの「Cat's Squirrel」のリフを弾き出すというハッスルぶりがとても印象的。

 しかしミスが無い訳ではなく「Misty Mountain Hop」ではプラントが歌い出すタイミングを間違えてしまうのですが、ボンゾが彼に合図を出してすぐに歌い出す場面などは息が合ったバンドならではの阿吽の呼吸ぶりが伝わってきて鳥肌モノ。それに「Stairway To Heaven」の終盤になると、プラントの声のキレの悪さが目立ちますが、これはコンディションの問題というよりは、自身の声の衰えを自覚して唱法を変え始めたプラントの発展途上な姿と呼ぶのが正確でしょう。そしてプラントが冒頭「Drag Queen Of New Orleans」とボンゾを紹介してから始まったのが有名な、20分に及ぶ「Moby Dick」ですが、実はイントロとアウトロの両方でジミーの音が不安定になる場面があったのです。

 こうした73年アメリカ・ツアー前半ならではの魅力がたっぷり詰め込まれたサウンドボード録音ながら、その音質のせいから今一つ敷居が高く映ってしまったニューオリンズ公演。Winston Remastersによる見事な仕事ぶりで生まれ変わったサウンドボード録音の聴きやすさを、ぜひあなたの耳でお確かめください。しかも今回の限定のプレスCDによるリリースに当たっては、さらにピッチと音量レベルを調整しただけでなく、例の粗さをWinstonが緩和しても微弱ながら残っていたチリチリというノイズを解消させ、さらに聴きやすい状態へと仕上げました!』

New Orleans 1973 (No Label)
 
 Live At Municipal Auditorium,New Orleans,LA,USA 14th May 1973

 Disc 1
  1. Introduction
  2. Rock And Roll
  3. Celebration Day
  4. Black Dog
  5. Over The Hills And Far Away
  6. Misty Mountain Hop
  7. Since I've Been Loving You
  8. No Quarter 
  9. The Song Remains The Same
  10. The Rain Song
  TOTAL TIME (61:38)

 Disc 2
  1. Dazed And Confused
  2. Stairway To Heaven
  3. Moby Dick
  TOTAL TIME (61:43)

 Disc 3
  1. Heartbreaker
  2. Whole Lotta Love
  3. Communication Breakdown
  TOTAL TIME (29:05)

 Since I've Been Loving You
 
 No Quarter
 
 The Song Remains The Same
 
 Stairway To Heaven
 
 Communication Breakdown
 


[参考]
 The Drag Queen (DQ-001-003)
 
 New Orleans 1973 (TDOLZ VOL.77)
 
 The Witch Queen (TCD-60, 61)
 
 The Drag Queen Of New Orleans (G.R. 305/306/307)
 
 Houses Of The Holy Tour (Scorpio‎–17)
 
 Bourbon Street Renegades (EVSD-180/181/182 & SBC 4/5/6)
 

 1973 North American Tour Dates
  May
   04 Atlanta Fulton County Stadium,Atlanta,GA,USA
   05 Tampa Stadium,Tampa,FL,USA
   07 Jacksonville Coliseum,Jacksonville,MS,USA
   10 Memorial Coliseum,Tuscaloosa,AL,USA
   11 St. Louis Arena,St. Louis,MO,USA
   13 Municipal Auditorium,Mobile,AL,USA
   14 New Orleans Municipal Auditorium,New Orleans,LA,USA
   16 Sam Houston Coliseum,Houston,TX,USA
   18 Dallas Memorial Auditorium,Dallas,TX,USA
   19 Tarrant Country Convention Center,Fort Worth,TX,USA
   22 Convention Center Arena,San Antonio,TX,USA
   23 University Arena,Albuquerque,NM,USA
   25 Denver Coliseum,Denver,CO,USA
   26 Salt Palace,Salt Lake City,UT,USA
   28 San Diego Sports Arena,San Diego,CA,USA
   31 The Forum,Inglewood,CA,USA

  June
   02 Kezar Stadium,San Francisco,CA,USA
   03 The Forum,Inglewood,CA,USA

  July
   06 Chicago Stadium,Chicago,IL,USA
   07 Chicago Stadium,Chicago,IL,USA
   08 Market Square Arena (unconfirmed),Indianapolis,IN,USA
   09 St. Paul Civic Center,Saint Paul,MN,USA
   10 Milwaukee Arena,Milwaukee,WI,USA
   12 Cobo Hall,Detroit,MI,USA
   13 Cobo Hall,Detroit,MI,USA
   15 Buffalo Memorial Auditorium,Buffalo,NY,USA
   17 Seattle Center Coliseum,Seattle,WA,USA
   18 Pacific Coliseum,Vancouver,BC,CANADA
   19 The Spectrum,Philadelphia,PA,USA
   20 Boston Garden,Boston,MA,USA
   21 Providence Civic Center,Providence,RI,USA
   23 Baltimore Civic Center,Baltimore,MD,USA
   24 Three Rivers Stadium,Pittsburgh,PA,USA
   27 Madison Square Garden,New York City,NY,USA
   28 Madison Square Garden,New York City,NY,USA
   29 Madison Square Garden,New York City,NY,USA

 Promotional Poster Of Led Zeppelin, 1973
 

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