触媒の話です。 | ダブルアールズマフラー開発 日々の出来事。

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日々の出来事を中心に現在開発中の製品に関しての情報や、その他バイクに関する情報等を書いていきたいと思いますので宜しくお願い致します。

皆様こんにちは。

まず最初にご案内です。

 

最強寒波が襲来という事で全国的に交通網が大変な状況になっていますね。。。

またその影響で出荷した商品の遅延が発生しております。

本日の集荷は完了していますが、お客様へのお届けが予定より遅れる地域もございますので、大変ご迷惑をお掛けしますが何卒宜しくお願い致します。

 

さて、先週木曜日にJMCA認証試験で排ガスが不合格だったという事を書きましたが、その木曜日は午後3時半よりJMCAマフラー部会の長・副部会長でウェブ会議が行なわれました。

 

会議の内容はズバリ「触媒」に関してです。

 

車検の無い軽二輪以下のクラスも令和2年排ガス規制導入以降、今回のダックス125に関わらずどの車両においても各マフラーメーカーさんは大変苦労しており、私も今回初めてダックス125で不合格となりました。

試験に落ちた私が言うのもアレですが、軽二輪以下に関しましては令和2年規制で厳しくなったといっても「打つ手」はたくさんあって、特別深刻な問題という程ではございません。

 

しかしながら車検のある小型二輪以上のバイク、特に大排気量バイクに関しては本当に厳しくて、特に継続車両で現行発売されている車両においては、エンジン設計が古い事からアフターマフラーとして排ガス基準値を満たす事は不可能に近いぐらい、難しくなってきてるのが現状なんですよね。。。

 

これは2018~CB400SF・SB用スリップオンに使用している触媒ですが、凄く細かな網の目の部屋(セルと言います)に分かれている事が確認出来ます。

これはスリップオン部の触媒であって、純正エキパイには同じ様な触媒が2個内臓されており、合計3個の触媒で当時の排ガス基準値(平成28年排ガス規制)をクリアしています。(純正の場合もサイレンサー内に触媒が内蔵されています。)

 

令和2年排ガス規制導入に合わせて、残念ながら2018~CB400SF・SB(2BL-NC42)は2022年10月に生産終了となりましたが、この事からも令和2年排ガス規制がいかに厳しいのかを物語っていると思います。

 

因みに上写真の触媒を「第1世代」とすると、令和2年規制以降の新型車両に採用されてている触媒は少なくとも「第3世代」という位置付けの触媒が使用されており、先週の会議ではその事も踏まえた上で我々アフターマフラーメーカーがどう対応していけるのか?という事を中心に話し合いました。

 

「じゃあ我々も第3世代の触媒を…」といきたいところですが現状、我々が使用している触媒は基本的に第1世代の触媒になります。

そこで、JMCAマフラー会員であり純正マフラーを製造されているマフラーメーカーさんのご協力を得て早急に対応して頂ける事を確認、そして昨日はJMCAマフラー部会の全体会議があり、その報告がされました。

 

これで一件落着。。。ではなく、これから早急に第1世代と第3世代で具体的に浄化性能がどう違うのかを、「8BL車両」を用意して検証実験を行なう必要があります。

 

因みに純正触媒その物を購入出来る事は不可能ですし、また純正触媒同等の大きさの物をアフターマフラーに取り入れるのはビジュアル的にもコスト的にも非現実的な為、アフターマフラーに適した、十分な浄化性能を有す触媒サイズを選定していく必要があります。

 

検証結果はJMCAマフラー部会内でデータ共有されるのですが、こういう時こそ市場ライバルとはいえ、JMCAマフラー会員で団結して取り組んでいくべき問題ですね。

 

第3世代と呼ばれている触媒詳細に関してはここでは書けませんが、その進化に関して凄まじくて、私なんかには勉強にもならないレベルのお話でした(笑)。。。もっともっと専門分野の勉強が必要ですね。

 

因みに検証結果のデータを会員共有出来ると書きましたが、そのデータを見てどう理解するのか、出来るのかは、各社が取り組んで得たノウハウに拠るところが大きく、検証結果自体が「答え」ではないんですよね。

 

わずか数年後には更に厳しい規制が導入される予定ですし、「有益な情報」と言える様に、しっかりお勉強頑張ります(笑)

 

本日は「アフターマフラーって何だか大変そう…」っていうお話でした。

 

まだまだ当分、厳しい寒さが続く見込みです。。。通勤通学時の凍結等、くれぐれもお気を付け下さい。

それでは。