「どうする」主義とは? | 神経質逍遥(神経質礼賛ブログ)

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何のとりえもない平凡で臆病者の神経質者が語る森田的生き方ブログです。

まずは、森田先生の言葉を紹介します。

「対人恐怖が治ったという人が、治る前はなるべく人前に出ないようにし、治ってからは、なるべく人前に出るようにしているという話があった。いずれの場合も「どうする」主義のなせる業で、これではいつまでも治ったことにはならない・・・」

 

            画像 line store どうする家康

 

私がこの文章に出会ったとき、まさに自分のことを言われているような気がしたのです。森田先生のおっしゃるように、自分も対人恐怖がひどい時には、なるべく人に会わないように、常に取り計らっておりました。前から知人が歩いてきたら、さっと近くの店に避難するというありさまでした(笑)。

 

しかし、これではいけないと感じた私は、不安のままに、なるべく人前に出るように仕向けてみたのです。パーティや飲み会にはなるべく出席する。人に会う時は自分から挨拶する。と言った課題を自分に課しました。

当時は何と画期的な方法だろうと思っていたのですが、結局どちらも「こうするべき」と言う考え方にとらわれた「どうする主義」に過ぎなかったんですね。

 

前に、参加者を型にはめたがる話をしました。そういう自分に気づいたとき、「ああ、また型にはめようとしている。そんな考えはやめよう!」とスローガンを立ててしまうと、それもやはり「どうする主義」に陥ることになるんですね。型にはめることがすべていけないのではなく、いろんな場合があるのに、「どうする主義」になってしまうと、臨機応変な対応が出来なくなってしまうんです。

 

だから自分の場合は、ただ、自分には型にはめたがる傾向があるなぁ‥と言うことを心にとめておいて、その場その場で対応するようにしています。後は・・・そうです。心に備わっている「自然良能」にお任せするんですよね。

さて、森田先生はその後どのように述べているのでしょうか。

 

          画像 ディーキャリア 融通が利かない人

 

「・・ただその時その場合に応じて、相手に対して心を向けておればよい。」と締めくくっています。少し難しいですね。つまり、

「叱られた時はびっくりし、褒められた時は喜ぶ、問われれば答え、無駄口はたたかない。このようにその時々にぴったり適応すればよいのだ。」と言うことなんです。

 

神経質はいたずらに「恥ずかしがってはいけない0、「大胆であらねばならない」」などの主義主張に陥りやすい傾向があります。ある意味とても強情で頑固ですから、臨機応変な対応が出来ないのです。

神経症が治ってくる時はじめて、心の動きがその場その時に応じて、臨機応変、自由自在になるのですね。

 

参考・・・「悩むあなたのままでいい」、「森田正馬全集5巻」