普段はあまり聴かない,ロジャー・ウォーターズ脱退後のピンク・フロイドの SBD音源がリリースされました.
 SBDという事で,取りあえず購入しましたが,音は流石に素晴らしいですね.

 ロジャー・ウォーターズ脱退後,ギルモア・フロイドとして初めてリリースされたアルバム 『A Momentary Lapse of Reason (鬱)』.
 このアルバムに対して,ロジャー・ウォーターズは 「非常に精巧に作られたピンク・フロイドの贋作」 と切り捨てましたし,否定的に捉えるメディアも多い状況だったようですが,アルバム自体は大ヒットしました.

 そして,このアルバム・リリース後の1987年9月9日カナダはオンタリオ州オタワのランズドーン・パーク公演を皮切りに,1988年8月23日米国はニューヨーク州ユニオンディールのナッソウ・コロシアム公演までの第一次ツアー.1989年5月13日ベルギーのウェルフテル・フェスティバル公演を皮切りに1989年7月18日フランスはマルセイユのスタッド・ヴェロドローム公演までの第二次ツアーと,ほぼ2年間にわたって大規模ツアーを実施しています.
 
 今回の音源は,第一次ツアーの終盤にあたり 1988年8月19日から 5夜連続行われた,米国はニューヨーク州ユニオンディールのナッソウ・コロシアム公演から,8月20日公演のフル音源と8月21日公演の 1st Set の音源です.
 8月20日に関しては,既発で Wolfgang's Vault" が発表したのを受けて,同 Sigmaレーベルから過去に『Delicate Sound In New York 1988 (Sigma 95)』,また The Godfatherecordsレーベルから『Another Movie In Long Island (G.R. 879/880)』がリリースされていますが,今回の 『Nassau Coliseum 1988 (Sigma 120)』 は,そのアップグレード盤にあたります.

 ちなみに,このツアーからの SBD音源は "Wolfgang's Vault" より,1987年10月11日ニュージャージー州イースト・ラザフォードのブレンダン・バーン・アリーナ公演をサウンド・ボード(:SDB)ものの発表を受け,2013年9月に Sigmaレーベルから『A Momentary Lapse In New Jersey (Sigma 103)』としてリリース,また今回1987年9月19日米国ペンシルベニア州はフィラデルフィアの JFKスタジアム公演の第一部のみが 『JFK Stadium 1987 (Sigma 123)』 に収録され,Sigmaレーベルより 2月にリリースされています.
 このツアーでは,オフィシャルでのリリース等も考えて,かなりの公演が SBD収録されていたはずであり,これからも相応に流出するのではないかと思われます.

 当然ではありますが 今回の CD は SBD音源なので,オフィシャル級の素晴らしい音質です.8月21日公演は 1st Set のみで残念ではありますが,満足の CDです.

 ただ,この時期は殆どセット・リストに変化が無く,演奏もこじんまりしてしまっているので,個人的にはピンク・フロイド好きであっても,余り聴きこんでいない時期ではあります.

 メーカー情報では
 『好評Sigmaレーベルから今年最初のピンク・フロイドの新作が登場です!
 バンドの歴史に終止符が打たれた去年2014年はフロイドファンにとって節目の年だったと思います。しかしその歴史が閉じられたからこそ残された音源の再考察と整理、そして既発盤の完璧なブラッシュアップによるアーカイヴ化の作業が今後本格的に始まると言っても過言ではないでしょう。
 そんなフロイドにとって今年2015年は1988年の『鬱』発表からちょうど25周年というメモリアル・イヤーを迎えている訳ですが、これを基点に Sigmaレーベルが2015年最初のフロイド新作として発表するのが1988年8月のナッソー・コロシアム、即ち公式盤 『光~パーフェクト・ライヴ!』 にも部分的に音源が使用されたニューヨーク連続5公演の2日目、8月20日の飛躍的なアッパー版です。
 この音源は元々2013年にウルフギャング・ヴォウルトにてネット上にアップされた音源で、関係者流出のステレオ・サウンドボード録音の完全収録版でした。もともと公式用の流出音源ですからそのクオリティは目を見張るものがあり、当 Sigmaからも2013年に『DELICATE SOUND IN NEW YORK (Sigma 95)』としてリリースされ、同音源の決定版として大きな反響を得ました。
 しかしこのたび海外のマニアがこの元音源を根本から見直して調整を加えたものが発表され話題となり、それを元に当 Sigmaレーベルが更に徹底的な精査と調整を加えた事で公式盤顔負けのアッパー版に仕上げました。本盤はその新バージョンの88年ナッソー・コロシアムを収録しているのです!!

 具体的な変更点は幾つかありますが、まず第一に 『DELICATE SOUND IN NEW YORK (※以降、"既発盤"とします)』 ではどこか音像の幅が閉じた硬めの印象があった音色を、開放感のある自然なサウンドボード(※以降、"SBD")の音質に変貌させてある事でしょう。またピッチの厳密な再補正とステレオのフィールド調整によって演奏音の近さも向上しており、各楽器や歌声の出音が一歩前に出ているのが容易に御確認戴けます。更にトピックスなのは、既発盤の 「Money」 1分45秒付近に存在した楽音の欠落が今回の新バージョンには無く、ノーカットで収録されている点です。これは本タイトルの大きなアドヴァンテージと言えるでしょう。また低音を軽減する事でメリハリをつける自然な処理を施し、数か所で発見されたカット・ノイズ箇所も考え得る限りの修正を行いましたので、現状でこれ以上はまず考えられない最終版に相応しい仕上がりになっています。

 この他もディスク4に翌8月21日の同会場ライヴより、ショウ第1部のSBD音源をリマスター収録してあります。こちらもウルフギャング・ヴォウルト発表の音源に比べメリハリのある鮮明なサウンドに仕上げているだけでなく、その元音源に存在した「Sorrow」5分47秒付からの欠落部分(※約20秒間もある大幅な欠落)を前日公演のSBD録音(本ディスク1-【10】の該当部分)から補填し、ノンストップで問題無く聴けるよう丁寧なトリートメントを施してあります。ディスク1~3で88年のベストライヴとも言えるニューヨーク公演のひとつが完璧な姿で蘇っただけでなく、ディスク4で翌日の公演と聴き比べる事により当時のツアーファイナルの模様が時系列で変化を追える様になっており、まさに2015年『鬱』リリースから25周年に相応しい" パーフェクト! "な新タイトルとなっているのです!!

 それではリニューアルされた各ディスクをざっと御紹介しましょう。
 ディスク1冒頭 「Shine On You...」 では立ち上がりから圧倒的な透明感とスケール感が広がります。たっぷり間を置いて入れてくる主題の4音階、即ち4分11秒から入るギターサウンドにも更なる芯が入り、そのエコー感や残響の豊かさがこれまで以上に芳醇な音色で出ている事が序盤からハッキリ分かると思います。「Signs Of Life」 は公式盤 『光~パーフェクト・ライヴ!』 には未収録(※ビデオ版には収録)のものですが、導入となる水の跳ねる音や櫂が軋む音は明らかに既発タイトルよりも近く鮮明に聴こえ、その奥から厳かに立ち上がってくるキーボードの音色も驚きのレンジを伴って出音致します。この上質なサウンドを維持したまま「Learning To Fly」が始まりますが、リニューアルされた2015年版の音でその創意に充ちた演奏に触れると確実に鳥肌が立つこと請け合いです。既発で聴けたサウンドも素晴らしいものでしたが、ここでは更にその上を行くミラクル・サウンドが実現しているのです。厳しさと美しさが同居する「Sorrow」も洞察力に富んだ演奏が一新された高解像サウンドとして耳に届き、感性を鷲掴みにされるその音像に圧倒されるに違いありません。
 一方 「The Dogs Of War」 は犬の鳴き声や観客の歓声の中、既発盤より2歩・3歩グッと浮き出た演奏音が完璧な音像で立ち上がり、タフな演奏が映像的なイメージで進行してゆきます。この曲は既発盤ではもう少し平坦な印象があるのですが、今回の本作では浮き上がるサウンドの立体感と解像度が確実に上がっており、センターで絶唱するギルモアと左チャンネルから入るコーラス隊の声のブレンド感、それを盛り立てるバックの鉄壁な演奏をこれまで以上に噛み締めて戴ける筈です。「On The Turning Away」では息を呑むほど美しく震えるギルモアの歌声と、そのギターの響きが会場に深く染み込んでゆく様子を御実感下さい。既発盤も良好な音像で記録されていましたが、しかしアッパー版の本作ではもはや旋律や響きを超えて空気の振動を操っているとしか形容出来ず、ここは本音源のサウンドの威力を強くお感じ戴けるシーンとなっています。

 ショウ第2部となるディスク2の「One Of These Days」は、曲が大きく動く5分29秒からが注目です。サウンドのメリハリがそのまま曲表現の抑揚感と直結する印象が更に濃く出ており、聴き慣れたこの日の演奏により深く入ってゆけるでしょう。同様に「Time」もギターとキーボードの浮き立ちがこれまで以上にダイナミックに響き渡り、そのサウンドが音域一杯に広がる様子は驚異的です。「The Great Gig In The Sky」ではこの録音の特徴として1分04秒~2分23秒付近に入る女性ボーカルが録音上オフになっていますが(※既発盤も同様。恐らくエンジニアのミスでしょう)、その反作用としてバンド演奏音の輪郭がこれまで以上の鮮明さで追えるのが嬉しいポイントです。「Wish You Were Here」は公式盤『光~パーフェクト・ライヴ!』にも使用されたテイクですが、ここではギルモアとレンウィックが奏でるツインギターが潤いのあるサウンドで出音し、優しく丁寧に綴られる美しい音づくりが公式盤さながらの響きで耳に届きます。「Welcome To The Machine」では導入SE音に続いてジャーン!と入ってくるアンサンブル(1分44秒~)の鮮やかな音色に度肝を抜かれるでしょう。随所で入るシンセの装飾音もウルトラクリアーに飛び出し、しかもこれまで聴けた既発の音よりも間近な音でそれが飛び交い続ける為、音像から受ける興奮はひとしおです。また中盤インスト部分の即興パートも興味深いですし、曲後半で顕著なレンウィックとギルモアの質感が違うギターの響きの差も驚くべき解像度で再生されますので、その様子も是非御注目下さい。「Us And Them」は一新されたアンサンブル全体の音色も素晴らしいのですが、歌唱が止んだ後に入ってくるピアノ、サックス、ギターにそれぞれスポットが当たってゆくシーン(※4分20秒~5分47秒)が特に聴きどころです。これら3つの楽器が解像度の高い音色で対話しつつ、音楽が終盤へ向かってダイナミックに浮上してゆく様子は強烈な印象を放っています。「Money」は既発盤の1分45秒付近に存在した楽音の欠落がきっちり補填され、本作では12分間ノンストップ・ノーカットで聴き通せる様になっています。ここは既発盤最大の弱点でもあったので、収録内容のリニューアル感を大きく実感して戴けるでしょう。これに加え、中盤に挿入されたベースソロやその周囲で周期的に入るコーラス、そしてサックスとドラムの細かい仕事振りも1ランク上の音像で蘇っています。「Comfortably Numb」は、ギルモアが音色を惹き立てる巧みさをアッパー感際立つこの音像から改めてお感じ戴けると思います。これまで以上に雑味の無いナチュラルな響きが耳を潤し、深い洞察力に富んだ演奏が耳元一杯に展開してゆく様子をじっくり御堪能下さい。

 アンコールとなるディスク3ではまず「One Slip」で各楽器とコーラスが見事に融合した一体感ある音像が既発盤より透明感の高い1ランク上の質感で迫ってきます。「Run Like Hell」も疾走感に充ちた音の瞬発力が極上の音で溢れ出し、曲中にある各ボーカルラインの特徴的な掛け合いも過去最高の瑞々しい音で出音するのを御確認戴けるでしょう。

 ディスク4は冒頭でも書いた通り、ディスク1~3の翌日に同会場で行われた公演のショウ前半・第一部です。「Shine On You...」では前日同様に溜めと空間性を効かせた演奏となっていますが、ボーカルとコーラスが浮き立つ音像なのでサウンドから受ける印象が随分違っているのがお分り戴けるでしょう。「Learning To Fly」では前日のパフォーマンスとは微妙なニュアンスの違いを感じ取れると思います。表面的には似ていますが、しかしギルモアの歌い方に前日以上の優しさと情感があり、鋭いリードギターの入れ方(※レンウィックのリード。御存知の通りこの曲ではギルモアはリズムギターを弾いています)もギルモアのそれに寄せて奥の深い部分をいじった様な、潜在的な変化が感じられる筈です。背後のアンサンブルも聴きモノで、そちらに焦点を合わせて聴いていると細かいキーボードの装飾音や打音表現のフック感、時折目立つ音でアタックの音を入れているベースやサックスの流れなども克明に聴いて取れますので、それも是非チェックしてみて下さい。「Yet Another Movie」もまたサウンドに質の高い空間性と奥行きがあり、曲が持つ重苦しいイメージとそこからの解放感を存分に堪能出来る仕上がりです。一方「Sorrow」はウルフギャング・ヴォウルトの元音源には音の欠落が約20秒間に渡って生じていましたが、本ディスクではこれを前日の演奏(※ディスク1-【10】の該当部分)を補填することで、全く違和感無くノンストップで聴き通せるように仕立ててあります。ギルモア奏でるギターの力強い響きが音楽の推進力をグイグイ押し上げてゆく様子を、ストレスの無い無いフル尺版で存分にお愉しみ下さい。「On The Turning Away」は音が真っ直ぐこちらへぶつかってくる直球サウンドが魅力です。3分03秒付近から始まる展開部での、右チャンネルから上方へ回り込む様に去来するドラムの打音やギター(これは恐らくレンウィック)の質感高い音色、そして驚嘆に値する超高解像度の鋭い音像は必聴でしょう。

 恐らく本作を聴いて誰もがお感じになるであろう事は、当時のライン録音が現在の最新機材と優秀なイコライズ技術で整えられると、音質や音楽はこうまで違って聴こえるものかという点です。曲というよりは音楽そのものの推進力が高まる興奮がそこかしこに散見され、こんなにも切なく、真っ直ぐ前を向いたエネルギーが88年のフロイドにあった事に改めて驚いて戴けるでしょう。本作はそれを確かな手応えで受け取れる自信作と言っても過言ではありません。活動の歴史を閉じてもフロイドの音源から私達が学べることはまだまだ沢山あり、本作はそれに音質面から気付かせてくれるアッパー版タイトルなのです。今週末、2015年最初にSigmaレーベルがお届けする本作で是非この88年の熱いエネルギーを御体験下さい。ナンバリングステッカー付き完全限定プレスCD4枚組で、2015年のSigmaレーベルがいよいよ始動します!!』

Nassau Coliseum 1988 (Sigma 120)
 
 Live At Nassau Coliseum,Uniondale,NY,USA 20th,21st August 1988

 [Nassau Coliseum,Uniondale,NY,USA 20th,21st August 1988]
 Disc 1
  1. Shine On You Crazy Diamond
  2. Signs Of Life
  3. Learning To Fly
  4. Dave MC
  5. Yet Another Movie
  6. Round And Round
  7. A New Machine (Part 1)
  8. A Terminal Frost
  9. A New Machine (Part 2)
  10. Sorrow
  11. The Dogs Of War
  12. On The Turning Away
  TOTAL TIME (68:32)

 Disc 2
  1. One Of These Days
  2. Time
  3. On The Run
  4. The Great Gig In The Sky
  5. Wish You Were Here
  6. Welcome To The Machine
  7. Us And Them
  8. Money
  9. Another Brick In The Wall (Part 2)
  10. Comfortably Numb
  TOTAL TIME (73:15)

 Disc 3
  1. Encore Applause
  2. One Slip
  3. Run Like Hell
  TOTAL TIME (17:45)

 [Nassau Coliseum,Uniondale,NY,USA 21st August 1988]
 Disc 4
  1. Shine On You Crazy Diamond
  2. Signs Of Life
  3. Learning To Fly
  4. Dave MC
  5. Yet Another Movie
  6. Round And Round
  7. A New Machine Part 1
  8. A Terminal Frost
  9. A New Machine Part 2
  10. Sorrow
  11. The Dogs Of War
  12. On The Turning Away
  TOTAL TIME (68:06)

  Shine On You Crazy Diamond
 
 ※) 何時削除されるか判らないですけど,一応音源を貼り付けます.


 本商品の初回ナンバー入りステッカー付きに限って,1989年に日本のレコード会社が 『Delicate Sound Of Thunder』 のプロモーシン用に作製したオリジナルVHSビデオテープをダイレクトにDVD化した 『Delicate Sound Of Thunder:The Original Japanese In-Store Video Sampler(Bonus DVDR)』 が付属しています.

 この映像は,今回 『Nassau Coliseum 1988 (Sigma 120)』 のリリースに合わせて,1988年8月19日から 5夜連続行われた,米国はニューヨーク州ユニオンディールのナッソウ・コロシアム公演の映像を収録してます.

 メーカー情報では
 『1989年、日本のレコード会社が、ピンク・フロイドのライヴアルバム及び同名ビデオソフト「Delicate Sound of Thunder」のプロモーション用に作製したオリジナルVHSビデオテープをダイレクトにDVD化。
 恐らく多数複製されて、店頭に流れたにもかかわらず、マニア間でも全く知られていないものであり、「Delicate Sound of Thunder」短縮版という位置付けのみならず、何故か「Final Cut」のプロモ2曲を途中に意味ありげにインサートした、独自編集されたその内容は、コレクターにとっては興味深いものであるはずです。
 「PINK FLOYD 店頭演奏用ビデオ」とビデオ上面と背面にインデックスシートが貼られた VHSテープをそのままディスク化、収録時間は52分です。Shine On You Crazy Diamond (Part I) は公式盤同様にピンク色のライトからスタートしますが、4分目の、例の4音階が登場する前でフェイドアウトという異例のショートヴァージョンであることに驚かされます。 SOYCD のストリングシンセパートから、曲はそのまま2曲目の Signs Of Life にそれ程違和感なく繋がっており、あまりフロイドを知らない人がみたら「こういう楽曲か」と思うような巧妙な編集です。Signs Of Life から Learning To Fly は序章~本編のようにメドレーで収録されるべきなのに、何故か、ここでいきなり「The Final Cut」期の When The Tigers Broke Free のプロモが丸ごとインサートされています。
 「鬱」の世界からいきなりロジャーの情念のこもったボーカルと例の戦争期のイメージフィルムになり面食らってる所に、これまたいきなり(そして劇的に)Learning To Fly が流れ、観てる側は、製作者の意図が判らず混乱すると同時に、その場面展開の急激さに何が何だか分からなくなります。フル収録された Learning To Fly の後は、またしても「The Final Cut」よりタイトルトラックのプロモ。ハッピーに大会場で演奏するギルモアの演奏の直後に、陰鬱なロジャーの詞世界が画面といっしょに展開される様はまさにシュール。「The Final Cut」の白黒映像に、 On The Turning Away のプロモの目のアップに白黒映像が流れる様を自然に繋げるセンスと技術はお見事。まるで繋がってるみたいですが、勿論、両者は楽曲的には「ピンクフロイド名義」であること以外、接点は殆ど無いので、これまたシュール。1989年のライヴ映像のプロモーション・サンプル・ビデオなので、「鬱」のひとつ前のアルバムの曲のプロモも混ぜて、販促用ビデオを製作しようという意図だったのかもしれませんが、結果的に非常に奇妙な内容のものになっています。しかし、流石にレコード会社が製作してるだけのことはあり、 The Dogs Of War 、 Time 、 Comfortably Numb 、 One Of These Days とそれらの編集と繋ぎの技術は高度で、これはこれでオリジナルな魅力を持った、大変興味深いソフトであると言えます。マニア限定のアイテムではありますが、ファンにとってはとてつもなく面白い、コレクター必見・必携の一枚と断言できます。同会場で収録された、公式盤の元になったサウンドボード音源決定盤「NASSAU COLISEUM 1988」と合わせてどうぞお楽しみ下さい。』

Delicate Sound Of Thunder (Bonus DVDR)
     :The Original Japanese In-Store Video Sampler
 
 Live At Nassau Coliseum, Uniondale, New York,USA 19th - 23rd August 1988
 Taken From The Original Japanese In-store Video Sampler Tape
 PRO-SHOT COLOUR NTSC Approx.52min.

 

  1. Shine On You Crazy Diamond (Part I)
  2. Signs Of Life
  3. When The Tigers Broke Free(Promo)
  4. Learning To Fly
  5. The Final Cut(Promo)
  6. On The Turning Away
  7. The Dogs Of War
  8. Time
  9. Comfortably Numb
  10. One Of These Days

[参考]
Another Movie In Long Island (G.R. 879/880)
 
Delicate Sound In New York 1988 (Sigma 95)
 
JFK Stadium 1987 (Sigma 123)
 
A Momentary Lapse In New Jersey (Sigma 103)
 PF - A Momentary Lapse In New Jersey

[関連記事]
The Divisoion Bell / The Endless River Outtakes
 
A Momentary Lapse In New Jersey (Sigma 103)
 PF - A Momentary Lapse In New Jersey
Signs Of The Times (Sirene-208)
 $cinnamon の裏音楽、そしてときどき競馬予想-PF - Signs Of The Times ()