本CDRは,西新宿ダイカンプラザ 9Fの某店にて,商品を 2組購入すると貰えるギフト・アイテムで,1970年12月の全英ツアー最終日に当たる12月22日のヨークシャー・シェフィールドのシティホール公演を超高音質オーディエンス録音で完全収録したものです.
 オーディエンス録音ではありますが,音像が近く,且つバランスも良く,収録された年代を考えればかなりの高音質と言えるでしょう.サウンドボード音源と言われても,判らない箇所もあります.

 この音源はメーカー情報にも記載されているように,3月7日に Neonknight氏によりネットにアップされた 2nd Gen の音源であり,過去にリリースされているもののアッパー版となります.

 フロイドのコアなファンならば,この公演日から即判ると思いますが,何と言っても本公演の目玉は,30分におよぶ "Alan's Psychedelic Breakfast" のパフォーマンスです.
 同曲のパフォーマンスというか音源が記録として残っているのは,おそらく本公演だけであり,しかも高音質で聴けることは嬉しい限りです.

 尚,同公演日のCDR は,同店でも過去に,ファン主宰の Harvestedレーベルがリリースした 『Rise & Shines (HRV CDR 035)』 の音源を,ギフトあるいは商品に付属するボーナスの形でリリースしていましたが,今回は真に決定盤.

 ちなみに "Alan's Psychedelic Breakfast" は,どの様にステージ上でパフォーマンス&演奏されたのでしょうか.殆どが SE(:Sound Effect)を用いているので,その時メンバーはどうしていたのか...非常に気になるところでもあります.またメーカー情報に記載されている『ステージ上でベーコン・エッグを焼いたりといったパフォーマンスが行われた』んでしょうか.確かに観客の笑い声等を聴くと,そうかも知れません.

 "The Embryo" では赤ん坊の泣き声のSE(:Sound Effect)と共に,後の "Echoes" の通称カモメパートで使用される部分もあり,またツアー最終日という事で "Fat Old Sun" の前半では,ギルモアがリラックスして歌っている様子も伺えます.そして後半のジャジーな演奏も素晴らしいのですが,後半の歌の前のソロは指運が少し怪しい部分もあります.続く "Careful With That Axe, Eugene" は静から動へ,動から静へと,全体を通して,素晴らしい演奏で,9分30秒からのロジャーのスクリーミング部分は,鬼気迫るものがあります.
 "Set The Controls For The Heart Of The Sun" に続いて演奏される "A Saucerful Of Secrets" では,ビンソンのエコーチェンバーと,スライドバーを使用したギルモアのギターが,ロジャーの叩くシンバルとあわせるように,神秘的なサウンドを作り出しています.しかしメーカー情報にも記載しているように,ギルモアのボーカルが入りだす,18分19秒に電源トラブルなのか,ドラム音しか聴こえなくなり,演奏は中断します.暫くすると,ライトがピアノのみで伴奏をし出します.電源が回復したのか,20分過ぎにハモンドオルガンの音が出だして,コードを引き出し,再度電源トラブルの前の部分から徐々に開始します.ウォーターズのベースが入り,ギルモアのスライドが入り....
 他の公演でも電源トラブルで中断された音源もありますが,本当にドキュメントです.
 ちなみに1970年10月17日カナダのペッパーランド・オーデトリアムも同様の電源トラブルで,"Astronomy Domine" を複数回繰り返すところが,Siréneレーベルの 『Pepperland 1970 (Siréne-073)』,Sigmaレーベルの 『Pepperland 70:1st Gen Reel (Sigma 99)』 に記録として残されています.

 最後の "Atom Heart Mother" は,オーケストラ,コーラス隊,バンドが一体となった,30分をゆうに超える素晴らしい演奏です.そして大喝采に応えてのアンコールは,ギルモアのスライドから入る "Atom Herat Mother (Reprise)" で演奏を終了します.

 メーカー情報では
 『 「Alan's Psychedelic Breakfast」 の30分近い歴史に残るライヴパーフォーマンスがクリアーな音で聴けるということで、比類なき価値を持つ、1970年12月22日のシェフィールド公演音源。
 その話題のアップグレード版が登場です。LP時代からも何曲かは音盤化されており、CD時代になり『A PSYCHEDELIC NIGHT Part1/2 (Triangle)』 で全曲収録盤としてCD初登場。その後2001年リリースの 「Alan's Psychedelic Master Tape」、さらにそれのアッパー版として2009年にリリースされた 「Rise & Shine」(Harvestedが発表) がありましたが、2015年、遂にこの決定的音源の最良マスターが登場です!
 ネット情報によると、本音源は「Rise & Shine」のRAWヴァージョンとのこと。録音機器操作のオンオフと思われる断続的カットを含みながらも、冒頭からいきなり7秒程長く収録されており、この部分からも本盤がよりマスターに近いテイクを使用しているのは明白です。ヒスノイズは未加工な分、より大きめに聴こえたりもしますが、その分、楽音のクリアさ、近さ、ダイレクト感、明度は既発を遥かに上回ります。音のクリアネスは本当に半端なく見事であり、その鮮度抜群のオンな響きに、ファンは誰しもが恍惚として聴き入ってしまうことでしょう。散見されたアナログノイズは、原音に影響が出ない程度に丁寧に除去。1970年末のシェフィールド公演のベスト・ヴァージョンに仕上げました。
 最大の聴きどころは何と言っても冒頭を飾る 「Alan's Psychedelic Breakfast」。「The Man & The Journey」と並ぶ、もうひとつのフロイド版ロックオペラとも言うべき組曲の唯一のライブ・ドキュメント音源であり、ステージ上でベーコン・エッグを焼いたりといったパフォーマンスが行われたとされる実験的ステージを非常にクリアーなサウンドで収録しています。
 続く The Embryo、Fat Old Sun といったナンバーでも、円熟の極みといった演奏が披露されます。鬼気迫る演奏の聴ける Careful With That Axe, Eugene は必聴。
 25分の壮大な演奏が聴ける A Saucerful Of Secrets ですが、18分台で電源が落ち、ドラムの生音だけになってしまい、2分近く中断してしまうアクシデントも生々しいサウンドで収録されています。
 ラストはブラスとコーラス隊が参加したAtom Heart Motherで、アルバムの録音でも指揮を取ったジョン・オルディスがこの夜のコンダクターを務めており、緊張感の持続した密度の濃い演奏を聴くことができます。その演奏は32分にも及ぶ素晴らしい出来栄えで、終演後の大喝采に、バンドとオケがコーダを再演するという感動的な盛り上がりを、過去最高のサウンドで、2時間32分に渡ってたっぷりと楽しむことができます。今年を代表するフロイド音源となること必至の超重要音源がギフト・タイトルでリリース決定です。』

Sheffield 1970 (Gift CDR)
 
 Live At City Hall, Sheffield, UK 22nd December 1970

 Disc 1
  1. Alan's Psychedelic Breakfast
  2. The Embryo
  3. Fat Old Sun
  4. Careful With That Axe, Eugene
  TOTAL TIME (75:42)

 Disc 2
  1. Set The Controls For The Heart Of The Sun
  2. A Saucerful Of Secrets 
  3. Atom Heart Mother
  4. Atom Heart Mother (Reprise)
  TOTAL TIME (75:51)

 Alan's Psychedelic Breakfast
 
 The Embryo
 
 Atom Heart Mother
 

[参考]
 Rise & Shine (HRV CDR 035)
 
 Rise & Shine
 $cinnamonの音楽ときどき競馬予想-Pink Floyd - RISE & SHINE(Bonus 2CDR)

 1970 UK Tour
  December
   11 Big Apple, Regent Theatre, Brighton, UK
   12 The Roundhouse Public House, Dagenham, UK
   18 Town Hall, Birmingham, UK
   20 Colston Hall, Bristol, UK
   21 Free Trade Hall, Manchester, UK
   22 City (Oval) Hall, Sheffield, UK

[関連記事]
Rise & Shine (Bonus CDR)
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