もう『中日新聞』やめようかなあ、と思っていた矢先、サンデー版で「今も愛される江戸のデザイン」という特集があり「麻の葉」が扱われていました。
時に目にする模様であり、自分が編集した『続 法隆寺は移築された YONEDA’S 建築史学入門』の裏表紙に引用した写真を思い出しました。
それは『長谷寺本堂調査報告書』の中のカラーグラビアで、長谷寺の本堂内陣の彩色を施した柱に「麻の葉」が描かれているのです。
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観音様の右側に位置するこの柱には、その他多様な模様が混じり合っています。
ガイドブックによれば、このお堂は1650年建立ですので、ウィキペディアにある平安時代起源・江戸時代流行に一致し“めでたし、めでたし”となるところですが、違います。
詳細は「米田建築史学シリーズ」を読んでいただければ分かりますが、この柱は創建時(520年 倭国九州王朝時代)のもので、現在地に移築される以前、佐賀県三瀬にありました。
「麻の葉文様」の起源は日本史的には300年遡ることになりますが、世界史的には“もっと”かもしれません。