10年程前、名古屋での講演会の折に、ドナルド・キーン先生に『長谷寺考』を差し上げました。
と言っても、直接手渡したわけではなく、受付の係の方にお願いしたのです。
「秘書の方に必ず渡します」と言われたのですが、そこから先はどうなったのか分かりません。
あれだけの方ですので、このようなことは日常茶飯事であり、先生がチラッとでも目にとめて頂けたのかどうかも分かりません。
もし読まれたとしても、「オリジナル源氏物語が350年古い」等とは到底認められるものではありません。
今までの自分の業績にケチがつくことと、如何に日本贔屓であっても倭国の凄さを目の当たりにすれば、白人のプライドが揺らぎかねないから、と想像します。
写真は学生時代に買って、まだ持っている著書です。