慶応大名誉教授の金子勝氏のツイッターを見ていると、実に科学的知識の乏しい人が多いのだなと感じる。

 

金子勝氏の4月3日のツイート

【感染予算を正しく使え】おままごとアベは無駄マスクに50億円だか200億円?最新の1キットは百人で22万円。50億円あれば2百万人分です。責任逃れの五神東大、松本理研だけでも200台のPCRと20箇所のP2を提供すれば毎日2万人で100日。いないのは賢明なリーダーだ。

https://twitter.com/masaru_kaneko/status/1245858390598766592

 

わざわざ相手を蔑むような「おままごとアベ」という表現をしている時点で、どんな人物なのかがわかる。

 

以前の記事「原口一博議員、まだ気付かないのか!? 相手を蔑んでも自身には何の変化もないことを」でも書いたように、相手を蔑む行為は、自慰行為でしかないと私は思う。

 

 

 

本題に入るとして、

 

「無駄マスクに50億円だか200億円?」という主張から配布予定の布製マスクは無駄だと金子勝氏は考えているようだ。

 

欧米諸国がマスクの重要性に気付き、無症状でもマスク着用を推奨するようになっている現状をまだ知らないのだろうか?

 

今でさえ使い捨てマスクが手に入りづらいのが、一般市民がマスクを着用しなかった欧米諸国までもがマスクを求めるようになれば、今以上に使い捨てマスクが手に入らなくなるのは容易に想像できる。経済学者の金子勝氏なら既に計算済みだろう。

 

主な生産国である中国からの輸出増や生産増を待たねばならず、それでも世界の需要を満せるかどうか、それがいつになるのかもわからない今、布製マスクでもある方が何もないより良いに決まっている。

 

 

 

「最新の1キットは百人で22万円。50億円あれば2百万人分です。」については、簡易検査キットのことなのでしょう。

 

今感染を広げているのは、発熱、咳などの症状のある人よりも、無症状の人の方が多いと思われる。

 

先日感染した野球選手は、発熱や咳などの症状のない無症状の人たち十数人と会食をして感染している。

 

通常、発熱や咳などの症状があれば会食を欠席するだろう。

 

しかし、無症状だったからこそ、自身の感染に気付かずに出席し感染を拡大させてしまったわけだ。

 

さて、このような事例をウイルス検査の実施で未然に防げただろうか?

 

無理だろう。無症状で何のきっかけも無い人がウイルス検査を受けようとは思えない。

 

つまり、自身に症状が出てからか、接触していた人の感染が判明してからに限定される。

 

その時点でウイルス検査を実施し陽性となり隔離したとして、他者への感染は防げるのだろうか?

 

いやいや、防げない、だって、その野球選手たちがそうだったではないか!ウイルス検査前に他者に感染させている。

 

 

 

無症状→症状が出る→ウイルス検査→隔離、このうち、ウイルス検査で感染拡大を止められるのは、ウイルス検査以降だけであり、無症状から症状が出るまでの間は何もできない。

 

そのうえ、症状のある人は気を付けるが、無症状の人はそこまで気を付けないとなれば、どちらがより感染拡大に繋がるかは明白だろう。

 

最も感染を拡大させてしまう無症状の人に、「ウイルス検査からの隔離」が及ばないのだ。

 

 

 

では、感染しているかわからない無症状の人からの感染拡大を防ぐためにはどうすればよいのか?

 

人との接触を禁止するか、マスク着用を義務付けるかのどちらかしかない。ほかにありますか??

 

では、人との接触を禁止できるか?

 

生きるためには食料品を買いに行かねばならないので不可能だろう。

 

では、マスク着用を義務付けるしかないが、そのマスクは容易に手に入るか?

 

現時点でも容易に手に入らず、今後、世界での需要が高まれば、より手に入らなくなる。

 

ではどうしよう?

 

布製マスクでも何でもいいから、飛沫の拡散を防ぐしかない。

 

 

 

無症状の人からも感染するということがわかり、最近では会話程度の飛沫でも感染する可能性があるとも言われ始め、感染拡大を抑えるにはウイルス検査では遅いということが判明しているのに、なぜ、未だにウイルス検査に拘るのか?

 

研究者が感染拡大の度合いを探るためにサンプリング調査として実施するのは理解できるが、感染拡大防止のために実施という考えはもう古いしそれでは手遅れだ。

 

感染拡大を止めるには、マスク着用と手洗いの徹底か外出禁止などの人との接触制限しかない。

 

ウイルス検査は、その症状が何によるものなのかの診断と感染の可能性の高い濃厚接触者への感染確認のために実施するものであり、無症状の人からの感染がある以上、もはや感染拡大を止める手段にはならない。

 

 

 

この金子勝氏のツイートに対し様々な意見が寄せられているが・・・

 

どれもこれも極端に偏っていたり、単純だったり、上っ面だけだったりと、金子勝氏のツイートと似たようなものばかり。

 

 

「アベノマスク」は世界から嘲笑されている!

海外のマスコミが批判しているのは確かだが、その反面、アメリカのCDCなど欧米諸国でマスクに対する見直しが始まっている。

 

海外のマスコミはダイヤモンド・プリンセス号の対応も批判していたが、無症状の人からも感染することがわかった今、再検証すべきだろう。無症状の人との会食で感染拡大しているのだから、横浜港での隔離が始まる以前に既に700人が感染していても不思議ではなくなった。

 

そして、下船者の扱いも散々批判されたが、下船者を起点とする感染拡大は発生していないという事実もある。

 

海外のマスコミが正しい批判をしていたとは言い切れない。

 

日本を笑っていた諸外国が笑えない状況になったのだから、布製マスクの配布を笑っていた者が布製マスクでもいいから欲しがるなんてこともあり得るのでは?

 

 

その金を医療従事者のマスクや防護衣等に使うべき!マスクを必要としている老人施設や擁護施設に送るべき!

確かに間違いではないが、そもそも物が無い。だからこそ、一般人は布製マスクを使用し、使い捨てマスクを医療従事者などに優先的に供給するべきなのでは?

 

 

コロナウイルスの直径は0.1マイクロメートル。布マスクを容易に通過してしまいます。

ウイルスは単体では飛散しない。ウイルスに羽などは無く自律的に飛ぶことはできない。ウイルスが飛散するのは、人の飛沫や埃に付着した状態で飛散するので、飛沫や埃さえ防げれば問題はない。

 

そもそも、マスクはウイルスを100%防ぐことを目的にしたものではなく、飛沫を防ぐことと感染確率を下げるためのものだと認識すべきだろう。

 

交通事故を100%防げないが、信号を設置したり、歩道を整備したり、衝突軽減ブレーキを装備したり、道路交通法を見直したりしながら、交通事故ゼロを目指すのと似ていて、ウイルス感染を100%防げないが、マスクをしたり、手を洗ったり、人混みを避けたりしながらウイルス感染ゼロを目指すわけだ。

 

 

きのうTVで、布マスク(ガーゼ)の網目は、ウィルスにとっては広大な空間と言ってました。

ほら、テレビに出演する人物が単純にウイルス単体の大きさと布マスクの網目の大きさを比較するというおバカなことをしているから、間違った受け取り方をしてしまう人が出てくる。

 

新型コロナウイルスはウイルス単体では飛散しない。ウイルスが単体で飛散するなら、それは空気感染するということだ。

 

この新型コロナウイルスは人が吐く飛沫に付着し感染を拡大するので、その飛沫さえ防げばウイルスの拡散を最低限に抑えられる。

 

布製マスクすらしていない状態では、飛沫によるウイルス感染をまったく防げない。

 

 

WHO世界保健機関もCOVID-19に対して布製マスクは、無意味と言っている。

WHOも主張を微妙に変え始めているし、そもそも、WHOは世界から無能などと批判されまくっているほど信頼性の低い組織だ。WHOよりもアメリカのCDCの方が信頼性は高いだろう。

 

そのCDCは、「マスク不要論、米で見直しも 新型コロナ感染急増で」という時事通信社の記事中にもあるように、マスクに対する考え方を変えつつある。

 

 

200億円あれば、もっと色々なことできそうですね。北海道でもマスクを配ったけどその効果は確認したんでしょうか。マスク製造の会社へ手助けできないの?

200億円を新薬やワクチン開発の補助金に充てればいいという意見もあるが、今、マスク着用率を下げようものなら、爆発的感染拡大が各地で起きるだろう。今何とかすべき部分もあることを認識すべきだ。

 

感染拡大の速度が落ちたという事実はあるが、北海道でのマスク配布の効果は確認しようがないだろう。確認したところで、生活環境や人口密度が大きく違うため参考になるかも疑問だ。

 

マスク製造会社への手助けは既に行っている。手助けではなくアメリカのように国からの命令でマスク増産ができればと思うが、日本ではそれができない。

 

 

オリンピックは中止にして、延期でかかるはずだった追加費用を感染対策と所得保障に充ててほしい。

オリンピック中止による経済的損失も発生してしまうので、そう単純に物事を運ぶことはできないだろう。こっちをやればあっちが足りなくなるなど、世の中に完璧は無く、バランスを取りながら進めるしかないのです。

 

そもそも、国の予算は現金収入から出しているわけではないので、必要であれば国債などで調達し、今後、削れるところを削るなり節約するなりすればいいだけのこと。

 

 

 

慶応大学名誉教授 金子勝氏のツイッターがこのような状態とは、残念です。

 

もう少し現実味があり、将来に対する画期的な提案などが含まれている内容であれば、存在価値も上がるかと思います。

 

もう少し、ウイルスとはどんなものか、マスクにはどのような効果があるのか、どのようにウイルスに感染するのかなど、基本的なことを勉強しつつ、現実に起きている事象からも学びながら理解を深めるべきではなかろうか?

 

 

 

人のやる事なす事に批判ばかりしていないで、

 

マスクに効果がなければ、もっと早くに満員電車で数百万人が感染していないのはなぜなのか?

 

無症状の人からも感染するが、ウイルス検査を受けるきっかけの無い無症状の感染者をどうすればいいのか?

 

などなど、現実に起きている事象から考えてみましょう。

 

その方がよほど社会のためにもなる。