『人と仲良くするにはどうすればいいですか?』
と聞かれたら、答えはひとつです。
『目の前の相手を、出来る限り褒めてあげてください』
効果はてきめんです。なぜなら褒めてくれる人を嫌う人は居ないからです。
ですが、普段褒める習慣のない人にとって、褒める事は至難の業です。一時間くらい考えて、やっと一つか二つでしょうか?
『なぜ、夫は変わらないのか?』
と言う永遠の課題(大げさ?)があります。夫が変わらないのは、奥さんが褒めないからです。なぜほめないかと言うと、夫が褒めてくれないのに、自分が褒めなければならない理由がないからです。
人は褒めることでがらりと変わります。特に男性は変わります。
ある文豪の言葉です。
『男はホメ言葉一つで、2ヶ月は生きていける。』
ホメ言葉に飢えているんですね。
褒めるには、コツがいくつかあります。
まず、『相手のちょっとした変化を認めてあげる。』
奥さんに対し、『あれ、美容院行った?』
『キレイになったよ』はOK
ただし、『前はひどかったけど・・』などの余計な事は言わない事。
それから、
『相手の外側よりも、内面に関心を持つ』事。
美人にいくら『美人ですね』と言っても褒めたことにはなりません。
『才能』よりも『努力』を褒めましょう。
『かわいいと言われるよりも、あなたの演技に感動したと言われる方が、何倍も嬉しい』 by 堀北真希
では、子供の場合、どのように褒めればよいのでしょう。
褒めることの難しさは大人も子供も変わりません。普段褒めなれていない人は中々リソースを見つけ出すのも大変です。そういう人のお勧めの方法があります。それは、全体を褒めるのではなく、部分を褒めることなんです。
例えば子供の日記を見たとき、文字の雑さや字の間違いが目に付きますよね。それを叱るのではなく、褒められる部分をなんとしても『見つけ出す』のです。
偶然でも良いですから、比較的良く書けている文字や、相対的にマシな文字を見つけ出します。ひどい字や誤字脱字には目をつぶり、褒められる字にはピンポイントで褒め、一つ一つはなまるをつけてあげるのです。
また気持ちが正直に書けている部分や、面白い表現のところも見つけ出して褒めてあげます。コレを続けていきますと、日ごとに文字はきれいになり、表現も上手になっていきます。
『ちゃんと書きなさい』
と言う必要はなくなります。自然にそうなるのです。もしどうしても直させたいところがある場合、沢山褒めてから一番最後に、『じゃあ、ここだけ直そう』と言えば、喜んで直してくれるでしょう。ただし余り欲をかかずに、少なめにしておきましょうね。
他の教科でも同じです。算数の場合、例え正解でなくても、式が書けた、図を描いて考えた、筆算は合っていた、繰り下がりがきちんと書けた、など褒められる部分を出来るだけ見つけてあげて、それを褒めてあげましょう。
勉強だけではありません。
子供の絵を一瞥して、『下手だなぁ』と思うかもしれません。でも細部に注目すれば、『山の色がきれいだね』、『この猫、かわいく書けてるね』、『脚が逞しくて迫力があるよ』などと褒められます。
野球の試合の後は、例え負けても、『思い切りバットが振れたね』、『全力で走る姿がかっこよかったよ』、『大きな声が出ていたね』等と褒めてあげます。
性格や行動でも同様です。至らない部分や苦手な部分には目を瞑り、褒められる部分を褒めてあげるのです。
けれど実際には、褒められる部分に目を瞑り、至らないところを見つけ出しては叱っている親御さんがほとんどです。親がこのようにあら捜しの名人ですと、子供はたまったものではありません。
この『部分褒め』はあらゆる相手や状況において有効と思われます。中々人を褒められないと言う人は、冒頭に書いたテクニックとともに、是非実践なさってくださいね。
参考・・・『親野 智可等』講演会より