まず始めに「建て替え論争」は最近の“名古屋が魅力のない都市である”問題とは切り離して考えるべきです。
全国の天守閣の中で一番容積の大きいのが名古屋城です。
同じく鉄筋コンクリートで作られている 大坂城が強度的に問題にならないのは、名古屋城よりも小さめであるというより、
作られた時代(昭和6年)が良かったからでしょう。
おそらく鉄筋は豊富に調達できたと思われます。
名古屋城天守閣が再建されたのは敗戦後十数年しかたっておらず素人目にも鉄筋は貧弱なものです(写真)。
設計もなんだか頼りない印象ですが(図)、間組に聞いてみないと分かりません。
“見えないところに金をかけない”ケチな名古屋人気質が裏目に出たきらいがあるかもしれません。
せっかく破風に施された銅細工等、江戸時代並みの高度な技が施されたのに、
本体が早々と寿命ではたまったものではありません。
現在、天守閣に登るのを禁止すべきか、危険を覚悟で許可すべきか揉めているようですが、
これって、山の中の落石注意の表示板と同じじゃないかと思うのです。
「そんなこと言われても、どうすりゃいいの?!!」と。
問題の解決法は既にこのブログで述べております。
それにしても初代天守閣消失の事情は日本人総てが知っておくべきものです。
軍事拠点を空爆した帰りの米軍爆撃機が、使わなかった爆弾が重いという理由で面白半分に名古屋上空で落としたところ、
その下に たまたま天守閣が在ったのだと聞いたことがあります。
日本の都市のほとんどを焼け野原にした一派がトランプ氏の登場で消滅してくれることを切に望みます。