大災害時の報道について | Nothingness of Sealed Fibs

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見た映画、読んだ本、その他もろもろについて考えたことを書きとめてあります。

大地震発生から三日がすぎた。


地震が起きた当日、僕は祖母のつくった紙人形展示会に参加するために、

奄美大島にいた。地震の第一報は奄美大島にでた津波警報で知った。


携帯をチェックすると津波は1mぐらいの予想と聞いたので、とりあえず祖母の車を

高台に移した。紙人形展示会の会場は奄美市中央公民館の2階だったので、

おそらくなんとかなるだろうと考えていた。津波到達は17:10となっていたので、

注意して海の方をみていると、すこし水位が上昇している程度で、陸に水が上がって

くることはなかった。


展示会が19:00におわってから、展示会場をしめて公民館一階そなえつけのテレビを見て、

言葉を失った。


それから祖母の家にもどり、テレビをつけると、災害の大きさ、おそろしさがこれでもかと

放映されていた。そのまま一晩中、テレビを消すことができなかった。


翌日、津波警報によって奄美空港が封鎖されているという情報もあり、不安のまま

奄美空港にむかったが、飛行機はほぼ通常通り運行されていた。


京都にもどってきても、余震や原発のニュースでテレビは埋まっていた。

筑波の研究所で働いている大学の同級生から、家が散々になったが無事だという

連絡があり、ひと安心した。神奈川にすむ両親、姉妹とも連絡がついた。


すこしでも多くの方の心の灯が消えないように。ただ祈るのみである。

なんとか知恵をしぼって、工夫しながら、命をながらえてほしい。


ここ数日、地震関係の報道をみて、おもったことを書き留めておく。


■被災者に向けた報道がもっとあってもよい

電気の通っている地域では、連日最新のテレビニュースを確認できる。

しかし、肝心の被災地ではテレビが映らないので、情報が滞っているようだ。

原発の状態についても、肝心の福島県現地の人たちに正確な情報が伝わりにくく、

断片的な情報によって不必要な不安があおられているようだ。

テレビの取材班は、被災地の情報を全国に流すための機材、電力を持っている。

その設備を使って、被災地の方々に災害の全体像や必要な情報を提供することは

できないのだろうか。すくなくとも、取材班は単に取材するだけでなく、持っている

情報を被災者に提供してほしい。


■専門家をもっと信頼したほうがいい

特に原発の問題について、テレビのコメンテーターが「情報開示をもっとはやくしろ」

「専門家だけで情報を独占して、勝手に判断すると間違った判断をするかもしれない」、

「政府の対応が後手後手である」と勇ましいコメントをしている。

しかし、災害時は、判断の正確性よりも迅速性が優先されてしかるべきだと思う。

特に原発の問題については、なんらかの処置をするのがおくれると致命的になる。

原発に関わる専門用語を聞いても、理解するのに時間がかかるばかりか、瞬間ごとに

変化していく状況を随時情報提供することには限界がある。

なんのために専門家がいるのか。注意深く聞いていれば、原発の問題について、

相当適切な対応がされていることがよくわかるはずである。


■マスコミは厳密な言葉遣いを心がけてほしい。

マスコミが情報を要約する過程で、「原発が爆発」や「近くにいた○○人が被曝」という

言い方になっている。しかし、原発の原子炉自体が爆発したわけではないし、

「被曝」はいわゆる「被爆」とは全く違う。放出された放射線は非常に微量であるし、

健康には影響をあたえないことが放射線医療の専門家によって言われているが、

いかんせんそのような専門家の発言は放送時間が短い。そうした専門家の発言を聞き逃し、

断片的な情報だけを聞いていると、原子炉自体が爆発して、相当量の放射線が出ている、

と誤解しかねない。マスコミは、被災者の不必要な不安をあおらないように、厳密・正確な

言葉づかいを心がけてほしい。その点NHKの情報は変な扇動意識がなく信頼できる。

民放のキャスターはみななぜかヘルメットをしているが、キャスターがするなら、後ろに

映っている他のスタッフもヘルメットをするべきだ。変にヘルメットをかぶるのは、視聴者の

不安をあおるだけだと思う。


■無駄な責任追及をしない

災害対応に完璧はない。これは当然だ。自転車操業的に、足りないところを補って

いくしかない。民主党政権に対する批判が集まっている時期におきた災害だが、

起こってしまった以上、民主党政権にがんばってもらうしかない。

計画停電によって首都圏のJRは大半が運休している。そのため、駅には電車に

乗れない人が大行列をつくり、中には、「政府対応が後手後手だ」と批判する人がいる。

しかし、災害時、後手後手になるのは当然だ。被災地と首都圏で対応の優先度の違いも

ある。しかも、突然停電になるよりは、計画停電がありうると言っておいてくれたほうが

ましであるに決まっている。

また、東京電力の対応が二転三転して問題となっている。

しかし、輪番に当たっている時は「停電して電気が使えないかもしれない時間」、

輪番に当たっていない時は「絶対に電気が使える時間」と考えればいいだけのことである。

輪番に当たっていたのに、電気が使えればラッキーであると思えば特に問題はない。

そして、「政府や電力会社が情報を隠蔽しているのではないか?」と疑ってもいいけれど、

真相を確かめるために払う労力よりは、他のことに注力すべき状況だと僕は思う。


被災者の方々、自衛隊、消防隊、警察の方々、なんとかもう少し粘ってください。

以上。