晩秋の折、皆様におかれましては、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。日頃より、和歌山大学硬式野球部の活動に対し、多大なるご支援と温かいご声援を賜り、心より厚く御礼申し上げます。
74期、伊東世代は春季リーグ戦が9勝3敗勝ち点4の第2位、秋季リーグ戦が6勝6敗勝ち点2の第4位で幕を閉じました。70期から続いてきた4世代連続優勝の歴史が74期世代で途絶え、皆様とともに優勝という景色を見る事ができませんでした。
思い返せば、我々74期は70期の先輩方が慶應義塾大学と互角に戦う姿に憧れ、同じ舞台に立つ事を夢見て入学した世代です。この1年間で、過去の先輩方が繋いできた歴史の偉大さを痛感することになりました。
春秋連覇を目指し、最強世代と言われた前世代(73期)が第5位という順位で終了し、そのバトンを私たちが受け取りました。
そこから始まった冬練習。高重量バットの振り込みや筋力トレーニングなど、過去には行ってきた事のない過酷なトレーニングに挑みました。
その成果を実らせるべく、12回目の春季国頭キャンプに乗り込みました。そして、結果は全敗。そう上手くはいかないと皆が不安な気持ちで春季リーグ戦に臨みました。
開幕3連勝の後、優勝候補の奈良学園大学に連敗。後がない状況で、最終節まで粘りましたが、あと1勝の差で優勝を逃しました。
そこから、夏の期間。さらに一丸となり歴史を繋ぐべく、秋の明治神宮大会に初出場をめざし、死力を尽くしました。秋季リーグ戦前には全部員で2年連続の関東遠征を挙行しました。結果は関東の強豪大学に無敗。全部員が自信を持ってリーグ戦に向かう結果となりました。
ですが、秋季リーグ戦では連敗が続き、優勝が遠のきました。
そして、最大のライバル奈良学園大学にはエース田中輝映(向陽④)の3連投。これぞ和大野球という腕っぷりでしたが、勝ち点を取り切る事ができませんでした。
力を最大限に出し切る事ができず、悔し涙を飲み続け、伊東世代が終わりました。そしてこの1年間、リーグ戦優勝の壁を打ち破る事ができず、後輩達にバトンを繋ぐ事となりました。後輩達には悔しさを忘れず、いち早く東京の舞台に戻って欲しいと思います。また、戻ってくれると信じています。
この1年間、たくさんの方々に支えられている事を肌で感じました。地域の皆様、応援してくださる皆様がいらっしゃらなければ、我々は野球をする事ができません。その恩を返す為の活動にも精力的に取り組みました。高校野球補助や地域の祭りの参加、少年野球教室などで、たくさんの和歌山県民の皆様の温かさを感じました。
和歌山大学硬式野球部の話になれば、「頑張ってるね」「強いよね」と言われる存在にもなってきました。より一層のこの組織へのプライドを持たなければならない事を日々の生活でも感じています。
ですが、我々は勝てばいい訳ではありません。目的は人間形成です。この目的を果たすべく、今年から木鶏会という交流会を導入しました。木鶏会を通じて、未来の和大野球における人間形成の基盤を築いていきます。
このように組織は常に進んでいます。今年は優勝という結果に恵まれる事はありませんでしたが、次の世代、その次の世代と強くなっていく組織であることに変わりはありません。
その組織があるのも、大学や連盟で支えて下さる竹内部長、竹林副部長やいつも熱く親身な指導をして下さる大原監督、コーチ。その他OB・OG、関係者の方々、応援して下さるファンの皆様のおかげでございます。
学生がたくさんご迷惑をおかけし、結果が出ない時も温かく支え、応援して下さる皆様の存在があるからこそ、我々が野球に取り組む事ができています。
我々のモットーは「誰かのために」です。この組織が和歌山県や野球界で誰かの為に価値のある、もっと大きなものになっていくと思います。このバリューは何物にも変えられません。この想いを誇りに思い、日々活動に取り組んで参ります。
最後になりますが、日頃より支えて下さる部長・副部長、大学関係者の方々、ご指導いただいた指導者の皆様、野球関係者の皆様。応援して下さるOB・OGの皆様、ファンの皆様、学生活動に多大なるご支援・ご理解を賜り、本当にありがとうございました。
これからも強く、大きく、そして、「誰かのため」の組織であり続ける為に後輩達が頑張ってくれると信じています。和歌山大学硬式野球部にしか成し得ない何かを、皆で掴み取りましょう。
今後とも和歌山大学硬式野球部をどうぞよろしくお願いいたします。
和歌山大学硬式野球部
4回生 74期主務 新蔵大雅