このシリーズは今回で終了します。
これまで過去のトラウマは悪いもの、と言う見方でお話してきました。しかし、「トラウマ」とか「心の傷」そのものが悪いわけではありません。それにとらわれるのが良くないのです。
ここでは全く逆の発想をしてみましょうか。
画像 ベネッセ教育情報 うざい、きもい、反抗期とは
子供は弱いものです。特に虐待とか受けなくても、子供はいつも傷ついています。しかし反面、かなり深い傷からも回復できる「復元力」を備えています。
成長の過程で、親を憎むということは、ある意味健全です。たいていの子供は「親にうんざり」しているものです。親を邪魔者扱いしたり、距離を置こうとするのは、誰もが通る正常な成長過程だともいえるでしょう。
こうした「親離れ」、「子離れ」は、子供が独り立ちしていくためには、欠かせないものなんです。そうでなくては、子供は精神的に成長することが出来ません。
画像 マイベストプロ 西岡恵美子 過去のトラウマを乗り越える
成長の過程で傷つくこと、親への憎しみ、それはある意味成長の糧となりえるものです。不快な経験があるから、心の器を大きく広げていけるんです。心に傷があるからこそ、他者の苦しみを理解できるのです。
神経質者の会も、ある意味傷ついたもの同士が、慰め合い、励まし合うことで、それぞれが成長できるのです。「傷の舐めあい」でもいいじゃありませんか。私たち神経質者はつらさや悲しみをしっかり経験しているからこそ、喜びや楽しみも人一倍感じられるのです。
ACや心的外傷を悪者扱いばかりしていると、せっかくの人生の豊かさを覆い隠してしまうような気がするのです。
参考・・・「悩むあなたのままでいい」、「くよくよするなと言われてもくよくよしてしまうあなたに」