ストレスを語る上で、この言葉をはずすわけには行かない。
『無名兵士の詩』と呼ばれるものだ。
ご存知の方も多いだろう。
簡単に解説しておく。
この詩は今から150年近く前、南北戦争に従軍し、戦傷者となった南軍の兵士が、収容されたニューヨーク州立病院の病室に書いた文章と言われている。
そこには、次のように刻まれていたと言う。
~悩める人々への銘~
大きな事を成し遂げるために、強さを求めたのに、謙遜を学ぶようにと、弱さを授かった。
偉大な事が出来るようにと、健康を求めたのに、より良き事をするようにと、病気を授かった。
幸せになろうとして、富を求めたのに、賢明で有るようにと、貧困を授かった。
世の人々の賞賛を得ようと、成功を求めたのに、得意にならないようにと、失敗を授かった。
人生を楽しむために健全な体を求めたが、一分の価値を知るようにと虚弱を賜った。
求めたものは何一つ与えられなかったが、願いはすべて聞き届けられた。私は最も豊かに祝福された。
いろいろな解釈が有るだろう、
叶わないことの中にこそ、本当の真理が有る。
との解釈されるのが一般的である。
人生にはさまざまな問題が発生する。それを乗り越えるために強さとか、健康とか、富とか、成功を求めてきた。
しかし結局のところ、これらは人生の諸問題に対して、何の役にも立たなかったのだ。
結論を言えば、考え方、捉らえ方、さらには生き方を変えたのである。それによって、すべてが解決した。それが最後の行である。
私達は何とかストレスから逃れようと、必死であがいている。
強さ、健康、富、賞賛、成功・・・
これさえ手に入れば、ストレスなど無くなってしまうだろう、と考える。
けれどどうだろう。
強さ、健康、富、賞賛、成功・・・
このようなものを求めれば求めるほど、ストレスはますます強くなっていないだろうか。
けれども私達は、それでも
強さ、健康、富、賞賛、成功・・・
を求めずには居られない。
有る意味、ストレスから逃れたいと思いながらも、私達はストレスにしがみついているのではないだろうか。