一段ずつ上っていく・・① | 神経質逍遥(神経質礼賛ブログ)

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何のとりえもない平凡で臆病者の神経質者が語る森田的生き方ブログです。

認知行動療法に「暴露法」と呼ばれる手法があります。端的に言うと、その人が恐れているものや状況などに、わざと突入させ、その状況に慣れさせて、少しずつ不安や恐怖心を軽減していくというものです。

その際に利用するのが、「不安階層表」と言われるものです。

「不安階層表」とは、その人の主観で不安や恐怖に対して点数をつけ、ランキングにしたものです。

例えば下記の表は、「対人恐怖」で人前で話をするのに不安を感じる人の「不安階層表」になります。「暴露」を行うには、まずその人が比較的不安の程度が弱いもの(得点が低いもの、下図なら、知らない人との挨拶)から、少しずつ慣らしていくのが、最も負担の少ない方法だと言われています。

 

宿泊学習も無事終えて、朗らかな顔で帰ってきたともちゃんとあいちゃんとたすく君です。出かける前にあれだけ不安だったことも、実際にやってみると大したことではなかったり、やってみれば意外と何とかなるものなんです。これが実感できれば、もう不安に飲み込まれることなく、いろいろなことに挑戦できるようになると思いますよ。

そこで例の三人も、今まで不安が強くてできなかったこと、本当はやってみたかったことを、目標として書き出し、チャレンジすることにしたそうです。

さらにその先には「未来の自分」も想定しました。今から20年後、30年後はどんな大人になっていたいか、それぞれ考えてみました。一人ずつ紹介しますね。

 

【ともちゃんの場合】

今の不安 → 初めての事やアクシデントが心配

今の目標 → クラスのお友達とお泊り会をしたい

未来の自分 → 動物病院のお医者さん!

【あいちゃんの場合】

今の不安 → 人付き合いの事、人の目が気になる

今の目標 → 自分の好きなこと、苦手なことをはっきり主張できるようになる事

未来の自分 → 自立したかっこいい女性になりたい

【たすく君の場合】

今の不安 → うまくできないことや、失敗が心配

今の目標 → 子供将棋大会に挑戦したい!

未来の自分 → 出来たら建築家になりたい!

皆さんもいろんなことに挑戦できるといいですね。

 

さて、目標を立てたら実践です。実践は確実に一歩ずつ、進んでいくのが一番の近道です。森田療法でも「理想は高く、実行は小刻みに、小さな成功を積み重ねること」が大切だと言っていますよ。

具体的には、「階段」を意識してみましょう。階段の第一ステップは、自分が最も取り組みやすいもの、成功の確率が高いものにしましょう。とにかく自信をつけるには、一つでも多くの成功体験を積み重ねることなんですよ。

ここでは「ともちゃん」の例を用いて、どのように目標設定していくか、学んでいきましょう。

ともちゃんは、「クラスでお泊り会をしたい」ことが目標なんだけど、いきなりの「お泊り会」は不安ですよね。そこで出来そうなところから少しずつ自信を養っていくんですね。

 

 

ともちゃんの第一ステップ。それは「お友達の家に遊びに行くイメージを描く」ことにしました。結構緊張しますね。不安の得点は「20点」でした。

第二ステップは、「仲良しのお友達を、おうちの夕食に誘う」ことにしました。いきなり泊まりに来てもらうのは緊張するから、まずは夕食から。

不安の得点は「40点」でした。

第三ステップは、「仲良しのお友達のお家で夕飯をごちそうになる」にしました。自分のうちより友人のうちの方が緊張しますよね。

不安の得点は「60点」でした。

第四ステップは、「仲良しのお友達に、泊まりに来てもらう」です。いよいよ「お泊り」の始まりです。仲良し一人なら、何とかなりそうです。それでも不安の得点は「80点」でした。

 

そしてゴールです。

もちろん「みんなでお泊り会をする」です。最初はすごく不安だったけど、少しずつ挑戦して自信を付けて行けば、意外と怖くないものですね。

不安の得点はもちろん「100点」でした。

いかがですか? ぜひ君たちもやってみましょうね。次回も別のお友達のチャレンジを紹介しますよ。

最後に「階層表」を書く時のポイントです。

〇「ちょっと頑張ればできる」と思えることを選ぶ。

〇無理なくできることから始める。

〇一番やってみたいことをゴールにする。

〇不安の点数が低い順に書き込もう。

 

参考・・・「不安、心配にサヨナラしよう」、「自分で出来る認知行動療法」