残念なことだけれど、世の中は弱者と強者でできているようだ。
しかも、弱者はまた他の弱者の強者にもなりえる強者予備軍でもある。
老人、障害者の方などは弱者に分類されるだろう。
弱者は多くの人の援助が必要だ。
老人などは、体が不自由になってくると、自分の力でできることが少なくなってきてしまう。
それは、人に頼んで、してもらうことが多くなることを意味する。
すると、どうしても頼む人の都合に合わせることになり、頼む人の顔色をうかがうことになる。
必然的に弱者の立場になってしまう。
このことは身体に障害を持っている人にも当てはまる。
自分ひとりでできないことだから、人に頼んでしてもらう。
そのことが、弱者の立場にしてしまう世の中ならば、それは間違っている。
そんなことは、みんな分かっている。
でも、恐ろしいことは、弱者の手助けをしようとして、いつの間にか弱者に対して、強者になってしまうことがあることだ。
老人、障害者の方などに親切にしようという気持ちは、みんな持っている。
ただ、実際に接してみた時に、いたわりの気持ちが消えてしまうことがある。
そのことには注意しなければならない。
いたわりの気持ちがなくならないようにするためには、他人を思う気持ちをいつも持ち続けることだ。
これから日本は、今以上に高齢化社会になっていく。
つまり、弱者の集まりの国になっていくということだ。
弱者が住みやすい国に、日本はならなければならない。
弱者が強者になってしまう国ではいけない。
弱者と強者という言葉が当てはまらない国になっていかなければならない。
弱者と強者がいない国というのは成り立つのだろうか。
意識のうえだけでも、弱者と強者はなくしたいものだ。