FF12 声優インタビュー

 

 

 

一部抜粋しています

出典元 ファイナルファンタジーXII アルティマニアΩ

ファイナルファンタジーXII アルティマニアΩ(SE-MOOK)

 

 アーシェがバルフレアの名前を叫ぶ場面はとても衝撃的でした

 

──バルフレアのセリフでは『この物語の主人公だ』というフレーズがくり返し出てきました。

平田:たまにいますよね、そういうこと言う人。でもクールでシブくて冗談なんか言わないような人なのかなと思っていたら、最初にそのセリフが出てきたときには『何こんなこと自慢げに言ってんだ、こいつ』みたいに、少しとまどいましたよ。たぶん、これは唯一の彼の持ちネタなんでしょうね(笑)。そう思って、気持ちよく言わせていただきました。もうちょっと言う回数が多くても良かったのかな。遊んでらっしゃるかたの印象には残ってるんですかね?

──最後まで遊んだプレイヤーなら忘れられないセリフだと思いますよ。

平田:なるほどね。じゃあ、あまり多くなくて良かったのかな。言い過ぎるとクドかったんだ。

──そのあたりも含めて、アーシェがバルフレアの名前を叫ぶ場面はとても衝撃的でした。

平田:あのシーンて、順番に録ってたっけ?

園崎:いえ、あそこは最初のころに録りました。

平田:じゃあ、そのときから、あなたは僕のことを好きな設定だったの?

園崎:私はそういうふうに聞いてましたよ。『えっ、ここを先に録るんだ』と思っていたら、『このシーンが先に完成してますし、これを見れば雰囲気や世界観もわかっていただけるので』というお話で。そのときに、『こんなセリフがあるということは、私はバルフレアに想いを寄せていると考えてよろしいんですね?』と聞いたら『一応そうなんですが、はっきりとは出さないでください』って言われて『うーん(熟考)……わかりました』と。

平田:大変だね、そこが最初って。お疲れさまです(笑)。

園崎:確かに、あのシーンを先に録ったので、そのあとの収録では世界観を理解しやすかったですね。でも、そこに至るまでにどんな経緯があって、アーシェにどういう気持ちの流れがあったのか、ということがわからなかったから、収録では相当悩みましたよ。

平田:やったフリしたんだ。

園崎:そう、そこまで冒険してきたフリをして(笑)。事前に資料をいろいろと読ませてはいただいたんですけど、国同士の戦いとか政治の話しがすごく多くて、私はその中心にいるわけじゃないですか。自分の立場を理解するまでに、本当に時間がかかっちゃいました。


──園崎さんご自身は、バルフレアに対してどんなお気持ちを持たれましたか?

園崎:私はバルフレア、結構好きです。やっぱり、かっこいいですから。本人が『自分はかっこいい』と意識していないのがいいんですよ。ああいうキャラクターにかぎらず、たとえば自分はかっこいいっていうのを知っていて、自慢げに『俺ってかっこいいだろ?』とかやっちゃうと、かえってかっこ悪いと思うんですよね。

──バルフレアとフランのコンビについては、どんなふうにお考えでしたか?

平田:恋愛感情はとくになかったでしょうね。自分としても、フランは同志みたいな印象でしたよ。でも、彼女は無口でしょ?あれだけ口数が少ないと、なんか『スター・ウォーズ』のハン・ソロとチューバッカのような感じでしたね。

──バルフレアはフォーン海岸で、自分と父親の確執を語りますよね。

平田:あのシーンで、彼がつっぱっている意味がひとつ見えた感じがして、演じるうえではラクになりましたね。人はそれぞれこだわりを持ってますけど、そういうのってほかの人には理解できない部分があるじゃないですか。『あいつ、なんであの話になると急に怒り出すんだろう』とか。それが、個性につながる大きなタネになっている。バルフレアにとって父親への反発は、背負っているものとして思い切り大きいですけど、この設定を知ったときには『彼にはそれくらいの裏がないとね』という感じはしました。日ごろの行動の背後にあるエネルギーみたいなものがわかって、バルフレア役をやることがすごくラクになりましたよ。

 

 

 

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