中央線

いつものこと。

日常に紛れて、薄れて、掻き消されていくだけ

なんにもなかったように、跡形もなくなるだけ

ただの偶然だった

それ以上でも、それ以下でもない

長い人生で、たったの十数分交差しただけ

それだけ








なのに、もう一度交差するように努力している自分がいる。


あの時感じた“何か”を、気のせいだと片付けられない自分がいる。



どうしよう


速まる心拍数を無視することで精一杯


勝手に捜す目を閉じるので精一杯


交差できないことに落胆していないふりをするので精一杯



今日もまた、同じことを繰り返している。


仕事帰りがこんなにもエモーショナルな時間になるなんて


どうしようもなくなっちゃうじゃない





いつまで続くのよ



早く消えてよ

これが最期だって光っていたい

季節が過ぎるのを、これほど恐れた年はない。


暖かい季節が大好きな自分が、冬が過ぎるのを寂しく思っている。


変わることは良いことだと、身をもって体験したはずなのに、今は立ち止まりたくて仕方がない。




４月なんて来なければ良いのに…


４月からの居場所だってある。


でも、その居場所を居場所じゃなくする努力も気力も、もう底をついてしまったのかな？


贅沢だって言われたって、電話にさえ拒否反応でちゃうんだから仕方がない。


もうすでに、居心地の悪い居場所になってしまっている。


なんとか回避しなければないけど、やはり世の中そんな上手くはいかない。


運とは無縁の私がただ出来ることは、ひたむきな努力だけ。


でも、走り続けて息切れがしてきたから、少し休憩をしたら、もうダメだった。


力が入らない、情けないことに。


今しかないのに…今走らなければ、不本意な居場所に身を投じることになるのに…


妥協はしないって決めたのに。


目先の快楽にばかり気を取られつつある自分を律しなければ、フレッシュ感のかけらもない心身共に荒んだ新入社員になってしまう。


どうせ社会は苦労で出来ているんだから、ちょっとでもマシな所が良いじゃない？






まだまだ、やり直しが効く年齢のはず。













ま、のんびり家で飯作ってるのも悪かないけどな

かなしみよ向こうへ行って

最低になっていくことを、仕方ないと片付ける人間になってしまうのか


こうやって大切な人を失っていくことを、身をもって体験したはずなのに


型にはまった考え方しかできない自分を、常識的と捉えるか、視野が狭いと捉えるか


芯がある。なんて言われてきたけど、その芯とやらがいかに曖昧なものなのか今更思い知らされる




高飛びでもしようかな。

なんて思ってしまうくらい闇。

そんな器量も決意も目標もないことは自覚しているけど。

内に収まることだけは絶対にしたくなかったけれど、それも良いのかなって思ってしまった自分に驚く。

なんのための青年期だったのよ。

無駄ばかりだったんだ。





これ以上失ってはならないとわかってはいても、何にも気が回らない。
思慮判別できない。
それどころではない。
いい加減疲れた。




かなしみよ向こうへ行って