三項随伴性とは!?④ | 神経質逍遥(神経質礼賛ブログ)

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今回は長文になりそうなので、コグトレはカットいたします。

まずは、今まで学んだことを、簡単に振り返ってみましょう。

行動には「オペラント行動 = 操作された行動」と、「リスポンデント行動 = 反応としての行動」の二種類がありましたよね。

ABC分析とは、それぞれA(先行刺激)、B(行動)、C(結果)に当てはめて分析することでした。つまりA(こんな時に)、B(こんなことをしたら)、C(こうなった)と言う風に評価していくわけです。

問題行動を変えていくとき、目標とする行動は可能な限り具体的であることが重要です。後で詳しく述べますが、客観的に数えられること、だれからもわかりやすい内容であること、などが必要とされるのです。

例えば、「もっと勉強しなさい」ではなく、今30分しかしないのならば、「1時間頑張りましょう」と言った具合です。

 

 

「三項随伴性」の説明の時に、それらとは別にセッティング事象も併せて考慮することを「四項随伴性」と言います。

セッティング事象とは、例えば生物的要因では、「不眠、空腹、性格、疾病」などがあげられます。後で述べる「発達障害」など生物的要因としても考慮に入れたいところです。社会的要因として「集団規範、相互作用など」があげられます。さらに物理的要因として「騒音、暑さ、寒さ、スケジュール」などがあげられます。

もしかすると経験された方もおられるのではないかと思いますが、発達障害などのペアレントトレーニングでは、「行動」を三つに分けることをしているようです。それは①増やしたい行動、②減らしたい行動、③なくしたい行動、となっているようです。

 

まずは基本的なことです。子供の行動を変えるには、まず子供に対する先入観と言うか、レッテルをはがして客観的視野で行動を観察することです。

そして「あれもこれも」観察するのではなく、今回はこれを変えてみようという風に「一つの行動」にのみ焦点を当てることが重要です。それもできる限り、「具体的な行動」を取り上げることが、成功の秘訣でもあるのです。

先ほども言ったように、「勉強できるようになろう」ではなく、「5問解けるようにしよう」とします。「体育が出来るようになろう」ではなく、「逆上がりが出来るようになろう」とするのです。

その子供を知らない人でも理解できるように、具体的に数えられること、結果が「見える」ことが大切です。

ただ、「頑張る」だけですと、その具体的な中身や内容は、子供によって異なることになってしまいます。これでは客観的とは言えません。

 

 

それでは、行動を変えていくプロセスについて、説明していきます。まずは①困った行動や問題行動をリストアップすることです。次に②介入の優先順位を決める、③行動を具体的に書く、④目標とする行動を決める、⑤行動の機能を知る、⑥行動のデータを知る、⑦行動介入計画シートを作成、⑧介入開始、⑨介入効果をチェック、⑩もし効果が出なかったときは、目標設定や行動データの正確さ、介入プランの妥当さ

等をチェックしていきます。

困った行動のリスト化について、触れておきます。

〇多すぎる行動・・思い通りにならないと騒ぐ、部屋に穴をあける

〇少なすぎる行動・・順番を待つ、部屋を片付ける

介入の優先順位について、考えます。

危険性がある→破壊性がある→崩壊性がある→他者への不快感がある→発達的な不適切さ

 

行動を具体的に観察します。

「友達を傷つける」では、よくわかりません。「数学の授業で、前の席の女の子の髪の毛を引っ張る」とすれば、だれにも理解できます。

さらに、「席を離す」、「ほかの事に注意を振り向ける」などの対策も立てやすくなります。

目標とする行動を決めます。

基準・・子供にも大人にもポジティブなコスパに合ったものにします。つまり、ほんの少しの労力で、他の行動にも良い影響をもたらすものを考えます。

例えば「ゲームを5時間我慢する」のは不可能ですが、「1時間」くらいならできそうじゃないですか? その時間を建設的なことに振り向けることもできますよね。

 

課題の分析では、あくまでも目標行動を細分化することが大切です。

例えば、歯磨きをしない子供に、歯磨きをさせるとします。しかし何も無い状態から「歯磨きしなさい!」と言ってもダメです。

例えば第一段階・・歯ブラシを持つ

第二段階・・口を開ける

第三段階 ・・歯ブラシを口に入れる

第四段階 ・・ 下あごに当て、ブラシを動かす

最初の段階はお母さんが手伝ってください。そして最後の過程のみやらせてみるのです。そしてうまくできたら褒めてあげることを忘れないでください。「出来た」と言う実感と成功体験を子供に与えることが大切なのです。

 

 

行動の機能を知る。これは昨日も説明しましたが、重要なのでもう一度説明します。

注目・・自分に注目してほしい、自分を認めて欲しい

逃避、回避・・その場から逃げたい

要求・・何かが欲しい、して欲しい

感覚刺激・・その行動をするのが楽しい

行動のデータを取ること。これも客観的具体的にです。

客観性・・うちの子は良くゲームをする×、うちの子は一日5時間ゲームをする〇

効果の判定・・うちの子はゲームをするのが減った×、うちの子はゲームは一日30分以内になった

行動の回数、頻度、持続時間、行動が起こるまでの時間、などに注目してデータを取ると、具体的なデータが取れると思います。

 

最後に行動介入計画の作成です。

少なくて困る行動はABCのCにアプローチ。即時強化(すぐ褒める)、連続強化(毎日褒めてあげる)あるいは細分化して行きましょう。

Aにアプローチの場合、特に自発的行動が出ないとき、環境調整(テレビを消す)や、行動のヒントを与えることも大切です。

多すぎて困る行動を減らすには、Cにアプローチします。

分化強化法・・ある行動だけ強化する

代替行動分化強化法・・課題が出て騒いでしまう→「難しくてできません、教えてください」と先生に伝える。

対立行動分化強化法・・一緒に遊んでいた弟を突き飛ばした→ママの食事の手伝いをさせる(注目されたいという機能がある)

その他の手法

消去・・欲しいものが手に入らないと子供が騒ぐ→知らん顔ををする(消去バーストに注意)

タイムアウト・・好ましいことにアクセスさせない、そうした環境に置く。

 

以上、まだまだお伝えしたいスキルはあるのですが、もっと詳しく知りたい方は、是非「応用行動分析」などで検索して理解を深めてくださいね。

次回から演習問題をいくつか解いてみましよう。