"真面目"な運転手? | 神経質逍遥(神経質礼賛ブログ)

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『真面目な運転手』ではない。

『"真面目"な運転手』である。

『""』の意味は何か? 読んでいただければ分かる。

 

昨日、久しぶりに郊外のショッピングセンターに行ってきた。天気に恵まれたこともあり、多くの買い物客でにぎわっていた。そこは最寄りの駅から十数キロ離れているので、無料のシャトルバスが出ている。私も車を持たない人間なので、こういうサービスがあるとありがたい。

 

買い物を終えて、バスの停留所に並んだ。すでに数名が並んでいる。暗くなってくるにつれ、気温が急激に下がる。おまけに雪混じりの北風も吹いてきた。私達は鼻をたらしながら、バスを待っていた。

ところが、時間になっても来ない。十分、二十分、・・・だんだんイライラしてくる。買い物袋を持つ手の感覚がなくなってきた。前のお客は、バス会社に電話をしているようである。

 

 

およそ五十分遅れで、バスはやってきた。ところが運転手は、お客さんは一人しか乗せられないと言う。なぜなら定員オーバーだと言うではないか。バスの定員はどうやって数えるのか知らないが、立っている乗客にもう少し後ろに詰めてもらえば、数人くらい楽に入るではないか。いやいや、ぎゅうぎゅうでも良ければ、あと30人は入れる。

 

と言って運転手に詰め寄ったのだが、規則なのでダメだとの一点張りである。仕方がないのであぶれ組みは次のバスを待つことにした。たぶん30分も待てば来るだろう。

ところが、来なかったのである。先のバスに乗車拒否をされてから、かれこれ一時間。まったくバスの影も見えない。と思ったら一台のバスが来た。しかもほとんど空である。ラッキー!

 

乗ろうと思ったら、またもや拒否された。なんでも乗客を下ろしたら、回送になるので、帰りの客は乗せられないとの事。まーなんて融通が利かないんでしょ。回送だといっても、どうせ駅まで行くんでしょ。だったら数人くらい乗せていってもバチは当たらないんとちゃう?

と詰め寄ったのだが、またもや規則のバリアで、断られてしまった。ただ、運転手の『すぐ後に来ますよ』の言葉に、少し救われた気がした。

 

ところがすぐには来なかった。あたりはすでに真っ暗である。星空がことのほか美しかったが、寒くて観察する余裕もない。

すぐ後に来る・・・はずのバスは、それから20分後に来た。見ると最初のバスよりも混んでいる。また、定員オーバーを理由に拒否されるのでは? との不安があったが、このバスにかけるしかない。

 

恐る恐るたずねると、・・・乗せてくれたのである。車内は暖房が強く利いていて、とても心地よい。しかも、私の前のお客は高齢の方ばかりなのだが、運転手の計らいで、全員座ることが出来たのだ。

車内はぎゅうぎゅう詰めづめに近かったが、寒空に2時間近く待たされた身にとっては、まさに地獄に仏である。

 

運転手は、定刻の運行予定よりも30分ほど遅れているので、いつもの運行ルートとは別のコースで、駅に向かう旨を私達に告げた。そして国道を利用する迂回ルートであったが、最終的には遅れを10分ほど縮小することが出来た。国道から眺める一般道の混雑は、それは激しいものであった。私達乗客は、いつも言う以上に大きな声で『ありがとうございました』と言った。

 

一番最初と二番目の運転手は、よく言えば職務に忠実、規則正しい仕事ぶりは、車内でも有能に評価されているだろう。後で聞いたことだが、最初の運転手は、激混みの一般道を、定められたルートからまったく外れることなく、運行していたと言う。どうせ途中で降りる乗客などいないのだから、少し機転を利かせばよいものを、・・・だから遅れがどんどん積み重なってしまったのだろう。

 

 

有能かもしれないが、融通が利かない。こういうタイプの人間は多いような気がする。一般的な言葉を使えば『真面目』なのだろう。しかし乗客の立場から言わせてもらうと、真面目は真面目でもカンマつきの"真面目"といわざるを得ないと思うのだ。どこが違うのかって? しいて言えば、真面目の良い面が目立つのを『真面目』。反対に悪い面ばかり目立つのが『"真面目"』と言うことになるだろうか。

 

そうなると、私達を快く乗せてくれた仏のような運転手さんは、『不真面目』と言うことになってしまう。確かに明らかに定員オーバーだし、まったく違うルートを走っていたのだから、万一事故でも起きたらどうするのかと、こちらのほうがひやひやしてしまう。

だが、この運転手に『不真面目』の評価を下すことは、感情が納得しないように思われる。

 

だから『非真面目』と言うのはどうだろう。以前『非真面目のススメ』と言う本があって、そこには『真面目』と『不真面目』の良いとこ取り。と言う文言が出てきた。まさしく昨日出会った運転手さんは典型的な『非真面目』タイプである。

『真面目』あるいは『"真面目"』タイプが多い神経質者だが、少しでも『非真面目』に近づけるよう、努力していきたいものである。

 

今日はほとんど私の愚痴であった。

ごめん難所! ←反省してない。