神奈川のおきて【その9】鎌倉 | 中高年の中高年による中高年のための音楽

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 拙ブログ、神奈川のおきて【その3】湘南で、鎌倉「湘南」の出自の地であることをお伝えした。
 
 国内文献における「湘南」の初出は平安中期に作られた辞書の倭名類聚抄』(わみょうるいじゅしょう)で、かつて中国に存在した長沙国湘南県であること。
 
 中世中国の湘南禅宗のメッカで、禅宗を保護した鎌倉幕府の拠点「鎌倉」は、現在も禅宗臨済宗建長寺派および臨済宗円覚寺派の大本山「建長寺」、「円覚寺」の所在地であり、鎌倉時代には夢窓疎石らにより日本の禅宗の中心地ともなった禅宗と非常に密接な関係を有する土地だったが、当の鎌倉の住民は周辺自治体のように、オシャレな反面浮ついたイメージもある「湘南」ブランドを主張することが少ない。
 
 鎌倉はあくまで鎌倉なのである。
鎌倉とは
 
 日本初の幕府が開かれた古都・鎌倉市は人口17万3千人。
 
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イメージ 3 古くから横須賀線(上図)が走り、東京の出版社とのアクセスが良かったために、鞍馬天狗大佛次郎(おさらぎじろう)(1973年、75歳で没、写真左)や、評論家の小林秀雄(1983年、84歳で没、写真中)、最近では井上ひさし(2010年、75歳で没、写真右)など、「鎌倉文士」と呼ばれる作家が多数居住した、文化の香りも漂うハイクラスな街である。
 
 鎌倉文士のリストを見ると、夏目漱石川端康成国木田独芥川龍之介高見順中山義秀などの錚々たるメンバーが含まれている。

鎌倉の観光
 
イメージ 4イメージ 5 そして、観光名所としても知られ、鶴岡八幡宮(写真左)高徳院の大仏(長谷大仏、鎌倉大仏)(写真右)は修学旅行や遠足の定番コースになっている。
 
 こんな曲にも鎌倉という地名が出てくるほどだ。
 
曽根史郎/若いお巡りさん (1956)鎌倉あたりはどうでしょうか】
 

唱歌「鎌倉」
 
唱歌「鎌倉」は、鎌倉の名所・旧跡を紹介している歌。文部省が明治から大正にかけて編纂した「尋常小学唱歌」の中に収録されている。作詞は、国文学者で国定教科書の編纂に携わった芳賀矢一20137月より、発車メロディとして横須賀線倉駅に導入された。
 

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 歌詞に出てくる鎌倉の名所。写真左より七里ガ浜若宮宮鎌倉宮英雄墓建長寺
 唱歌「鎌倉」参照)
浜田省吾/紫陽花のうた -HYDRANGEAS IN KITAKAMAKURA-(1996)

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 下図の通り、ハイキングコースは幾つもあり、主にお寺巡りが楽しめる。自分は北鎌倉駅から鶴岡八幡宮まで歩いたことがある。
 
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  6月に入るとあじさいの季節であるが、こんな時期にうってつけのルートがある。上図では赤で囲ってあるところだ。鎌倉のアジサイ(あじさい・紫陽花)散策概要参照)
 
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イメージ 7 北鎌倉駅周辺のアジサイは、別名「アジサイ寺」として有名な明月院(写真)を中心に、アジサイが咲いている寺を巡り、鎌倉駅に出る2~3時間のアジサイ散策コース。なお、この時期は花ショウブ、イワタバコも見られる。とても混んでいるので注意を。
縁切寺・東慶寺
 
イメージ 8 このコースにある東慶寺(写真)は、縁切寺(駆込寺)として知られる。
 江戸時代において夫との離縁を望む妻が駆け込み、寺は夫に内済離縁(示談)を薦め、調停がうまく行かない場合は妻は寺入りとなり足掛け3年(実質満2年)経つと寺法にて離婚が成立する。なお、寺入りした女は寺の勤めをするが尼僧になるわけではない。
 
 江戸幕府公認の縁切寺は鎌倉・東慶寺と、群馬・満徳寺2寺だけだが、人口の多い江戸からは東慶寺の方が距離が近いため駆込む女は東慶寺の方が多く、江戸末期の150年間で2000人を越える女が駆込んだであろうと言われている。(Wikipedia参照)
 奇しくも、昨日の5月16日(土)から全国ロードショーが始まった「駆込み女と駆出し男」は、井上ひさし晩年に11年をかけて書き上げた時代小説「東慶寺花だより」を映画化。
 
イメージ 9 幕府公認の縁切寺として有名な鎌倉にある東慶寺を舞台に、夫との離縁を求めて寺に駆け込むじょご(戸田恵梨香写真左)やお吟(満島ひかり写真右)らに、見習い医者で駆け出し戯作者の信次郎(大泉洋写真中)が奇抜なアイデアで新たな出発を手助けする…というストーリー。
 そして、この歌。
 
グレープ/縁切寺(1976年)
 
 今日鎌倉へ行って来ました 二人で初めて歩いた町へ 今日のあの町は人影少なく 想い出に浸るには十分過ぎて 源氏山から北鎌倉へ あの日とおなじ道程で たどりついたのは 縁切寺
 ちょうどこの寺の山門前で きみは突然に泣き出して お願いここだけは 止してあなたとの 糸がもし切れたなら 生きてゆけない あの日誰かに 頼んで撮った 一枚切りの一緒の写真 納めに来ました 縁切寺
 君は今頃 幸せでしょうか 一度だけ町で 見かけたけれど 紫陽花までは まだ間があるから こっそりと君の名を 呼ばせてください 人の縁とは 不思議なもので そんな君から 別れの言葉 あれから三年 縁切
鎌倉のお土産
 
イメージ 13 おっと、忘れていた。お土産で忘れてはならないのが「鳩サブレー(写真)だ。
 
 バターの風味がバッチリ効いていて、牛乳やコーヒー、紅茶などとの相性もバツグンな明治生まれの焼き菓子。発売元の豊島屋は、鶴岡八幡宮のすぐ側に本店を構える1894年創業の老舗。
 
 ちなみに、サブレーの形は、八幡様のお使いが鳩とされていることに由来しているそうだ。