映画「関ケ原」 | 小川村塾ブログ

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映画「関ケ原」を観ました。


映画が終わった後、席を立つと前の方で「何が何だか分からなかった。」
と連れの人に言っているのが聞こえた。

 

これがこの映画の感想のすべてなのかもしれない。

 

司馬遼太郎の原作を読んでいる人、読んでいない人、
ともに不満が残る映画だったのではないのか。

 

現在、NHKテレビで放送している土曜時代ドラマ「悦ちゃん」においての
パパママソングがチチハハソングに替えられたのと同じ気持ち。
ドラマを観ていない人には分からないことだけれど。

 

原作を読んでいる側の自分は、こうまで原作と違うなら、それなりに面白くして、と願った。

話の進行は原作と同じようにするので、話の断片断片をつなぎ合わせた感じになってしまって、何が何だか分からない。

 

関ケ原の戦いについて歴史認識をあらかじめ持っている人なら良いのかもしれない。
でも、そんな人ばかりではない。

 

旗印でどこの軍なのかなんて分からない。
今、西軍、東軍のどちらが勝っている状態なのか画面やセリフでなんて分からない。

 

それが普通じゃないのかな。
でも、そんな人には画面を観ていて何が何だか分からない。
となってしまうのではないのか。

 

原作を読んだ人には、あの話をこんなふうにしてしまったんだ。
と思うかもしれない。

 

そもそも長い話を2時間半くらいにまとめるのだから、人、場面を絞って、描くのが良いのではないだろうか。
そこところを集中させて描くようにしないと感動が生まれにくい。

映画を観る時、登場人物に感情移入できると感動しやすい。
今回はあまりにどれも表面的になっていいるので感情移入できない。

原作を変えるとしても、そんな解釈の仕方があったのか、
と観る側が感心するような変え方をしないとならない。

歴史の授業で記録映画を観ているのとは違うので、映画はある程度史実に沿って、後は自由な解釈で面白く作ってくれればよいと思う。

面白くするためには、戦闘ものでは登場人物の死にざまの描き方が重要になる。

登場人物の死に臨む姿勢をはっきり表わさなければならない。
このシーンはやはり必要だと思っている。

本当はそんな死に方ではないと言われても、その人物の人となりを表す死に方が必要だ。
生から死への区切りをしっかり表すことにより、人物の生き方が分かる。
そんな死のシーンがこの映画は少ない。

映画に期待していたので、原作まで先に読んで臨んだのに。

映画「桜田門外ノ変」は面白かったので、観た後に原作もすぐに読んでみた。
どちらも面白かった。

そのくらいのレベルはいくと思っていたのに、今回はそのようにはいかなかったようだ。

残念。