国民も自粛しているのだから弁えろ!ということ?

 

NHK NEWS WEB 「東京五輪・パラ “選手村での酒提供” 野党が見直し求める」

 

 

政府側は、大会期間中、選手村でのケータリングサービスによる酒の提供のほか、選手みずからが酒を持ち込むことを認めていると、組織委員会から説明を受けていることを明らかにしました。

 

野党側は「選手だけ特別扱いする対応で、さまざまな自粛に応じてきている国民の理解は得られない。また、集団による飲酒の機会にもつながり、感染リスクも高まる」として見直しを求めました。

 

なるほど・・・

 

まず、前提として、日本国民は飲酒を禁じられているわけではない

 

緊急事態宣言や蔓延防止等重点措置の下においても、飲酒を禁止しているわけはなく、酒を提供している飲食店に休業を要請したり、夜8時までの時短営業を要請したり、飲食店内への酒の持ち込み自粛を要請している状態だ。

 

国民に自粛を求めてはいるが、仕事帰りにコンビニに寄って缶ビールを買い家で飲むことまで自粛しろとは言っていない。

 

酒関係で国民に自粛を求めているのは、4人以上などの複数人での会食、飲酒、路上での飲酒、飲食店への酒の持ち込みの自粛だ。

 

そもそも、この酒関係の自粛要請も緊急事態宣言や蔓延防止等重点措置の下においてなので、それらが解除されれば自粛など考える必要はなくなるものだ。

 

 

 

野党側の指摘は正しい指摘なのか?

 

オリンピック関係者は緊急事態宣言下であろうが、そうでなかろうが、自由な外出、外食は基本できないので、むしろ、国民より制限された環境下で生活することになる。

 

ケータリングサービスによる酒の提供や選手みずからが酒を持ち込むことを認めていることが野党の言う「選手だけ特別扱い」に該当するのだろうか?

 

我々国民は「Uber Eats」などで酒の宅配をすることも、仕事帰りにコンビニで酒を買って家に持ち帰ることも禁止されてはいない。

 

それとも、国民の皆さんは自ら進んでそれすらも自粛しているのだろうか?

 

国民の皆さんは出張先のホテルの部屋で缶チューハイを飲むことも自粛しているの?

 

だとしたら、なぜ、コンビニやスーパーで酒類が売れているの?

 

だったら、そもそも酒類を販売禁止にすればいいのでは?

 

そもそも、外出、外食ができないオリンピック選手に対し、酒の提供、酒の持ち込みを禁止するということは、実質、飲酒を禁止するということになる。

 

ということで、「酒の提供」、「酒の持ち込み」については、野党側の「選手だけ特別扱い」は正しい指摘とは言えない。

 

 

 

さまざまな自粛に応じてきている国民の理解は得られない」ともあるが、様々な自粛、制限は国によって異なるだろうが、オリンピック選手だって同様だ。

 

オリンピック選手はこれまで何ら制限を受けずに活動できていたのだろうか?

 

そんなことはない、オリンピック開催が延期された時点で相当な負担と損害を被っているはずだ。

 

それに、オリンピック開催時にも外出、外食を制限されるはずだが、もっと制限や自粛をしろということだろうか?

 

国民は仕事帰りに酒を買って家で飲めるのに、オリンピック選手にはそれすらも禁じろと?

 

それは、「他人に厳しく自分に甘い」というやつではなかろうか?

 

もう少しオリンピック選手のことも考えてみてはどうか?

 

これでは、「日本は排他的で外から入ってくる者に厳しい」と世界から言われかねない。

 

よって、野党側の「さまざまな自粛に応じてきている国民の理解は得られない」という指摘も正しい指摘とは言えない。

 

 

 

集団による飲酒の機会にもつながり、感染リスクも高まる」という指摘は半分正しいだろう。

 

集団による飲酒の機会が生じる可能性はある。

 

ただ、それで感染リスクが高まるようでは、選手に対する感染対策が無意味ということになる。

 

そもそも、オリンピック関係者は日本への入国前にワクチンを接種し、自国出国前に2回のPCR検査、日本入国時にもPCR検査、以降は選手とその関係者には毎日PCR検査を実施することになっていて、行動範囲は宿泊施設、練習会場、試合会場に制限され、自由な外出、外食はできない状態だ。

 

このような状況下に居る選手同士で飲酒したとして感染拡大する可能性はかなり低いだろうし、ここまでやっても制限や自粛すべきだとなると、国民全員にワクチン接種しても、毎日PCR検査できたとしても、結局は今と同様の自粛要請や休業要請をしろということになる。

 

ワクチン接種も毎日のPCR検査も無意味になってしまう。

 

といいうことで、野党側の「集団による飲酒の機会にもつながり、感染リスクも高まる」という指摘は、「集団による飲酒の機会にもつながる」という部分はその通りだが、それで「感染リスクも高まる」という部分はワクチン接種、毎日のPCR検査という対策があることを考慮すると正しい指摘とは言えない。

 

ワクチン接種し毎日PCR検査しても自粛しろ、制限しろとなれば、日本国民は今後永遠に自粛生活をし続けなければならない。

 

ワクチン接種して毎日PCR検査しても自粛しろですか・・・ 嫌な世の中だ。

 

野党はそんな国を目指しているということか?

 

 

 

問題点を指摘した野党の改善策とは?

 

あれ?記事には野党側の改善案、対案は見当たらない。

 

もしかして、これだろうか?

野党側は「選手だけ特別扱いする対応で、さまざまな自粛に応じてきている国民の理解は得られない。また、集団による飲酒の機会にもつながり、感染リスクも高まる」として見直しを求めました。

具体策や妥協策は一切提示せず、「見直しを求めました」と丸投げで終わっているようだ。

 

 

 

さて、野党側の指摘、批判は「正しい批判」と言えるか?

 

昨日のブログ記事「他人の足を引っ張りワーワー騒ぐだけで議論ができていない! 日本をダメにしているのはこれでしょ!」にも書いた私なりの「正しい批判」の定義とは

 

正しく状況・情況を把握し、正しく問題点を指摘し、その問題点を正せる対案までも用意された状態で行うのが「正しい批判」だ。
 

この条件を満たしていないものは「批判もどきの雑音」だ。

 

というもの。

 

外出ができないオリンピック選手に酒の提供、酒の持ち込みを禁止するということは、実質的に飲酒を禁止することになるが、国民には飲酒を禁止していないことから、選手だけ特別扱いは逆の意味(選手に厳しいという特別扱い)になるし、

 

ワクチン接種、毎日のPCR検査という感染対策をしても、国民感情のために弁えろという指摘は非科学的で感染対策を正しく理解しているとは言えず、そのうえでの指摘なので正しい指摘とは言えない。

 

おまけに、「見直しを求める」だけで、改善策、妥協策の提示が無いということで、「正しい批判」とは言えない。

 

単に、オリンピック反対ありきで、「国民は自粛しているのに、選手の飲酒はけしからん!」という感情論だけ、上っ面だけで批判しているようなものだ。

 

 

 

野党側に質問したい

 

ワクチン接種をし、毎日PCR検査を実施するオリンピック選手に対し、実質、飲酒を禁止する圧力を与えたということは、国民に対しても、例えワクチン接種を終え、PCR検査で陰性になったとしても、飲酒を禁止するよう政府に求めるということか?

 

過度な制限は、今後の感染対策、政策、経済などにも過度な制限を課すことに繋がるのではなかろうか?

 

それとも、ダブルスタンダードというやつで、信念や理論などあったものではなく、物事に筋を通さず、その時の自身の都合に合わせてコロコロと主張を変えるつもりなのか?

 

 

 

日本国内での外出制限は理解できても、宿泊施設内での飲酒も制限というのは理解できるだろうか?

 

日本国民だって自宅での飲酒、出張先のホテルでの飲酒は何ら制限されていないというのに。

 

この矛盾をどう思うだろう?

 

何だか、日本国民として恥ずかしいし、申し訳ないと思ってしまう。