全国の都市で「緑区」は、発足の古い順に、名古屋市(1963年4月1日)、横浜市(1969年10月1日)、千葉市(1992年4月1日)、さいたま市(2003年4月1日)、相模原市(2010年4月1日 )と、5市にある。
そのうち、神奈川県には自分の住んでいる横浜市と、相模原市の2市にあるが、何となくネーミングが安易なような気がする。
相模原市の沿革
相模原市は、市制施行の1954年に市となり、2006年の津久井郡津久井町・相模湖町の編入と、2007年の津久井郡城山町・藤野町の編入に伴い、人口は70万人を超え、全国で第18位の市となった。
そして、2010年4月1日を以て政令指定都市に昇格し、2009年に移行した岡山市に次ぐ19番目の政令指定都市(緑区・中央区・南区の3区制)となった。これにより、神奈川県は全国で唯一の3つの政令指定都市を持つ都道府県となった。
旧市域は概ね3地区に分けられている(橋本を中心とした北部地区、相模原駅付近・中央地区を中心とした中部地区、相模大野を中心とした南部地区)
JRと小田急にある「相模原駅」
その相模原市にはJR横浜線の「相模原」駅と、小田急線の「小田急相模原駅」がある。
ところが上図で分かるように、どっちも同じ相模原駅なのに随分離れている。片方に行くには電車で40分~50分もかかり、待ち合わせの場所を間違えると、とんでもないことになる。
駅としてはJR横浜線・相模原駅の方がメジャーで、快速が停まる。小田急相模原駅は、別名「オダサガ」と呼ばれ、急行は停まらない。
そのJR相模原駅の周辺で、大がかりな再開発が計画されている。
JR相模原駅周辺の大型再開発
2014年10月1日、相模原市中央区の在日米陸軍基地・相模総合補給廠の一部返還(約15ha)が決まり、同時に住宅などの建物125棟を含めて返還される見通しとなった。(下図)
同市は返還区域の北側に隣接する「西側野積み場」のレクリエーションゾーンと、日米共同使用区域について、首都圏南西部の防災拠点としての利用を計画。JR横浜線相模原駅脇の返還区域には、コンベンション施設、行政機関、商業施設などが設けられる予定だ。
また、小田急多摩線が同駅まで乗り入れる際に、軌道敷地に予定される旧県道用地(約2ha)が返還されたことで、延伸計画の障害が取り除かれ、その実現に弾みがつくことになった。
これらが実現すれば、同市では過去最大規模の開発で、相模原の街を大きく変えることになる。(右図)
さらに、同市はJR東海が2027年に予定するリニア中央新幹線(図)の開業に伴い、JR橋本駅脇の県立相原高校敷地に設置される中間駅(仮称・神奈川県駅)と返還区域との整備を同時に進め、「さがみはら新都心」の形成を図る計画だ。
返還が決まったことで、橋本駅と相模原駅脇での一体的な新たな街づくりに向け大きく踏み出した。同線の相模原駅周辺は今は線路で分断されているが、返還地と市街地を面的につなげることが出来るようになった。
ところが、新都心づくりの開発効果を上げるための最大のネックとなっているのが横浜線だ。市は今年度から橋本-相模原-矢部駅間(約5km)で地下、高架を合わせた連続立体交差化に向け、地盤や環境などの調査を始めた。
地下化には高架構造の倍以上の費用がかかるため、市はJR東日本と調整。相模原駅周辺だけを地下化するか、橋本-矢部駅間までを地下化するか、2015年度末までに結論を出すことにしている。
ところが、新都心づくりの開発効果を上げるための最大のネックとなっているのが横浜線だ。市は今年度から橋本-相模原-矢部駅間(約5km)で地下、高架を合わせた連続立体交差化に向け、地盤や環境などの調査を始めた。
地下化には高架構造の倍以上の費用がかかるため、市はJR東日本と調整。相模原駅周辺だけを地下化するか、橋本-矢部駅間までを地下化するか、2015年度末までに結論を出すことにしている。
また、相模原駅では小田急多摩線の延伸でできる新駅が地下になり、横浜線と接続することから、現在地上にあるJR相模原駅も地下化する方向で検討されているという。
相模川
相模川は、相模原市を象徴する川であり、相模原市を貫く大動脈のような存在だ。
山梨県南都留郡山中湖村、富士五湖の一つでもある山中湖を水源とする。
富士山北麓の水を集めながらまず北西に流れ、富士吉田市で北東に折れる。都留市を経て大月市で流路を東に変える。
相模湖と津久井湖(ともに相模原市)という2つのダム湖を経て、ゆるやかに進路を変え、厚木市からは南にまっすぐ下り、神奈川県中部を貫き、平塚市・茅ヶ崎市の境付近で相模湾に注ぐ。(図)
相模川は、古くから「あゆ川」と呼ばれているように鮎釣りの名所としても知られ、夏には多くの釣り客でにぎわいう。
また「相模湖」「津久井湖」付近には、キャンプ場などの家族連れや団体に最適なレジャー施設がたくさんあり、ハイキングコースは、四季折々の花木が訪れる人々を楽しませてくれる。(写真)
そして、戦後にかけ総合的な河川開発事業が進められ、相模ダムにより形成された相模湖、城山ダムにより形成された津久井湖と、中津川に建設された宮ヶ瀬ダムにより形成された宮ヶ瀬湖は導水路によって連結され、相互に水を融通しながら寒川取水堰や相模大堰などより取水され、県西部を除く神奈川県の各都市(横浜市、川崎市、横須賀市、相模原市、鎌倉市など)の水がめとして、相模川は重要な位置を占めている。
○泳げ鯉のぼり相模川 (写真)
2015年4月29日~5月5日実施。
たくましく立派な子どもに成長することを願って、相模川の空に約1200匹の鯉のぼりが群泳する。
○相模の大凧まつり (写真)
2015年5月4日~5月5日実施。
子どもの誕生を祝い、また豊作を祈願し、江戸時代から伝わる伝統行事。「相模の大凧」の魅力は、大きさと題字。一番大きな凧は8間(約14.5m)四方の大きさになり、重さ約950kg、引き綱の直径は約4cm、 長さは200mもあり、凧揚げには80~100人の人手が必要になる。100人による壮大な凧揚げには自然と観客から大きな声援があがる。
また、大凧に書かれている2文字の題字は、その年の世相を反映したものになっており、平成8年(1996年)からは広く相模原市民から募集するようになった。
続く