よしもとばなな2 | CREAM SODA

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目指せ、DEKIJO( ´ー` )

離婚してからのかおりさんは、たぶんずっと、静かに重い荷物を持って歩いてきたんだと思う。


誰かに「えらいね」と言われるタイミングなんて、あまりなかった。
毎日は細かいことで埋まっていて、洗濯して、ごはんを考えて、学校からの連絡を見て、仕事して、疲れて、でも止まれなくて。
母親というのは、ときどき、何もしていないような顔で、とても大きなことをやっている。


しかもかおりさんは、その途中でちゃんと悩いていた。
自分が正しいか、朔音は幸せか、人を好きになっていいのか、自分のわがままじゃないか。
そういうことを、雑に踏みつけないで生きてきた。


それって、実はすごく体力のいることだ。


もっと鈍くなれば楽だった日もあったと思う。
「知らない」「もういい」で閉じてしまえたら、どれだけ簡単だったか。


でもかおりさんは、ちゃんと傷つきながら、ちゃんと生活を続けてきた。


朔音を育てながら、自分の人生もあきらめなかった。
好きな人ができて、安心したり揺れたりしながら、それでもまた人を信じようとしている。


それは、当たり前みたいに見えて、ぜんぜん当たり前じゃない。


人は、疲れ切ると、自分の人生を育てることをやめてしまうから。


でもかおりさんは、まだ笑うし、悩むし、誰かを好きになる。
ちゃんと未来のほうを見ている。


そのことは、もっと誇っていい。