ほろほろコツコツ -6ページ目

ほろほろコツコツ

手のひらは広げて。ぼんやりぼんやりと。

<南海の桃李>

(牛養―――
わしが献策し、おぬしが建てた牌(ひ)がようやく役立つ日が来るぞ)

小柄でずんぐりとした亡き友の姿が、胸の底を過ぎる。
西に発つ牛養を朱雀門で見送った日、真備はまだ髪の色も黒々とした少壮官吏であった。
あれから長い歳月を経て、友が残した牌をようやく見られると考えるだけで、
六十を目前にした胸は青年のように高鳴った。

(この目でおぬしの牌を見、それを帰国の案内に役立てられる。
二十年の歳月を経て、ようやくおぬしとわしの志が実を結ぶのじゃ)
 

 

吉備朝臣真備さん

高橋連牛養さん

 

「秋萩の散る」は人物が数珠繋ぎされた連作。

1話1話が胸にあっちあちです。

 

主題の<秋萩の散る>は、道鏡さんです。