むろん、赤信号は渡ってはいけない。いかなる理由があろうとも。しかし、渡り方について考えをめぐらすことは、少し日々の制約を緩めるのに役立つのではなかろうか。
と、こじつけて、赤信号のわたり方について、時々話す相手の考えを聞いてみることにしている。
実際に尋ねてみると、「赤信号、みんなで渡れば怖くない」という有名な標語にどういう反応をするのか、その時は何が「怖くない」のか、人それぞれの意見があって、面白い。
最近、自分自身を省みて、「赤信号、ひとりで渡るほうが、みんなで渡るよりも怖くない」という表現が、自分にはしっくり来るということに気がついた。
僕は少し外れていることを好むようだ。おそらく、ガキンチョのときにみていたテレビ番組の影響である。
「あぶない刑事」「はぐれ刑事純情派」「はみ出し刑事情熱系」など、刑事ドラマはみんな少し外れていたし、「水戸黄門」「暴れん坊将軍」「遠山の金さん」もハイ・ソサエティな人が身分をかくしてお忍びする話である。
時代劇や刑事ドラマで育った小学生頃の僕は、「人生楽ありゃ、苦もあるさ~」と通学路で歌いながら、ちゃんと信号を守っていた。
大人になった僕は、歌と信号の守りかたについて大いなる変貌を遂げていた。このままでいいやと思っているといつの間にか変わってしまい、このままではいけないと思っているとなかなか変わらない。
これだから人生は興味深い。