知らな~い・・ | 神経質逍遥(神経質礼賛ブログ)

神経質逍遥(神経質礼賛ブログ)

何のとりえもない平凡で臆病者の神経質者が語る森田的生き方ブログです。

神経質症になる要因は、さまざまなものがあります。

その一つが『知らない』事です。もっと正確に言うと、『人間性に対する無知』です。

『人間性に対する無知』から、『誤った認識』が生まれ、さらに『誤った対処行動』につながってしまうのです。そうして自ら症状をますます辛いものにしてしまうんですね。

 

 

もっともこんな事は誰も教えてくれません。下手に受験に備えた詰め込み教育をするより、たとえば中学生あたりから、『人間性に対する無知』について教えた方が、どれだけ神経質者のためになるか分かりません。だって前もって分かっていたら、無用な苦しみを積み重ねる必要はなかったのですから。

まあここで、そんなことをぼやいてみても何にもなりませんけどね。

 

さて、パニック障害についても、『無知の苦しみ』と言うものがあるのだそうです。何に対する『無知』なんでしょうね。

Aさんは高校教師です。仕事は多忙を極め、それでなくとも受験生を抱えたクラスを任され、下手に学校行事を優先しようものなら、親が怒鳴り込んでくる始末です。

 

ある日、授業中に突然動悸に襲われ、授業が出来なくなってしまいました。保健室に連れて行かれるも動悸は治まらず、『死ぬのではないか』と言う恐怖に襲われ、錯乱状態にまでなってしまいました。

大学病院で精密検査を受けたものの、異常なし。薬を処方されたものの、Aさんは『また発作が起きるのではないか』との不安が消えなくなってしまいました。

 

 

さて、ここで皆さんに質問です。

Aさんはなぜ、死を意識するほど取り乱してしまったのでしょうか。

それはパニック障害の発生するメカニズムをまったく理解していなかったのが原因なんです。つまり『無知』ですね。パニック障害は心臓や呼吸器の異常ではなく、自律神経の疲弊から起きると言うことを、知らなかったのです。知らないと言う事は、即恐怖につながってしまいます。

 

もしAさんが発生メカニズムについて正しい知識を持っていたとしたら、死を意識するほどの不安にはならなかったでしょう。つまり、知らないと言うことが、誤った認識を生み、それが『誤った対処行動』につながってしまい、無用に不安と恐怖を募らせてしまったのです。

もちろんこれは、Aさんの責任ではありません。

 

神経質症の場合は、誰も教えてくれなかったのが原因ですが、パニック障害の場合は、医師の説明不足が原因です。おそらくAさんを担当した医師は、『あなたはパニック障害です』としか言わず、あとは薬を出すだけだったのでしょう。

もしいずれかの時点で、『あなたの発作は、自律神経の疲れが原因です』と説明し、さらに、『発作は死に至るようなものではなく、つもり積もったストレスがあなたの自律神経を疲弊させ、それが過剰な興奮を引き起こしたものである。』等と説明できていたら、Aさんも落ち着いて診療を受けられたことでしょうね。

 

参考・・・『自分で治すパニック障害』、『パニック障害は必ず治せる』