『長谷寺考』改訂版の完成は PRETTY SOON ! | 民営文化センター

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民営の文化センターを開設するのが夢。このブログを書いているうちに何かヒントが掴めると思ってやっています。不器用で華やかさに欠ける画面ですが、少しでも世の為人の為になればとwrite everything forever


観世音寺(法隆寺の抜殻)





そもそも発端ですが、



米田良三氏の『法隆寺は移築された』 を古本屋で見つけたことに始まります。




少しでも建築に興味があり、歴史が勝者の編み出す物語と理解すれば「法隆寺移築説」は誰もが納得できるものであるはずですが、



学校で習った歴史で固められた脳味噌は、その発想を受け付けることができません。




挙句に「何故そんなこと(移築)をする必要があったのか?」とさも勝ち誇ったように、世界で一番素晴らしいと(本人が)自負する質問を浴びせてくることが再三あります。




この種の質問に対し一言で返事が出来ないからこそ“本”としてまとめられているのですから、黙って相手の顔を見返すしかありません。




『長谷寺考』は確かに難しい本ですが、文学作品を含む文献、地理、建築、仏像、絵画等に縦横無尽に検証を加え、雄大な仮説を限りなく真実であると納得してもらうために書かれているのです。




実のところ、教科書も含め総ての歴史書は手前味噌と仮説のオンパレードです。




歴史を学ぶ楽しさとは、諸説のいいとこ取りをして自分の頭のなかに独自のスト-リーを組み立てることなのです。






米田建築史学の楽しみ方に付き一言。



「急がば回れ」ですが、新泉社発行の4書 を読んだ上で、AB&JC PRESS版に取り組むと理解が容易です。




いきなりAB&JC PRESS版から入る場合、始めにざっと目を通し、次に難しいところは飛ばしアウトラインだけ掴みます。




以後は暇な時に聖書を紐解くように部分的に拾い読みし続けると良いでしょう。




スルメを噛むように味が出てくること請け合いです。




このやり方で1年間位楽しめます。


 








PS 斑鳩の宮大工 西岡常一氏は米田氏への私信の中で法隆寺が移築されたことは認めておられます。