それで早速理論に入ります。
まず始めに、『ストレスマネジメント』と言う言葉が出てきました。この言葉自体はご存知ですよね。おそらくこの言葉がメディアに登場しない日は無いんじゃないですか。それくらい日本はストレス社会なんですね。
『ストレスマネジメント』とを直訳すると、『ストレスを管理する』言う意味になります。ますますわかりづらいですね。ストレスを無くしたり減らしたりすることでしょうか。どうも違うようです。昨日も申し上げたように、ストレスそのものを無くしたり減らしたりすることは出来ません。
いろんな定義が有ると思いますが、私はこう考えます。
『ストレスマネジメント = ストレスと上手に付き合っていくこと。』
です。ストレスは避けられないものとし、ならばそれによるダメージを最小にできるように、主にこちらの心の状態をベストフォームに保つ技術、あるいはスキルを学んでいく事。だと思うのです。
では、具体的に私達はどうすればいいのでしょうか。
一般の人たちにストレス対処法をお聞きすると、大きく意見が二つに分かれるそうです。
まず一つ目は、『速やかに発散する』事です。確かにこれは大切です。ストレスを感じたなっと思ったら、なるべく早くストレス解消行動をすること。これが一番かもしれませんね。
気の置けない仲間と飲みに行く。
カラオケに行く。
とにかく身体を動かす。
家族団らん。
等など。
しかし、言うは易し何とやらで、現実は中々うまく行かないようです。同僚と飲みに行っても、それぞれ派閥があり、下手に上司の悪口など言おうものならたちまちメールで拡散し、その人の居場所さえなくなりかねない勢いなんだそうです。
スポーツクラブで汗を流そうにもどこもかしこも満員御礼。順番待ちをしている間にストレスがたまってしまいそう。
後は家族団らんで癒されよう。としても普段まったく会話の無いお父さん。自分の都合の良いときだけ、『どうだ、勉強進んでいるか』など聞かれても子供はウザイだけ。結局家でもストレスたまってしまいます。
そうなると、有効なのは一人カラオケくらいでしょうか。情けない・・・
ちなみにもうひとつの対処法は、『ひたすら我慢する。』だそうです。
そのストレスが我慢できる範疇で落ち着いていれば良いのでしょうが、怖いのは、自分はストレスに耐えられていると思っていても、実は無意識のレベルで心が悲鳴をあげている場合が有るのです。
このような時、身体はさまざまな形で、私達に警報を鳴らします。
一番多いのは、特に器質的な異常が無いのにいつまでも続く不定愁訴。これがひどくなると『心身症』と言うレベルになります。こうなると治療が必要です。さらにひどくなると『うつ』状態になったり、さらには突然、まったくやる気も気力も消えうせてしまう、『燃え尽き症候群』に陥ったりします。ストレスを甘く見るのは、非常に危険なんですよ。
『ストレスマネジメント』とは、ストレスを我慢したり、発散したりすることではありません。
『ストレスマネジメント』は、次の三つの要素から成り立っております。
まず一つ目は、『ストレスについて、良く知ること』
次に、『自分のストレスに気づくこと』
そして、『ストレスに対処すること』
の三つです。次回からひとつづつ解説してまいりましょうね。