『あなたになら言える秘密のこと』 | Nothingness of Sealed Fibs

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見た映画、読んだ本、その他もろもろについて考えたことを書きとめてあります。

サラ・ポーリー主演最新作の『あなたになら言える秘密のこと』がTSUTAYAに来たので、早速レンタルした。


同じ監督の前作『死ぬまでにしたい10のこと』(原題は”LIFE WITHOUT ME”)もとてもよかったが、今作もサラ・ポーリーがキレイだ!(そこかい!)


(あらすじ)

工場で黙々と働くハンナ(サラ・ポーリー)は、働き過ぎを理由に工場長から強引に1か月の休暇を言い渡される。小旅行に出かけた彼女は看護師を探していた男(エディー・マーサン)に声をかけ、2週間の油田掘削所での仕事を引き受ける。彼女の仕事は事故で火傷を負い、重傷の男(ティム・ロビンス)の世話をすることで少しずつ快復していく。彼女には大きな秘密があった・・・。


(おもったこと)

この映画は、僕が本当にみたかった種類の映画だ。

例えば、戦争そのものを描くのではなく、戦争後の人々の快復を描く映画。

例えば、素敵な恋愛の過程ではなく、愛する人と死別したあとを描く映画。


そう、出来事の力、うむをいわさず人間を従わせる運命の力については、もう、十分すぎるほど映画は描いてきた。問題は、そういった運命を生き延びた人が、どう生き続けていくかということだと思うのだ。


ブランコをこぎながら、主人公と船のコックさんが交わす会話。

「ねぇ、ハンナ」

「なに?」

「なんでもない」


互いの存在のみを祝福しあう(呼びかけと応答!)このようなコミュニケーションこそ、人間の原風景ではないか? 

深く傷ついたために、自分という壁のなかにひそんでいた主人公は、このように何気ない、なんの目的も持たないない会話を通じて、確実に「つながり」を快復させていく。


だから、こういってもいいだろう。この映画は、「深く傷ついたもの同士の結びつきが、なぜかお互いを救うことができる」というテーマを扱っている。


翼をもぎとられたもの同士のむすびつきが翼を生む。

無から有の創造。そんな、不可能に思える出来事も、人間にはおこりえる。


うまく説明できないけれど、快復していく主人公を見守るカメラ、このカメラの視点を観客が追体験するということには、ある種の浄化作用があるように思えた。


すてきな作品です。ついつい2回見直してしまいました。