くもとかぜ -野口整体の面白さ- | Nothingness of Sealed Fibs

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見た映画、読んだ本、その他もろもろについて考えたことを書きとめてあります。


毎朝、最寄駅から大学まで片道40分を歩いている。暇だからである。

クモ

ふと上を見上げてみると、電線の間に巧みな網を張り巡らす輩に遭遇。

思わずパシャリ。

くもが背景なのか、クモが背景なのかは曖昧。不思議な共演となった。


いつごろからクモが電線の間に巣をはるようになったのかよく知らないが、

電信柱ができてからであることは、間違いない。

空中に張られた網目の方が、獲物が良く取れるのだろうか。

クモの生活スタイルは確かに変化しているようだ。


人間は、どう変わり、どう変わらないのだろうか。

身体と精神、それぞれに、観察し、考えておくべきことはたくさんありそうだ。


そんなことはさておき。


こぴっと風邪を引いたので、野口晴哉『風邪の効用』ちくま文庫を読んでみた。


めちゃくちゃ面白い。「風邪で出た熱は無理に下げないほうが良い」という

現代の医学が最近になって生理学を駆使して到達した知見を、野口さんは

1960年代に、身体の観察、身体の運動だけから導き出しておられる。


風邪を引くという現象は、医学だけでなく、人類学的にも、身体論的にも、

捉える事が出来るのだということを痛感させられた。


また、「風邪」をうまく経過させることで、体質を良い方向に変えるという発想は、

自然科学よりもさらに先に到達したレベルに届いていると感じた。


顕微鏡や、試薬を駆使した実験でしかわからない事はあるだろう。

たしかに、説明の緻密さでは自然科学はずば抜けている。


でも、人間の観察、知覚、思考は、ずばっと真相にたどり着くことがある。

自然科学にはない種類の精密さを人間はもっているのではないか。


医学には分かってないことがたくさんある。

まだ発見されていない病気もあるだろう。

なぜ効果を示すのか分からない治療もたくさんある。

自然科学は多くを知っている。しかし、世界の現象は常にその上を行く。

分からない事に直面したとき、文献に立ちかえることは重要だが、もし、

文献すらなかったとき、患者さんにも僕にもまだ観察や感覚という武器が

あることを忘れないようにしよう。


そんなことを感じていると、不思議なことに野口晴哉『整体入門』の

古本をブックオフで発見。


探していると、見つかるものなのである。