早朝に出発して飛行機に乗り、帰宅は21時過ぎ。
子ども達の寝顔しか見れないなんて、サラリーマンのお父さんみたい

事の発端は、10月に東京で開催された大学のゼミ同窓会。
子ども達を両親に預け、久しぶりの東京にワクワクしながら、
ゼミの同級生だった夫と一緒に参加した

同期と一つ上の先輩が集まり、大いに盛り上がった。
みんなと会えて、いろんな話をして、最高にうれしい楽しいひと時だった。
そこで再会した福田先輩。
起業して9年目を迎えるベンチャー企業の社長さんだ。
大学時代から豪快で熱く、人を大切にする人だった。
私がライターをしていると聞いて、
「ちょうどよかった。
3年前に作ったリーフレットをリニューアルしたいから、やってくれ!」
と制作を依頼された。
夫もそばにいたので、
「いいな、神田(夫)!」
「はい、どうぞ使ってください!」
と、その場で家族の了承も得られ、話が決まった。
福田先輩の会社の成功は、私たち後輩にとっても大きな希望であり誇りだ。
先輩の事業を応援したい気持ちで引き受けたものの、
私は取材とライティング専門なので、印刷物全体のディレクションは初めて

遠方のため会って打ち合わせができず、メールや電話でやり取りをして
リーフレットのイメージをすり合わせた。
どうやって東京のカメラマンさんを見つけようか…かなり困って、
ライター仲間の松井さんや東京でライターをしている従妹に相談をした。
適任者が見つかったときは、すごくホッとした。
デザインと印刷の手配は、タグボートデザインさんにお願いした。
笑顔の写真を撮るために、社長の似顔絵を用意することになり、
急遽イラストレーターの江端仁美さんに素敵な絵を描いてもらった。
いろんな人に助けていただき、取材当日を迎えたのである。
羽田空港から日本橋の会社へ向かう途中、
20代の頃、大きなカバンを持って東京の街を闊歩した営業マン時代を
懐かしく思い出した。
福田先輩は、私を社員に紹介するとき、
「大学の後輩でリクルートにいた吉田さん(旧姓)」と伝える。
今回東京で仕事をして、元リクルートのブランド力を感じることが多かった。
マイナス印象からスタートするより、ずっと仕事がやりやすい。
出身会社というのは人を判断する一つの物差しになるんだな、と思った。
たくさんの人が頑張って創りあげた実績が、ブランドという信頼になっている。
改めて、仕事の醍醐味と成長することを教えてくれた環境に感謝し、
“人材輩出企業”の名に恥じない仕事をしたいと思った。
社長インタビューでは、創業からの経緯を尋ねた。
大手建設会社を辞めて独立開業したいきさつ。
友だちに借金をして崖っぷちから出発したこと。
悩む暇もなく、毎日ガムシャラに働いたこと。
ベンチャー企業の大半が3年以内に姿を消す中、
株式会社フクダ&パートナーズは黒字成長を続けている。
その秘訣は、事業領域を絞り込み、ニッチな分野で勝負をしてきたこと。
まさに弱者の戦略・ランチェスターだ

自分の強みを活かしてできることをやった結果、自然にそうなったと言う。
「お金がなかったから、いろんなことができなかったんだよ。
とにかく必死だったからな。ハッ、ハッ、ハッ

福田社長は、社員一人ひとりを大切に想う気持ちが強く、
リーフレットには全員の写真を載せたいと希望。
「お金と時間はかかってもいいから、いいものを創りたい」
こんなありがたい言葉、制作者として何度も聞けるものじゃない。
結局、全体集合写真とチーム写真のほか、38名全員の写真をそれぞれ
撮影することになった。
私の取材は一日で済んだが、撮影にはあと二日間かかる。
予定変更にも速やかに対処し、手間暇かかるオーダーを快く受けてくれた
カメラマンの一色太郎さんには心から感謝している。
想いが伝わり、しっかり機能するようなリーフレットを創りたい。
全力を尽くしてがんばります
