悪口を言われます!・・② | 神経質逍遥(神経質礼賛ブログ)

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「悪口」は人間の性のようなものですから、無くすことは出来ません。出来るのは悪口の影響を最小限にすることです。昨日示したような、「相手にしない」、「無視する」と言った手立てが有効です。

「相手にしない」、「無視する」とは、言い換えれば、「反応しない」、「受け取らない」と言うことです。ここでお釈迦様の逸話を紹介します。

 

ある日一人のバラモンが、自分と同じ姓のバラモンがお釈迦様の弟子になったことを知りました。プライドの高いバラモンはこれが許せません。早速ものすごい剣幕でお釈迦様の所に押し掛け、弟子が大勢いる前で、言葉の限りを尽くして非難中傷を浴びせました。周りには緊迫した空気が漂いました。

 

          画像 bdk.or.jp 仏教聖画 説法する釈尊

 

ほとぼりが冷めたころ、お釈迦様は、静かにこう返しました。

「バラモンよ、あなたが振る舞ったごちそうを客が食べなかったら、それは誰のものになるか?」

質問されれば、答えなければなりません。バラモンは答えました。

「当然、私のものになる」

「あなたはその食事をどうなさるか?」

「もちろん自分で食べるだろう」と、バラモンは答えました。

 

するとお釈迦様はこう言いました。

「もし罵るものに罵りを、怒るものに怒りを、言い争うものに言い争いで返したならば、その人は相手の食事を受け取り、同じものを食べたことになる。

私はあなたの差し出すものを受け取らない。あなたの言葉はあなただけのものだ。さっさと持って帰るがよい。」

 

ここで食事とは、バラモンがぶつけてきた言葉です。もし相手の言葉に反応して言い返せば、自分も同じ反応をした、つまり、同じ食事をしたことになってしまう。だからお釈迦様は「受け取らない」と言ったのです。お釈迦様は、普通の人が腹を立てるようなことを言われても、「無反応」で返しました。「苦しみの無い心」が目的なのに、「心を乱されることで味わう苦しみ」は無意味であると、知っていたからです。

本当の勝利とは、喧嘩に勝つことではなく、「反応しない、受け取らない」と言うことなんですね。

 

参考・・・「お釈迦様の言葉」、「反応しない練習」