補助療法について② | 神経質逍遥(神経質礼賛ブログ)

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昨日の予定では、認知症の補助療法について書こうと思ったのですが、認知症患者との接し方の例で終わってしまいましたね。

今日は真面目に書いていこうと思います(笑)。ちなみに『補助療法』とは、薬物療法以外の治療法を言います。したがってその主体は、『非薬物療法』とも呼ばれます。

 

さて、認知症をあえて分類するとしたら、何になるのでしょうか。

勿論遺伝病ではありませんよね。

感染症でもありません。

精神疾患でもありません。

では、いったい何なのでしょう?

 

 

お医者さんによって見解は異なりますが、一応認知症は『生活習慣病』のひとつとされています。その理由は認知症の原因とされるベータアミロイドなるものの蓄積が、どうも生活習慣病の原因と深く関係しているらしいのです。つまり、生活習慣病を抱えている人は、認知症のリスクが高いと言うことなんですね。

 

と言うことは、生活習慣病を治すことで、認知症の悪化が防げるかもしれないんです。上のグラフを見てください。

これは認知症患者で生活習慣病も併発している人に対し、生活習慣病のケアもしてみたところ、認知症の進行が有る程度押さえられた。と言うグラフなんです。いかがですか? かなり効果的ですよね。

 

私達の身体は、いろいろな要素が絡み合って動いています。たとえば心臓に異常が有るからと言って、心臓だけを治療しても、それが絡んでいる要因に手をつけなければ、またいずれ再発します。

認知症も同じで、認知症だけを目の敵にして、それを叩くことばかり考えていると、付随する要因をみすみす見逃してしまうリスクを抱えることになるのです。

 

さて、せっかくですから、他の『非薬物療法』も見てみましょうか。

 

○アクティビティ・ケア

これは、認知症の人でも生きがいを持って自立した暮らしを送ってもらうことを主眼としてケアです。患者がこれまで趣味としてきたことや、得意としてきたことを積極的に活動の中に取り入れていく支援方法です。

具体的には、散歩、体操、カラオケ、音楽、書道、茶道、料理、俳句、編み物、囲碁、将棋、と言うものがあります。

 

参加者は、ものづくりや活動に伴い頭を使うことで脳の活性化が図られ、作品を作るときの楽しさや、完成したときの達成感等により、更なる脳の活性化が図られます。

 

○回想法

認知症患者と言えども、長い人生経験の中でさまざまな体験を乗り越えてきています。そういった個人史的な事や、印象に残っている出来事などを語ってもらうことで、脳の活性化を促す治療法のひとつです。

 

 

○バリデーション療法

アメリカで開発された、認知症コミュニケーション法です。認知小児はさまざまな周辺症状が伴いますが、それらは無意味なものではなく、すべてに意味の有ることです。それらの『意味』を患者さんと支援者で共有して行きましょう。と言うことです。

 

具体的には、傾聴に尽きます。

周辺症状の意味を理解するためには、本人の話しを否定せず、受け止める必要があります。アイコンタクトをしたり、鸚鵡返しをしたり、ときに一緒に行動したりして、理解に努めます。

 

○リアリティ・オリエンテーション

日本語に直すと『現実見当識訓練』と言います。ますますわからないですね。たとえば日時、ここの場所、天気、人の名前、物の名前などを

質問したり、復唱させるなどをして、現実に対する認識を深め、進行を遅らせることを目的としています。

 

これは『ゲーム』として行っても良いし、日ごろのケアの一環として行っても良いでしょう。日常ケアで行う場合は、言葉や名前だけではなく、五感を使った現実感、たとえば食事の支度中のにおいとか、季節の花々の香り、などをきっかけにして、見当識に働きかけるケアを行っていくのも良いでしょう。