私たち神経質は、常に自分の欠点を探し求めているようなところがあります。そして、マイナス面に気づくと、すぐ「自己嫌悪」して落ち込んでしまうのです。いったい何のための「欠点探し」かわかりません。
こうなってしまう大きな要因は、もちろん欲求水準と現実との隔たりが大きいためですが、それだけではありません。
私たちは他者と比較するのが大好きです。大好きと言うよりも、そうしないと不安で仕方がないのです。よく「他者と比べず過去の自分と比べよ」なんて言われますが、私たちは過去の自分をつぶさに覚えているほど、頭が良くはありません。なので私たち単独では、評価の基準を持つことが出来ないのです。
画像 まるまるリズム感 他人と比較をしない
だから他者と比較します。公平に比較するのならまだしも、他人の良い面と自分の良くない面を比較するのですから、常に「負け戦」になります。そうしてますます「自分はダメだ」と落ち込んでしまいます。
神経質者にとって他人はスーパーマンか聖人君子です。しかしスーパーマンや聖人君子でも、内面は複雑な葛藤や感情を抱えているものです。
心の中は悩みで一杯であっても、うまく自分を活かすことが出来ているのです。だから一見悩みなんて全くないように見えるのですね。それでなくても神経質は対人関係の経験が浅く、共感力に乏しいところがあります。だから相手の心の中まで思いやることが出来ず、外側のきらきらした部分だけを眺めて、ただひたすら落ち込んでしまうのです。
自己嫌悪をするなとは言いません。自己嫌悪する時は思いっきり自己嫌悪してください。そんな自分もひっくるめて受け入れられるようになってくると、他者に対する共感や愛情も生まれてきて、さらに人間を比較することの無意味さも、理解されてくるでしょう。そもそも様々な価値観や多様性を秘めた人間同士を単純に比較しようとすること自体が、不可能なのですね。
参考・・・「悩むあなたのままでいい」、「流れと動きの森田療法」