日本の古代史の著者たちは皆“我こそは”の意気込みで書いている筈ですが、部分的に鋭い見解がある一方、間の抜けた部分があったりします。
どの本を見ても大概は断定口調で“よくもまあそんなことが言えるものだ”という場面は日常茶飯事です。
読者はいろいろな著作に当たり、各々の良い所取りをして、自分の頭の中にストーリーを組み立てるしかありません。
このブログで取り上げる米田良三氏の建築史学シリーズでも、氏の口癖のような「疑えない」が頻発するため、読者の苦笑いが目に浮かぶようです。
“たまには”と言うことで長浜浩明 著『日本の誕生 皇室と日本人のルーツ』に目を通しました。
論の進め方が理系っぽいので“もしや”と思い著者略歴を見たところ、何と東工大建築学科出身で、米田良三氏の4年後輩に当たります。
本文の第1章に“古代史は多方面から検討を加える”という項があり、冒頭の図があります。
見ての通り未記入のスペースがあり、研究の余地は他にもまだまだあるのだ、ということを示しています。
この空きスペースに私は“建築学”“日本古典文学”“美術(絵巻物・仏像等)”を加えたいと思います。
長浜氏も薄々気付いていると思いますが・・・
一読したところ、長浜氏は未だ先輩の著作はご存じないように見受けられます。
これも何かの御縁ですので、「米田建築史学シリーズ全4巻」差し上げます。
是非、御一報ください。(HP:AB&JC PRESS)
http://abandjc-press.com/indexnew.html

