2019年11月19日に開頭手術を受けてか、12月途中から嚥下リハビリを始め、都市を越えて1月中旬に入る頃からだろうか(記憶は曖昧)、ついに食物を口から入れて飲み込む段階へと進むことになった。


最初はゼリー(ぶどう味、オレンジ味もあったかな)から。

職員がスプーンで小さくひと掬い。

これを口に入れてもらい、これを噛み砕き、小さく小さく溶かしながら、喉を通す。


大量のつばとともに、ごく少量のゼリーを、ゴクリと飲み込む。

喉を通ったような通らなかったような頼りない感じだが、確かに喉を通って食道を落ちていった。

もう一口、確かめる。

うん、むせもせず、無事飲み込んた。

「はい、今日はこれでおしまい。」


そんな感じで、最初の数日は2口、3口もゼリーを食べれば終わり、足りない分は今まで通り鼻から通した管で栄養を摂つていた。

それがカップに入ったゼリー半分に挑戦し、1カップ完食に挑戦しゼリーの段階を終えた。

次はおかずのゼリー寄せと言うか、おかずを柔らかくスープ状にしたものをゼリーにした物を食べた(多分)。

おかずは、ゼリー状のものから柔らかいもの、細かく切ったものを経て、最後に普通のおかずになった。

主食はゆる〜いお粥から始まって、少しずつ水分の減ったお粥、そして柔らかいご飯、普通のご飯へと、日を追って段々と普通食に近づいていった。


嚥下のリハビリテーションが始まってから、ゆる〜いお粥の頃まで食事の時は専門の職員が付いてくれていたと思う。


嚥下のリハビリテーションが始まってから、僕は早く普通の食事ができるようになることだけを一心に考えていた。

病院内で目にしていた、院内ドトール珈琲店のケーキをミラノサンドを食べる日が来ることだけを夢見て、リハビリテーションに励んだ。


一方ではひたすら歩くことを考え、一方ではひたすら自分の口で好きな物を食べられるようになることだけを考えていた。

この頃の僕は、「執念の人」であった!w、


そう、ひたすら一日でも早く退院の日が来ることを、願っていたのである。