ガンダムF90サポートタイプの量産モデルに相当する機体である。サナリィが連邦軍の次期主力MS調達先に内定した際、同社は本来F70キャノンガンダムをそのままの仕様で量産化する予定だったが、研究機関から半官半民の企業へ移行してからまだ歴史が浅く、その当時は連邦軍の需要を満たしうる生産能力・実績を持っていなかった。さらに連邦軍からの量産コスト低減要求と長年のMS供給実績を持つAEを無視することができないという政治的思惑により、製造はAEに委託するという体制が採られた。AEでの委託生産にあたり、既に生産体制が確立していたヘビーガンの生産ラインを活かすためF70を再設計して機構を共通化し、F71 Gキャノンとして宇宙世紀0115年にロールアウトした。A・Eの既製品をベースに製造したために、マッチングの問題からF70ほどの性能は発揮できなかったものの、推力重量比を含めた性能はそれまでのMSとは一線を画している。
一部の連邦軍サイドからの要求に応えたこの大幅な設計変更は、サナリィのF70開発陣にとっては不本意なものであり彼らはロールアウトしたF71に対し不快な表情をあらわにしたと伝えられている。実際のところアナハイムに製造を委託しているとは言いながらも、機体制御コンピューター等の技術提供をサナリィ側が拒否するなど、過度の秘匿主義がAE側の反発を呼んだとも噂されており、両者の関係は良好と言えるものではなかったという。
F71は設計にあたり汎用機体であったF90Sから支援攻撃MSとして徹底的に最適化され、機体の軽量化・効率化に成功。かつてのガンキャノンを想起させる、大型のマシンキャノンを両肩に装備する。使用されているジェネレーターやスラスターはAEの既製品だが、サポートに必要ない機能をそぎ落としたことで同時期の主力機であるヘビーガンと比べより大型のジェネレーターを搭載できる容積を確保、ヘビーガンよりも頭一つ分弱コンパクトにまとめながらも数値上はサナリィ純正機やブッホ製MSに匹敵する性能を得て連邦軍の要求する水準は十分満たした。頭部にF70(一説にはF90)と同タイプのものが装備される予定だったが、ヘビーガンと共通化されたことで往年のRX-77に似たゴーグルタイプのセンサーになったといわれる。ただし、開発時の連邦軍の仮想敵があくまで暴動レベルの反政府勢力であった為、主用途が暴徒鎮圧の対人戦闘に置かれており、本格的な対MS戦闘ではいささかの見劣りは否めない。コックピットの仕様はヘビーガンと同一で、F91からフィードバックされたF70の胸部構造はオミットされた。
しかし、本機にはミッションパックによる拡張性が確保されているため、対MS戦用のミッションパックを装備することで戦力を補える。また中距離支援用MSであるがビームサーベルを標準装備しており格闘戦もこなせる。
ヘビーガンより高性能で格闘戦も出来るなら
ヘビーガンなんて要らなかったんや…